鋭い爪を持つ、火を吹く、魔法を使う。
そんなモンスターはざらにいた。
んで、今目の前の敵は、バジリスク。
石化する。
「もうパナシーアボトル、なかったぞ」
それの鱗目当てな一行はボソボソと話し合った。
「とりあえず、ミントを前に出さないで、だな」
「そうですね、ミントが石化しちゃったらどうしようもないですからね」
「すいません……」
「謝るところじゃないっしょー、ミント。はやく石化しないやつ買わなきゃねー」
以前持っていたのだが、その時の金欠病は酷かった。
と、言うことで泣く泣く売っていたのだ。
しかし今、それも欲しいが、何よりも必要なのは詠唱時間を短くするアミュレット。
あれがあれば随分楽になる。
詠唱を必要とする攻撃を主としている人物が3人もいるのだから。
だが……、高い。とてつもなく高い。
お金貯めなきゃ、と言うことで、道具を買わないように努めている。
そのためモンスターから得られる物でやりくりしようと言うのだ。
バジリスクの鱗は効力も大きく、なかなか重宝する。
「戦闘、かっいしぃーっっ」
アーチェの大きな声で戦闘が始まった。
実際の所突撃隊長なクレスが剣で斬りつけて、後ろからチェスターが矢を放ち、アーチェやクラースが頃合いを見計らって、魔術、召喚術を発動させる。
それがだいたいの戦闘に置いてのスタイルであった。
怪我をしたら後ろで待機しているミントが遠くから法術をかけるのである。
「こがはざんっ」
「…………モグモグ」
「あきさざめっ」
「バクバク」
「ってなに食ってんですか!?」
後ろの方が暇をもてあましているため、ちょっと早めの昼食を取っていた。
たまにお情け程度に矢が飛んでくるだけで。
「ちょっとは真面目にやってくれぇぇっっ」
バクバク頭に食いつかれていながらも、剣を振り、敵を倒そうとする姿勢は崩さないのだからさすがである。
そこへクラースがボソリと
「クレスならば一人ででも倒せると思ったのだが」
あたかも信頼しているからこそ任せている、と言ったような彼の言動に
「頑張ります!!」
クレスは頭に一匹バジリスクをつけたまま、目を輝かせてクラースの方を振り返る。
「あ」
「あ?」
そして………………石化した。
「しょうがない、退却っ!!」
その宣言と共に、全員バジリスクの大群から逃げ出した。「すいません……」
「いや、なにも謝らなくても……」
宿で休んでいると早々に謝ったクレスの態度に、クラースはポリポリと気まずそうに頭を掻く。
他のメンバーも気まずそうだ。
しかしその雰囲気を打ち消すように、
「次は勝ちます!
クラースさん、あなたのために!!」
手を取り力説するクレスに気圧されクラースは一歩身を退こうとするが、背中には壁があってそれは叶わなかった。
「そ、そうか」
「はい!!」
「って、んな近づいてんじゃねぇ〜〜っっ!!」
ドンドン近づいていく2人の距離を引き離すためにチェスターがクレスの後ろ襟首を掴んで引き離す。
クレスが鎧を着てなかったがためにできたことだ。
しかし、クレスはそのせいで首が絞まったらしい。
苦しそうな声が聞こえる。
が、クラースは助かった、とでも言うように、珍しく言い争いを始めようとする2人から離れて溜息をついた。
「もうあの手は使えないかな」
ポツリと呟かれたクラースの言葉に、女性陣は苦笑いを浮かべたとか……。