「九寨溝へ行ってきた 前編」 2006年11月19日 English version is not available.


 憧れの地へはいつも突然に。そう、いつものように即決即断。
出発4日前の夜に計画、前日に航空券を手配・購入。盆のまっただ中に、我ながらよくどうにかなった物だ。

 というわけで、2年間待った、中国は四川省の山奥、九寨溝(きゅうさいこう)へ行ってきた。
 どうでも良いが、出発前は急な手配と準備で忙しくなるせいか、だいたい極度の寝不足で出発である。「時間はどうせたっぷりあるから飛行機で現地の予定を立てるか…」と思い、実行できた試しがない。寝るだけである。

九寨溝とは

 1970年代に発見され、1992年に世界遺産に登録、比較的新しい世界遺産である。
 近年メディアで絶景の地として取り上げられることも多くなり、耳にしたことのある人も多いだろう。
 「九寨溝の水を見ると、他の水は見られない」と言われるように、澄み切った水の作る様々な色合いの湖が大変美しく、一度見ると何時までも記憶に鮮明に残るような景観が有名である。

 その景観の素晴らしさ故、訪れる観光客は増加の一途を辿り、繁忙期には入場制限を行っているそうである。
 現地の旅行代理店を通して入場券をあらかじめ買っておけば問題ないようであるが、今回は時間が無いため手が回らず。開園前から並んでいれば多分買えるだろうということで、気にせず行くことにした。買えないと大枚はたいて何しに行ったのか分からなくなるのだが…。

航空券

 盆のさなか出発前日に航空券の購入をするとなるとさすがに空き状況の動きが激しいようで、数時間前まで空いていた席が、購入時になくなっていたりと非常に手間取った(旅行代理店の人も相当手間だったに違いないだろうが)。
 「成田→広州→成都→九賽溝」の旅程なのだが、九賽溝へ入る一般的なルートである「成都→九賽溝」間の状況が特に激しく動き、往復共にエコノミーがいつのまにやら満席に。残るはファーストクラスが2席。
 「わずか40分の国内線にファーストクラスとは…」とためらったが、それ以外選択肢もない。空港内のファーストクラスラウンジの利用を期待し、泣く泣く購入した。

 今回は広州で1泊し、翌朝すぐに九賽溝へ発ったのだが、乗り継ぎの良い便に乗ると一気に九賽溝までいけるようである(これも気がつくと満席になっていた)。
 やはり前日に手配するとなると明らかに分が悪い。(しかも平日会社から手配するのはもっとつらい)

ホテル

 現地でホテルを決めても良いのだが、今回は滞在期間が短く時間が惜しい。とりあえず時間もないことなので航空券と一緒に旅行代理店にお願いした。
 が、大都市広州はどうにかなったのだが、やはり九賽溝はどこもホテルが満室であった。ガイドブックには九賽溝のホテル情報があまりのっていないので、ウェブより検索、数件探し当てたので(ちなみにオフィシャルサイトは1件も見つからなかったが)、何となく良さそうなホテルを選び、電話をかけてみた。

 「予約担当のMr. ○○(中国人)へ連絡してください。彼は英語をしゃべれます。連絡先は…」

 ぎりぎり英語を話せる人につながったので助かった。かなり怪しい英語であったが、お互い様であろう。そうか、予約担当の○○さんに電話か…。

 「Hello? Mr. ○○?」
 「ウェイ?」
 「Hello? Mr. ○○? Can you speak English?」
 「ウェイ?」
 「Hello?」
 「英語しゃべれますか?(中国語で)」
 「…」
 ブッ

 やはり中国。高級ホテルは別なのだろうが、思った通り英語が通じない。何はともあれさっきのフロントの姉ちゃんに…。

 「さっきの人、英語全然話せないんだけど…」
 「(大笑)」

 大笑って…。あんた…。
 とりあえず次の人を紹介してもらい、再び連絡。
 次の人も中国語で出たが、何とか英語が少し分かるようで、英語と中国語まぜこぜでどうにか予約ができた。

 「有問題、打電話(問題があったら電話くださいね)」

 多分問題があっても、その問題を伝えることはできないんだろうなぁ…。まぁ多分予約できたんだから大丈夫だろう、うん。

2006/8/15(火) 1/5日目 成田→広州

 昼過ぎの便にて出発。夕方には広州に着く。
 広州へは九寨溝へ行くために寄らざるを得なかった程度なので、特に何をしたというわけでもない。
 時間はなかったが、せっかくなのですぐさま繁華街へ出て夕食を取った。

 広東料理屋。実はこれを最後に、数日うまい食事にはありつけなかったのである。

2006/8/16(水) 2/5日目 広州→成都→九寨溝

 早朝出発し、成都へ移動。
 成都から九寨溝へはファーストクラスで移動だったので、成都空港内のファーストクラスラウンジが利用可能であった。

 左に曲がるとファーストクラスラウンジ


 ラウンジへの渡り廊下。なんか簡単に外に出られてしまいそうだが、良いのだろうか。


 がらんどうなラウンジ。広々としていて良いのだが…。


 暇そうな従業員のお姉さん、外に向かって爪を切る。
 このラウンジにいては、間違いなく飛行機の時間になっても声がかからないような気がしたので、早々とゲートへ向かった。


