こんにちは。ごぶさたしておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
この6月ほどではありませんが、暑い日が続いています。もう1カ月以上も、ほとんど雨が降らず、心配されるのは水不足に加え、電力不足。その主なエネルギー源を水力発電でまかなう北イタリア、これが続くようだと限られた水資源をめぐり、農業か生活か、どちらを犠牲にするのか・・・などという議論をすることにもなりそうです。
干上がっているのは平野部だけではありません。ここ数年の猛暑続きで、アルプスでも10年前までは厚い万年雪に覆われていたのが、今やすっかり岩が剥き出しになっているところもあるとか。
では、ヴェネツィアもすっかり干上がっているのかというと、やはり「低いところに水は流れる」のですね、相変わらずたっぷりと水に囲まれています。ただし、ここアドリア海に注ぐ川は軒並み水位が歴史的に下がっているため、河口付近では塩水が逆流し、生態系への影響も心配されています。
ヴェネツィアの仕事ぶり
さて、一週間ほど前から、カーン、カーンと杭を打つ音が聞こえてくるようになりました。今週末のレデントーレ(救世主)のお祭りに向けて、幅300mほどのジュデッカ運河に橋をかける作業です。思えば、仕事をしないと思われているイタリア、その中でも仕事が遅いといわれるヴェネツィア、ですが、こういうのはきっちり間に合うようにやるようです。
やるときはやる、ということでしょうか。その分、手を抜けるところでは手を抜く?とか。
私の家の隣はペンションなのですが、ずいぶん長いこと、この運河に沿った通りが、バリケードでふさがれていました。河岸の工事のためで、2階以上の客室からは変わりなく運河が見えるとはいえ、1階のちょっとエレガントなレストランは完全に光を遮られていてうっとうしい。また工事でものすごい騒音となることもあります。これでは商売上がったりだろうな、なんて他人事ながら気になっていました。
ところが。半年以上も続いた、その状態からようやく開放されるや否や、バリケードが撤去されるその側から、レストランの従業員たちが、きれいになった運河沿いの舗道に早速テーブルと椅子を並べ始めたのです。お見事、などと感心したのですが、甘い、甘い。その翌日にはペンションの目の前に新たに工事の船が。地を揺るがす騒音とともに、水の中に杭を打ちこみ始めました。
テラス建造開始
すると、これまで河岸工事ののらりくらりが嘘のよう。杭の上に、まず枠組を乗せ、その上を板でふさいで、瞬く間にテラスが出現したのです。そしてまた、あれ?もうテラスが?なんて思ったその日のお昼にはテーブルと椅子と、パラソルを並べ、なんと昼食サービスを開始。まだ、テラスには柵も何もなく、まさに水の上に渡した、すのこのような状態でした。
その日から、まず柵が取り付けられ、植木がおかれ、電気を通し、パラソルとテーブルがきっちりと、空間いっぱいに固定され、電灯がともり、花が飾られ、小さな門に鍵も取りつけられ・・・あれよあれよという間に、すっかり豪華な水上テラスが誕生ができあがったのです。その間、わずか1カ月くらいでしょうか。
反対側の、数軒先のピザ屋さんでも、河岸工事が始まったのがだいぶ遅かったのですが、ペンションに遅れること数週間でようやくバリケードから開放。やはりあっという間に水上テラスを完成させました。
商売を優先させる決まりでもあるのか、そのように手を回しているものなのか、気がついたら残されたのは家の前。2つの新しいテラスに囲まれる形で、ここ数軒ほどだけ、何週間も舗道の整備がなられず、ほったらっかしになっていました。
車がまったく通らないヴェネツィアでは、シャベルカー、クレーン車などもすべて巨大ないかだ船に乗ってやってきます。それらが水上で仕事をするのですから、時間がかかるのも仕方がありません。ところが、かれこれ10カ月近くかかった数10mの河岸工事に対し、1カ月もかからず完成したテラス。工事の種類も違うし、簡単には比べられませんが、やればできるんじゃないの、というか、本音と建前の差を見たように思いました。
そして、ヴェネツィアで工事といえば、96年に焼失したフェニーチェ劇場の再建。今年こそ、今シーズンこそ再開するという計画のもと、現在突貫工事が進められているはずです。そろそろ、オープニング・プログラムも正式に発表になる予定なのですが、どうなっていることでしょうか。
長くなりました、ではまた。
Fumie
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