遠きにありて

 昨年(2003年)のビエンナーレにて

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。

突然暑くなりました。なんだかとても暑くて昼間出歩くとめまいがするような気がするのも、6月に入ってもまだまだ、2、3日晴れては雨が降って、また肌寒くなったりで、強い陽射しに馴れていないせいかと思っていました。ところが、今日は北イタリアでは軒並み30度以上を記録、平年に比べ4度以上も高いのだとか。

世界中のオペラハウスで活躍する、舞台衣装家という方にお会いする機会がありました。この週末、6月13日(土)にNHK BSの番組で紹介されるそうなので、興味、お時間があったらぜひご覧ください。「遠きにありてニッポン人」というシリーズだそうです。

ヴェネツィアで活躍する

さて、まだまだそこまではいかなくても、ヴェネツィアには何人か、それぞれの道を極めようとしている日本人の友人たちがいます。
1年前、ヴェネツィア・ビエンナーレに1人の若いアーチストが参加しました。松坂愛友美(あゆみ)さん。いろいろな種類のハーブの苗と、育て方を書いたカードを用意し、友人や知り合い、あるいは通行人に配る。苗を各自、一定期間育てた後、ヴェネツィア島内に用意した庭に持ちより、一緒に植えつける。またそこでご近所さん他の手を借りつつ一定期間育てた後、その庭で、摘みたてハーブを使ってお茶会を開く。観光客、住民、学生が、実は全く何の交わりもなく過ごしているこのヴェネツィアという町で、誰もが集い、くつろげる場を、というのがテーマでした。
私にとって新鮮だったのは、お茶会というイヴェントが主なのではなく、全体の流れ自体が、すべて「アート」の一環ということ。実際、会期終了後には、また希望者を募って、植えた苗を全て掘り起こし、持ちかえってもらったのですから。
計画段階から話を聞かせてもらう立場にいたけれども、実行は、ここでさらっと書くほど簡単ではありません。庭、スポンサー、協力者探し。お役所を回り、友人を頼り、担当教授を説得し。建築大学アート専攻科の学生たちによる出展部門の中での参加だったため、結局その会場内に庭を確保。それでも、会期直前はおろか、ビエンナーレが開幕しても、電気、水道などのインフラは一向に整わず、一方で備品はことごとく、なくなる。はたから見ているだけでも気が遠くなるような数カ月だったけれども、そんな苦労を知る立場にいたというひいき目を除いても、大成功だったといえるのではないかと思います。
正直のところ、ビエンナーレに出展されるような現代アート、あるいはこれからアートと呼ばれるであろうアートは、私から見ると難しい、わからない、どころか、時に不快感を覚えるものすらあります。ビエンナーレとは私にとって、アートとは何か、芸術家とは、と根底から考えさせられる、何か修行の場のようでもありました。
その点、愛友美さんのアートは、圧倒的にわかりやすい作品でした。もっとも、造園作家、という誤解を受けたりもしたようですが・・・。外国で活動する場合、日本人であるということがどこまでプラスに、あるいはマイナスに作用するのか、それでもビエンナーレのような国際展においては、やはりお国柄というのも個性の1つとして期待されている部分だと思います。ハーブティーとはいえ、ティーセレモニーというのは日本の伝統的行事としてもはやよく知られていることであるし、実際、ドーナツ状に植えたハーブの真中に敷いた赤いクロスは、緋もうせんを思い起こさせるのに十分でした。
彼女はドイツの大学からの交換留学生として1年ヴェネツィアに来ていたので、現在は本拠地ワイマールで卒業製作中。また、ちょっと変わったプロジェクト、いや、アートを計画したようです。結果が知りたいような、知りたくないような・・・

すみません、長くなりすぎるので、後半は明日送ります。
では、また
Fumie