 ゲート付近では、ホワイトボードに九寨溝の気温が書いてあり、防寒服を売っている。


 機内より撮影。わくわくしてくる光景である。


 しゅ、首相が参拝…。そういえばその日であった。これ以降帰るまで、新聞ではこの特集ばかりであった。機内でこの新聞を渡されると、何となく意識してしまう。


 昼過ぎくらいに九寨黄龍空港に到着。広州や成都と違って、湿気が無く爽やかな風が。標高3500m。


 やはりここでも防寒服が。大した服を持ってきていないので、だんだん心配になってくる。


 空港自体は新しいが、まだかなり小さい。空港の敷地内には、増築中の建屋が多く見られた。


 タクシーが待機しているので、移動に問題はない。

 ここでタクシーをつかまえて午後から九寨溝を見学しようかと考えていたのだが、車中タクシーの運転手と話していると

 「黄龍を見てから九寨溝へ向かってはどうだ」

 と。もう昼の2時をすぎているというのに、黄龍を見学する時間があるというのだ。
 実はこの黄龍、行きたかったのだが時間的な制約もあり、今回はあきらめていたのである。
 「九寨黄龍空港」という地名からも、黄龍が九寨溝と並ぶ観光名所であることはおわかりいただけるだろう。ここも世界遺産の一つである。
 どうせ夕方から九寨溝へ行ってもろくに見られないと思っていたので、行ってもらうこととした。

 空港から黄龍へは3800m以上の峠をいったん越え、少々下っていったところにある。


 空港から黄龍までの軌跡。左上が空港。右へ行かずに左下へ向かっていくと九寨溝へ。こんな地形のところを移動した。


 黄龍入り口付近。空港からちょうど1時間程度で到着。観光バスだらけ。


 ここでチケットを購入してから入場。


 ピクニックへ来るような格好の人が多い。


 入り口の石碑。この場所で標高3200m程度。


 荷物をタクシーに預け、3時半くらいから登り始めた。7時に入り口で再び運転手と待ち合わせだ。

 なにやら既に下山している人ばかりの気が…。


 こんな棚田状の景色が名物。


 コースには、こういった湖が多数有る。それぞれに名前が付いている。


 瀲艶湖。


 なんとか湖。


 争艶池。


 至る所にゴミ箱あり。さすが世界遺産。


 トイレもちゃんとある。


 こんなカンジの遊歩道を歩いていく。


 携帯の電波はちゃんと来ている。


 この辺りになってくると、高山病の症状がひどくなってきた。
 私の場合、標高3000mを越えたあたりから以下のような症状が徐々に現れてくる。

 血流と同期して頭痛がする
 軽い吐き気
 手足の末端が冷たくなる
 顔が冷たくなる
 異常な寒気(動いていると平気)
 ボーとしてくる
 首が動かしづらくなる
 ろれつが回らなくなってくる

 3000mを越えてもさほど呼吸は苦しくないのだが、「なにやら頭が痛いような気がする」というところから高山病が始める。
 過去に何度も高山病になっているので、呼吸や休憩には気をつけていたのだが、高山病を避けることはできなかった。

 中寺。チベット仏教?


 続いてすぐに黄龍古寺。ここまで来ると頂上はもう少し。


 頂上にある五彩池。入り口からの距離は約4200m。


 池の深さによって多種多様な色となる。右側が頂上付近。


 頂上に着いた時点で6時半。確か入り口での待ち合わせは7時だったような…。


 3時間かけて登った道のりを、30分で戻るのは既にあきらめ気味。


 結局1時間下山にかかり、到着したのは7時半。30分の遅刻だ。


 人も車ももうまばら。


 多少焦りつつタクシーの運転手を探すが見あたらない。イヤな予感的中。

 「まぁそんなに焦らず、もう一度探してみるか」

 と、落ち着いたふりをしながらもう一度辺りを探して見るも本当にいない。

 「さっきの運転手の携帯の番号聞いているし、ちょっとかけてみるか、どれどれ…。つ、通じないんだけど…?」
 「登る前に撮った写真にタクシーのナンバーが写ってなかったっけ? あぁ!? デジカメの電池切れた!?」

 落ち着いたふりがだんだんできなくなってきた。
 そんな中、フリーのタクシーが待っていたの見つけた。彼らもこっちに声をかける。
 「とりあえずはここを離れてホテルへ行かなくては」と思っていたところだったので、渡りに船である。

 「いやいや、もう一度最後に探してみよう…あ! いた!」

 運転手は売店で焼きそばを食べていた。まぁそらおなかも減るよね…30分も遅刻したし。でも携帯くらい通じて欲しかったなぁ…。
 危うく別のタクシーの誘惑に乗るところであった。危ない危ない。

 その後真っ暗で寒い山中を2時間半かけて進み、10時過ぎに九寨溝のホテルへ到着した。
 車中寒さと吐き気との戦いであった。辛いときは寝るに限る。(死なない程度に)
 しかしながら、九寨溝入り口付近のホテルは標高が2000m程度なので、高山病は一気に改善した。


 ホテルのレストラン。他に食事ができる場所がないので、閉店間際のプレッシャーなど気にしていられない。


 明日の朝はようやく九寨溝である。後編へ続く。


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