『NEVER EVER』
Chapter 6 ―の気持ち―
午後7時。
俺はと別れた後、さんとの待ち合わせ場所にいた。
手には、店できちんと包んでもらったプレゼント。
「やっぱ緊張する・・・。」
夜になって大分寒くなり、吐息も白くなる。
速いペースで脈打つ心臓は、自分の一部じゃないみたいだった。
「!!」
「あ、さん。」
「ごめんねぇ、遅れて。m(>_<)m」
「いいえ。呼び出したの、俺だし。」
とりあえず俺は、さんにイスを勧める。
2人座って、俺は本題には触れないように、話を始めた。
「あの、今日ってさんの誕生日・・・」
「え、覚えてたの?!」
「だから、ちょっとしたプレゼントです。どうぞ!」
「うわぁ・・・いいのかな、もらっちゃって。・・・ありがとう。(^^)」
やはりどこか大人びた印象があるさん。
やっぱり俺の、憧れた人だ。
「開けていい?」
「どぉぞ。」
+カサカサ・・・+
「わぁ・・・可愛い時計v」
「と2人で選んだんですよ。」
「そうなんだ〜。ありがとう。」
さんは、しばらくその時計を色んな角度から眺めていた。
と物の好みが似てるのか、ずいぶん気に入った様子。
「あの・・・さん。」
そして俺は、本題に入った。
「俺、さんのことが好きです。ずっと憧れてました。だから・・・付き合ってください。」
「え・・・?」
突然の告白に、やっぱりさんも戸惑ってる。
そりゃそーだよな。
俺だってビックリするよ、急にこんなこと言われたら。
「えーと・・・?」
「はい。」
「本当に、私でいいの?」
「え・・・どうしてですか?」
分からない。
さんは、一体何を言おうとしてるのか・・・。
「は、多分誤解してるんだと思うな。」
「え?」
「は、年上の私に憧れてただけなんだよ。」
「・・・・・?」
「憧れと、恋は違うものなんだよ。」
「さん?」
憧れと恋は違う??
でも俺は、さんに憧れて・・・。
「、気づいてなかったの? がちゃんに見せる笑顔は、他の誰にも見せてないって。」
「俺が・・・?」
「私や、他のクラスメートに見せる笑顔なんかより、ずっと輝いてる笑顔。」
「に・・・。」
「いつも一緒に居過ぎて、気づかないだけじゃない??」
「・・・・・。」
「ちゃん、私にヤキモチ焼いてるよ、きっと。」
「そんなハズない。あいつそんな事全然・・・。」
「言えると思う? 私の事を好きだと言ってるに?」
「・・・・・。」
「2人でクレープ買いに来た時から、分かってたよ。ちゃん、のこと好きなんだなぁって。」
「なんで・・・。」
「は気づいてなさそうだったけどね。ちゃんが一緒にいるのが、当たり前になってたんでしょ。」
「・・・そうかも。」
納得しかけたものの、やっぱりまだ後味が悪くて。
首をかしげる俺に、さんは言った。
「がこのプレゼントを選ぶ時、隣にいたのは誰?」
「・・・。」
「が楽しいと思える時間の中に、いつもいたのは誰?」
「・・・。」
「が1番頼りにしてるのは誰?」
「・・・。」
「じゃぁ、にとって、失ってしまったら、困る人は誰?」
「・・・。」
さんは、もう分かるでしょ、と言わんばかりに俺を見つめた。
俺もやっと、さんが何を言いたかったのかが分かった。
「俺・・・がいないとダメだ・・・。」
「やっと気づいたか。この鈍感男!(笑)」
そう言って、さんはさっき俺があげた時計を手に持った。
そして、動いていた時計の針を、逆に回し始めた。
+クルクルクル・・・+
「はい。今から10分前。今の告白は無かったことにしてあげる。」
「さん、俺・・・。」
「いいから早く行きなよ。ちゃんと気持ちを伝えるんだよ?」
「はい!」
そうだ。
俺は、いつもが隣にいてくれたから。
だから、自分の気持ちに気づけなかったんだ。
どんな時も、は俺の味方だった。
風邪引いた時は、親より心配してくれてた。
もしもさんの言う通りで、が俺の事・・・好きだったとしたら。
この数日間、はどんな気持ちだっただろう?
“バレたか・・・。そうですー。俺は、さんの事が好きなんですー。”
“そっか。まぁ、頑張りなよ!”
“、プレゼント買うの一緒についてきてくれない?”
“・・・・・いいよ。”
“それじゃ、。また明日な! 結果はどっちでも報告するから!”
“うん。頑張ってね〜。”
・・・・・ごめん。
俺、なんて事しちゃったんだろう・・・?