1年後の約束



なぜか広場に並ぶカヌー、これもヴェネツィアならでは?

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

今日、後期最後の補講がありました。1年がたつのは、ほんとうに早いものです。これで今年度の授業が全て終わり、7月中旬まで期末試験となります。

今日は、イタリア滞在者として、ある意味、定番すぎて書けずにいたテーマを。

滞在許可証

イタリアで3カ月以上滞在する場合は、ヴィザ以外に、滞在許可証を取る必要があります。その煩雑さ、というよりむしろ効率の悪さや窓口の理不尽さに、イタリア滞在経験者ならたいてい、一つ二つ語らずにはいられない、というものです。実際見聞きしたエピソードだけでも、書き始めればそれだけで軽く1冊の本ができてしまうのではないでしょうか。
この滞在許可証、申請に必要なのは、就学の場合、学校・大学の登録証明書、自国であらかじめ取得したヴィザ、写真、それに現住所、銀行残高証明書、など。全国統一の正式書類であるにもかかわらず、申請は地元の管轄警察でするため、その申請方法や、提出書類などが各市によって違います。それどころか、やっかいなのは、担当窓口、あるいは申請本人によって、いろいろ言われることが違ったりすることが往々にしてあること。こうして、次々とエピソードが生まれることになります。ただし、申請の際は、開館前から大行列をして順番が来るのをひたすら待つ、なぜかこればかりは全国どこも同じようです。

さて、ヴェネツィアでは、延長手続きにあたって、あらかじめアポイントを取る必要があります。といっても、有効期限が切れる30日以上前に一度出向いて、日付の入った予約券をもらうだけなのですが。予約をしたところで、朝から行列をするのは全く同じ。一見無意味ですが、毎年、私がもらえる滞在許可証の有効期限が6月末、その時点ではまだ新年度の書類は揃わないし、アポがとれるのが9-10月、その頃なら書類も全て間に合うし、ちょうどいいか、くらいに思っていました。
今年も期限が近づいてきたので、先日予約券をもらいに行ったところ、なんと指定日が6月29日。え、1カ月後?いつの間にそんなに仕事が早く進んだのか・・・いやそれより、1カ月後では書類が間に合わない、と思ってよくよく見たら、2005年。「あの、すみません、つまり来年てことですか?」「そうそう」(ニコニコ)。「来年?・・・ということは、この1年間は、この予約券が正式許可証がわりってことですね?」「そう、だから絶対なくさないでね」と、満面の笑みでの回答。予約券を発行するだけの、守衛窓口といったここは、実際に書類を受けつける窓口とはうって変わって、愛想がいいのはいつものことなのだけど・・・それにしても。
予約券が正式の許可証代わりといったって、それは言ってみればヴェネツィア・ルール。もちろん警察の印が押してあるものの、あくまでも仮の状態です。そんな状態が1年も続くなんて。だいたい、申請時には、まがりなりにもあれだけ審査が厳しいのに、これでは、こんな簡単に、特別何のチェックもなく、ポンと1年の滞在許可を出しているのに等しいわけです。

イタリアに来てから、日本一時帰国を含め、何度かEU以外の国へ旅行していますが、ふだんはイタリア出国時でもろくろくパスポートもチェックされません。が、しっかりパスポート・コントロールがあり、ヴィザの欄までしっかり見て、滞在許可証の提示を求められたことが今までに一度だけありました。そのたった一度が、たまたまその予約券を持っていた期間だったため、期限切れ許可証と予約券を提示し事情を説明したところ、「予約?しかも3カ月後?とんでもないね」とあきれられるやら、苦笑するやら。あのねー、あなたたちのお国の仕事でしょう、しかも、同じ警察なんだし・・・と思いつつも、「ええ、ほんとに」とこちらもニッコリ。その時はそれでやりすごしたのですが・・・。

ああ、そして、来年の6月29日、私はいつものあらゆる書類を持ってここに来て、また指紋まで取られて、翌30日に切れるはずの許可証を受け取るのか・・・。そして、また予約券を、今度は2年後だったりして・・・。その場ではつられて、ついこちらも笑いながら帰ってきてしまったものの、よく考えるとややこしいことになっているものです。
明らかなのは、申請窓口では、今まだこの問題に気付いていないのだろう、ということ、そして、直面する頃には彼らもどうしたらいいのかわからなくなって、パニックになっているだろう、ということ。いやいや、私はまだ1日期限が残っているだけましかもしれません。数日後に、やはり予約券を取りにいった友人は、既に2005年7月の予約日をもらったそう。有効期限の切れた許可証を申請することになるんだろうか、と今から頭を抱えています。
でも、だからと言ってヴェネツィアは申請が簡単、などと誤解されぬよう。新規申請は、かえって他より厳しいのでは?というくらいですから。(ああ、だからそれはそれで語り始めたら終わらない・・・)

ではまた。
Fumie