「イチゴポッキーのタレ」 2000年2月


 「2/14」

 ここ数年縁がなかったので、そのような日の事は憶えていなかった。チョコレートのCFなどでようやく気付いたと言った具合だ。

 「…くだらない」。そう、私は硬派なのだ。しかしこういうイベントは、忘れていた時に不意をついてやってくるものである。

 やはり学校の人からもらえるとうれしいものだ。

 しかし大きな紙袋が自宅に届いたときには、正直言っておどろいた。色々な意味で。何せバレンタインデーの2週間くらい前にとどいたのだ。その時は、何が届いたのかを想像することはできなかった。私は「送り主に恨みを買うような真似は多分していないよな・・・」と、自信なげに思った。

 慎重に紙袋を開ける。万一の危険な事故に備えて封がしてある場所を避け、紙袋側面より開封したのだ。

 便せんと、クッキーの入ったプラスチックのケース。私はようやくこれが何であるかに気付いた。そして送り主に感謝をしつつも、紙袋の封がしてある箇所を丁寧に解体して調べた。

 封には何も細工してない事を確認した後で、便せんに目を通す。

 「DEAR ○○くん」

 そして中に入っている手紙を読む。・・・しばらく意図がハッキリしない多少ドキドキする内容が続く。弁解のようだか、「ひょっとして・・・!」とかは、初めから思っていなかったのでドキドキなんかしていなかった。が、手紙の初めの数行が少しハズカシイ内容だったので、若干ドキドキさせられてしまい、不覚をとった。

 で、読み進めると特別な意味はないと言う事がわかった。どうやらこれは彼女の感謝の気持ちらしい。気持ちは私に伝わった様な気がした。

 この時期、私の学校はすでに休みに入っている。学校でその日に会えばもらえそうな人はいるかもしれないが、学校がないとなるとそうもいかなくなる。

 郵送では敷居が高い。それを乗り越えてくれたという事を考えると、なおさら喜ばしい。

 しかし問題は手作りのクッキーにあった。

 クッキーの形のバラエティーこそたくさんあったが、味はたしか2種類だけであったと思う。「あったと思う」とあやふやなのは、1種類のクッキーの味があまりに強烈だった為、他のクッキーの味が印象にないのだ。

 私はイチゴポッキーがスキだ。イチゴポッキーのタレ(ポッキーをコーティングしてあるピンクのあれ)がとてもスキなのだ。しかしイチゴポッキーを1本ずつ食べると、どうもイチゴのフレーバーが弱い。20本程度まとめて一気に食べることも、以前はよくやっていた。

 いただいたクッキーの中には、イチゴポッキーのタレのようなものがかかっているクッキーがあった。私は真っ先にそのクッキーを口にした。

 ・・・きっと私の口にあわなかっただけの事なのだろう。私のクッキーに対する認識が広がった。

 しばらくイチゴポッキーもアポロも買うのはよそう。

 姉も1つ例のクッキーを食べた。だが彼女は、「もらったんだから全部たべなよ」と一言だけ言い残して去っていった。

 もう一種類のクッキーは、塩気がしたくらいしか記憶にない。

 私は、お礼の言葉に窮した。

 「ありがとう! でもクッキーはマズイよ、うん」などとは口が裂けても言えるわけない。ましてやこの事は、学校の連中にも知れてはならないトップシークレットだ。

 しかし、お礼などでウソをつくのは、私はイヤだ。そうこう葛藤し、結局以下のようにまとまった。

 >包装がスゴイね。市販されてるのみたいだったよ。
 >あ、もちろん味もね。
 >価値としても、市販されてるのよりもずっと上に思えるよ。
 >だって、○○さんが作ったんだもんね。

 ウソはあまりついていない。味もスゴかったのだ。市販のクッキーのように「すばらしい」とは言っていないが。あくまで「スゴかった」のだ。

 今思ったが、こうして改めて読んでみると、これでは下2行がフォローではないか・・・。

 とにかく色々な意味でドキドキした。

 来月はホワイトデー。先日、ホワイトデー用の演出を思いついた。またの機会に報告したい。


 …が、大して面白いことにもならなかったので、やっぱなしね。


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