こんにちは。
いつのころからでしょうか。町の中のあちこちで、ある虹色の旗を見かけるようになりました。一番上の紫色から一番下の赤まで7色のグラデーションに、中央に白抜きで ”PACE”
(パーチェ、平和の意)と記したそれは、旗らしくポールに掲げられたもののほか、多くは窓から垂れ幕のように、下がっています。もともとどこで使いはじめたのか、すみません、調査不足で、そもそもイタリアではないのかもしれません。今や「平和主義者のシンボル」として、いつのまにかすっかり定着しています。
お天気のよい暖かな日が続くヴェネツィア、広いジュデッカ運河に面したザッテレ河岸では、散歩やおしゃべりをする人々、日光浴や昼寝を楽しむ学生、運河に張り出したテラスで、お茶や食事を楽しむ観光客・・・。世界で起きていることがまるで嘘のような、あまりにものどかで穏やかな光景の中で、視界に飛びこむこの虹色の旗が、あたかも唯一の鍵のように、はっと現実の世界へ引き戻させます。
実際には、既に日常生活面でもいろいろなことがおきました。
まず、3月19日(水)、近所の郵便局に寄ろうとしたところ、「ストのため本日休業」。当日の第一次攻撃報道を受け、すぐに全国的に戦争反対ストライキが組織されたためで、鉄道も午後数時間のストとなりました。全国各地、主要都市では、広場に多くの人が集まり、戦争反対のデモ、集会などが「自発的」に起きた、とのこと。今やシンボルとなった虹色の旗を揺らせ、または肩にはおい、集まる人々の様子の映像が、各地から流れました。
20日(木)、幸い私の授業は通常通り行われましたが、学生を中心とするデモや集会などが組織されたことなどもあり、授業によっては休講となったものもあったようです。
21日(金)、本日及び明日、「戦争反対運動グループに学部が占拠されたため」全授業休講。「占拠」というと何やらものものしいですが、別に武装グループというのではもちろんなく、どうやらこのような局面において、学生側から、正式に終日休講、というような措置を学部長に申し入れることができるようです。
ふだんから、ストライキは数限りなくあるし、デモ行進や集会など、日本に比べるとはるかに頻繁に大規模に組織されます。労働組合はもちろん、例えば学校制度改革に反対する学生たちのデモ、などもあります。戦争反対のデモが起きるのは、ごく自然な流れだろうと思います。
それならば、例えば学生の意識が非常に高いのかというと、必ずしもそうではないと思います。授業を休講にしてのデモ行進は少なくとも大半の高校生にとっては「ラッキー」という程度のものでしょう。ファッション的な部分も、全くないとはいいきれません。試験を前にした大学生にとっては、ストも休講も、混乱をきたすだけであって歓迎できるものではないし、それどころではない、というのが本音です。実際、試験前の授業最終日であるはずだった今日、占拠された学部の中庭で集会が行われていましたが、20-30人程度でしょうか、ひっそり、という感じでした。もちろん、他の大学では、やはり大々的に集会している様子も報道されているので、ヴェネツィアでも少し時期が違えば、また違ったのかもしれません。
政府としては米支持の立場をとる首相は、各地での平和集会に対し、「意見は尊重するが、何ももたらさない」とコメント。ほんとうに、全て無駄な行動なのでしょうか?
私たちにできることは、何もないのでしょうか?
Fumie
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