「ギリギリ!」 2001年5月26日


 私の研究ではネズミを扱う。ネズミのからだを有効利用させてもらっているのだ。

 その為にはネズミを裂かなくてはならない。この手の物は大の苦手なのだが、逃げてばかりもいられない。そういうわけで、とりあえずその現場を見ることとなった。
 その操作は、ネズミのフトモモを2cm程切って、神経を出してどうのこうのして、縫合するという流れであった。
 皮膚を切ったり、神経を出したり。神経を糸で縛ったり、皮膚を縫ったり。想像していたよりも皮膚やら神経は丈夫で、単純であった。本当に生物のからだって縫えちゃう物なんだなぁと。一週間後くらいにはキズが治るらしい。ヨカッタね。
 冷静にこの状況を見ていると、意外と平気な物であった。余裕のあまり、空腹感をおぼえたほどだ。もうすぐお昼ご飯の時間だし。そして、
 「今日の昼ご飯は鶏肉にしよう――」
 ネズミのフトモモを見ていてそう思った。しかしさすがにこれは言えなかった。ネズミの解剖を見て「おっ、これうまそうじゃん」とは。水族館の魚じゃあるまいし。

 これからは見ているだけではなく、実際に自分がやることになる。それも、もっとハードなやり方でだ。はたしてその時は「おっ、新メニュー脳味噌プリン?」などど言っていられるだろうか。先行き不安である。いや、すでに不安だ。鶏肉と思った時点で何かが…。


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