「年越し」 2000年2月
以前友人が、「時報のお姉さんは1月1日の0時になると「あけましておめでとうございます」って言うんだよ」とホラを吹いた。
もちろん信じるわけがない。だが、何故だかどうしても確かめたくなってしまった。
しかし、ただ時報を聞くだけで年を越すのはあまりにもつまらない。
私は地球を持ち上げて年を越す事にした。それを人は逆立ちとも言う。
12月31日午後11時55分。準備に取りかかった。
その時、ふと「年を越す瞬間は放送大学はいったい何をやっているんだろう」と思った。チャンネルを5チャンネルにセットした。
そして、電話をハンズフリーにして時報をかけた。いつものお姉さんの声が聞こえる。「あけましておめでそうございます」と言いそうな気配はまったくない。
11時59分。タンスの寄りかかりつつ逆立ちを始めた。年越しの瞬間にタンスから離れるつもりだ。
・・・長い。1分は案外長かった。酔っぱらいに逆立ちはつらすぎた。しかし、なんとか年越しまでがんばり続けた。
電話から新年の挨拶が聞こえてくることは、やはりなかった。放送大学には風景の映像が流れているだけであった。
私は電話を切った。
翌年の年越しには地球脱出を試みた。それを人はジャンプするとも言う。
そして次の2000年への年越しは、寝過ごす事にした。もう思いつかなかったのだ。
その日は眠かったので8時半くらいにもう寝てしまった。
が、おかげで11時半くらいに目が覚めてしまい、あやうく崇高な目的が達成できないところであった。なんとか無事に目的は達成できたが。
私に友達はちゃんといます。
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