何の因果かタイはバンコクで、インクジェットプリンターの複合機(コピー・スキャン機能のついたプリンター)を買う機会に出くわした。とはいっても友人につきあっただけなのだが、おもしろかったので購入に至るまでの話を紹介したいと思う。
まずは気になる「プリンターを選ぶにあたって何を最も重視したか?」であるが、即答で「リフィル(詰め替え)インクには対応しているか?」であった。個人的には何とも言い難いプリンタの選び方ではあるが、個人の好み、地域性なので仕方がない。タイではリフィルインクを探すのに困らない。
某社の大容量黒インクカートリッジが870バーツ(約3480円)。黒インクボトル100mLが100バーツ(約400円)。このボトル1本で数回リフィルが可能な様子。ちなみに、親切にもこのボトルに、インク注入用の注射器、説明書を無料でつけてくれるとのこと。一応リフィルインクのリスクなども話したが、背に腹は代えられない様子。というよりか、値段を考えればリスクや手間など全く頭にはない感じである。
ここでさらなるインク代節約のための機械を見つける。プリンター本体横に無骨な大容量インクボトルを各色取り付け、チューブを介してインクを連続供給するシステムだ。こうなるともはや純正のインクを買う必要がなくなる。外付けのインクボトル、もしくは中身のインクだけを買えば良いのである。しかも大容量なので長持ち。
大量出力するユーザーにとってはなかなか便利な様で、ミャンマーのイミグレーションでこのシステムを使用しているプリンターを見かけた。とはいえ、想定外の大量出力をすれば予期せぬ障害が発生する可能性がある。また製品寿命が極端に短くなることが予測される。太く短く、At your own risk!である。
さらに、改造をして販売するとなると故障時の保証が気になる。店員に聞いてみたところ、故障時には店舗に持ち込んでもらい、システムを外した上でメーカーへ修理に出すとの事。想像通りである。
本システムの販売形態としては、その外付け連続インク供給システムを単品で買うのではなく、取り付け済みの新品プリンターを販売していた。対象機種はプリントヘッドの違い等からか、主にEPSON、brother製であった。店頭で2490バーツ(約9960円)するbrothrのDCP-130cが、改造済みで5900バーツ(約23600円)になっていた。さほど複雑な装置ではないが、販売価格は2倍以上に跳ね上がる。ちなみに友人はランニングコストは優れるが初期投資が大きすぎるため、このシステムの購入は断念していた。
リフィルインク専門店ならびに、改造プリンタ販売店が目立ち、純正品よりも幅を利かせている感がしないでもなかったが、IT CITY EXPOなる展示会が開かれており、そこでメーカー派遣の説明員から話を聞くことができた。
「リフィルインクはプリンターに良くないです」
それはその通りなのだが、この国でもその決まり切った一言が聞けて、何となく安心したりも。
その後はリフィル対応プリンタに絞って見てまわり、値段の安いプリンターをピックアップ。結局大きな決め手は「リフィル対応: 手法が確立されていて、リフィルキットが販売されている」であった。プリンタ本体価格が安くとも、リフィル未対応の機種は却下された。
いろいろと見てまわって気が付いたのだが、機種個別の詳細なスペック表やカタログが店頭にないのである。あるのは大まかな性能が記載されたPOPや比較表程度である。また、印刷サンプルはあれど、電源が入って稼働している展示品がない。買う前に試しようがないのである。展示スペースは綺麗で広くて見てまわるのに快適なのだが、その点非常に残念であった
と、いうわけで「リフィル対応で、安い、詳細は正直よく分からないが主な性能は良さそうなインクジェット複合機を、試さないでエイヤッ!」と購入する運びとなった。
密かにリフィルを含めた製品使用時の感想が気になる今日この頃である。