『NEVER EVER』



 Chapter 5 ―私の願い事は・・・―

 そして、この日が来た。
1週間前までは、待ち遠しかったこの日。
今でもその気持ちは変わってないけれど・・・。
だけどやっぱり、複雑で。

、今日が約束の日だけど・・・・・どうする?」

 シオンが珍しく真剣な顔で聞いてきた。
ちょうど1週間前の今頃、シオンと出逢ったんだっけなぁ。
あれから時々私についてきて。
時々家で寝てたりもして。
シオンとお別れっていうのもツライな・・・。

「願い事は、後で言っていい?」
「おぅ。別に今日中ならいつでも。」
「ありがと。」
「・・・顔色悪いけど、大丈夫?」
「うん。じゃ、学校行ってきます☆」
「あ、待てよ。今日は最後だし、俺も行く。」
「そっか。最後だもんね、一緒に行こうか。」

 玄関を出ると、が待ってくれていた。
いつもと変わらない、でもちょっと緊張してるような、笑顔で。
今日はさんの誕生日だもんね。

、頑張れ。」

 肩越しに、シオンが呟く。

「・・うん。ありがと。」

 には聞こえないくらいの声で、シオンに返事を返す。
そして、私はの元へ歩き出した。

「おはよ。」
「おはよう、。」
「行こ。学校遅れるよ。」
「そっちが遅く出てきたくせに。(笑)」

―放課後(早っ)―

―。」
「どしたの。」
クンが呼んでる。」
「えぇ?」

 確かに、校門のトコにらしき人が見える。
もぉ・・・今日に限って何なんだろう?
今日は、あんまり顔を合わせたくないのに。
だって、まだ迷ってるから。
シオンに言う、願い事のこと。
の心を・・・こんな風に手に入れていいのかな、って・・・。

「何?」
、ちょっと来て来て。」

 そして連れて行かれたのはそこから数m離れた電信柱の陰。

「用があるなら早く言ってよ。人に聞かれちゃマズイの?」
「あのさ・・・やっぱ呼び出した方がいいと思う?」
「誰を。」
「・・・さんを。」
「プレゼント渡して告るため?」
「そーだよ。それしかないっしょ?」

 何だ。またさんのことか。

「呼び出せば? それ以外にどんな方法があるの?」

 自分でも、ちょっと冷たくなってるのが分かった。
だって・・・もうこれ以上、から聞きたくないんだもん。
さんの事・・・。

「やっぱそれしかないよな・・・よし、頑張ろ。」
「じゃぁほら、早く約束しちゃいなよ。ケータイの番号かメアドくらいは分かるんでしょ?」
「おぅ・・・。」

 やはり直接ケータイでしゃべるのは恥ずかしいらしく、はメールを打ち出した。
あ。、メール打つの早くなった・・・。
いつの間に早くなったんだろう。
私の知らない間に・・・。
・・・変だよね、彼女でも何でもないのに、自分の知らない所でに変わって欲しくないなんて。
それにの指・・・かすかに震えてるよ・・・。

「できた! これでいいかなぁ?」
「どれどれ?」

“今日6時に会いたいんですけど、会ってくれませんか?“

「・・・これだけ?」
「他に何て言うんだよ。」
「まぁ、らしくていっか。送っちゃいなよ。(苦笑)」

+ピッ+

 そして2分後。
のケータイにメールが届いた。

“今日は7時までバイト入ってるんだ、ゴメンね。それからなら会えるよ。それでもいい?”

「やったぁ! 7時に会ってくれるって!」
「良かったね。頑張りなよ?」
「もちろん、当たり前だろ!」

+ズキッ・・・+

 私、何やってんだろ。
相談役になって、応援して、最後は自分のものにするの?
何か私って・・・最低じゃない?
でも、いくら自分のものになってくれるって分かってても・・・。
もしさんに告って、うまくいったら・・・。

「それじゃ、。また明日な! 結果はどっちでも報告するから!」
「うん。頑張ってね〜。(^^)」

 何か、頭の中がゴチャゴチャになってきちゃった。
私は、何がしたかったんだっけ?
にとって、私はどーゆう存在で在りたかったんだっけ?
私はシオンを見ずに、シオンに話し掛けた。

が本当に好きな人と、うまくいきますように。」
「・・・え?」
「今の、私の願い事ね。」
「・・・いいのか?」
「うん。いいの。」

 私の目からは、涙が溢れていた。
なぜかは分からない・・・どうして私、泣いてるんだろう?