雨乞いと、星に願いを

 ホテル玄関の鉢に、ざくろの実が

残暑お見舞い申し上げます。

もうともかく、ひたすら暑いです。メイルを書いたりする気力もなくなるくらい。ミラノで39℃、パリやロンドンで38℃、などというニュースを見ながら、それよりはちょっとましなのかも、などと思っていますが・・・毎日最高気温が35℃くらいのヴェネツィアは、湿度もあるのでちょうど東京の、普通の夏くらいの暑さでしょうか。それでも、冷房はおろか扇風機も持たない身には結構こたえます。せめて扇風機くらい買えばよかったのですが、午前中は部屋の中が比較的涼しいので、ここのところ早寝・早起きで午前中のみ活動しています。
異常なのは気温だけでなく、どこも湿度も高いのがこの夏の特徴。湿度が低く、過ごしやすい欧州の夏、という常識が、常識でなくなりつつあります。
追い討ちをかけるように、イタリアでも山火事が頻発、ところがその多くが、人災、それもタバコの消し忘れなどの不注意からではなく、放火だというのですから、驚きます。

サン・ロレンツォの夜

というタイトルの映画があって、確か’82年なので少し古いのですが、日本でもビデオやDVDなど手に入るようなので、ごらんになった方もあるかもしれません。
1年365日、毎日ゆかりの聖人の名前がついているイタリアでは、8月10日が聖(サン)ロレンツォの日。といっても、この聖人を守護聖人に持つ町などならともかく、全国的に特別にお祭りがあったりするわけではありません。イタリアでサン・ロレンツォの日、特にサン・ロレンツォの夜、といえば、一年で一番たくさん流れ星がふる日、なのです。詳しくはわかりません、いわゆる民間伝承なのでしょうが、科学的に裏付けもされている、ともいいます。ともかく、その夜はこぞって星を見るのが、習慣なのだそうです。周りに聞いてみると、やはり皆、その日に流れ星を見たことがある、というので、何かそういう特異日なのでしょうか。
夏休みの一日、海や山や空気の澄んだところで、親子やらカップルやらで星を眺める、ちょうどそんな時間が一番多い頃なのかもしれません。流れ星を見ながら、お願いごとを唱える、というのはここも同じようなので・・・。

今年の、サン・ロレンツォの日は先日の日曜日、私は前日まで覚えていたのに、その日も猛暑を乗り切るため、午後からリド島に海水浴に行って、帰って食事をしたら疲れが出て、流れ星も忘れてすっかり眠り込んでしまいました・・・。お願いする事はたくさんあったのに・・・残念・・・。

映画の方は、残念ながら見ていないので知らないのですが、大戦中の抵抗運動を主題にしたものだそうです。「サン・ロレンツォ」といえば、イタリア人ならまず「8月10日」を思い浮かべるわけですが、星空はともかく、流れ星まで登場するのかどうか。もちろん、タイトルから連想されるロマンチックな印象との対比を狙ったことは確かだと思いますが。

映画については、須賀敦子さんのエッセイ『麦畑のなかの赤いケシの花』というエッセイ(「塩一トンの読書」、または全集、河出書房新社)で触れられています。

それでは、みなさまもご自愛のほど。
Fumie