「自転車の故障」 2000年11月
今朝、自転車が馬鹿げたパンクをした。もっとも全面的に自分の責任だと思うのだが。
その時私は、待ち合わせの時間に遅れまいと、自転車をフルスピードで走らせ駅に向かっていた。
途中で、「?」という妙なペダルの踏み具合を感じた。何かが後輪に当たっている感覚であった。だが、面倒だし時間もなかったので、たいして気にもとめずに走り続けた。
そして駅まで残り500mという地点にさしかかったところ、突然「ズドォォ〜〜〜ン!!!」という轟音が、さわやかな朝をブチ抜いて鳴り響いた。
私は精いっぱい気づいてないふりをして自転車を疾走させていたが、自転車は正直であった。
「融通の利かないヤツめ」とののしりつつ、嫌な予感満々で後ろを振り向くと、「カランカラン・・・」と金属音を立てながら回る私の自転車の後輪が目に入った。
「さっきの爆音の原因って、やっぱ・・・オレ?」と思い、仕方なく自転車を下りて確認をした。
すると、後輪がひどいことになっていた。「パンク」などといった生やさしいものではなく、タイヤが「爆発」していたのだ。話でもあまり聞かないし、ましてや滅多に体験出来ないことである。無論好きこのんで遅刻寸前にこんな馬鹿げた体験をしようとは誰も思わないだろうが。
冷静になって自分のまわりに目をやってみると、人々の視線が気になった。
先ほどの爆発音は尋常な大きさではなかったらしく、皆が怪訝な面もちで私に注目していた。そういえば耳がしばらく「キーン」となっていた。
私は2秒で車輪の確認をやめ、まったく何事も起きていなかったかのように自転車を押して、駅にある自転車屋までむかった。掃除する手を止めて見ているおばさんの前から、一刻も早く立ち去りたかったのだ。
寒い朝ではあったが、後輪を持ち上げて自転車を引いて駅まで急いだおかげで、朝一で汗だくになってしまった。
やっとの思いで駅について、待ち合わせの場所に向かった。しかし到着した時刻は、既に10分ちかく約束の時間をすぎてしまっていた。申し訳ない気持ちになりながら、周囲を見回して友人の姿をさがした。
が、待ち合わせの相手はさらに遅刻をしていた。
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