引越しのお知らせ

新居から、夕焼け

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

日が暮れるのがどんどん早くなった、と思っているうちに、ヴェネツィアもすっかり秋になりました。食欲、文化、スポーツ、読書・・・とポジティブな日本の秋と違い、こちらの秋は、楽しかった夏が終わり、暗くてうっとうしい冬が始まるなんだか寂しい季節。四季が、あることにはあるのですが、夏が待ちきれず冬から一気に夏になるのと同様、暑さから逃れほっとする間もなく冬支度になってしまう感じです。

ヴェネツィアに住みたい

さて、この一年私はヴェネツィアの島の中ではなく、マルゲーラという陸側の住宅街に住んでいました。マルゲーラというのは、実は工業地帯で、ここの港というのがほとんど「工業汚染地帯」と同義語といっていいくらい、マルゲーラに住んでいる、というと、だいたいイタリア人には「ええ!?」といやな顔をされるといっても過言でないくらい。実際は、その汚名を晴らすためなのか、汚染を隠すためなのか、特に私の住んでいたエリアは緑が多く、閑静できれいな住宅街なのですが。家も部屋も広く、日当たり、風通しもいいし、それ自体悪くはないのですが、周囲が全員ファミリー、子どものいる若夫婦が少し、大半は引退後の年金生活で、やはりふだん自分たちの孫を預かっている、というような。そういう、おそらくは当たり前の生活から、すっかり脱落している私には、ちょっと距離を感じてしまう。
そして、外国人学生としては、ちょっと物足りない。言ってみればあまりイタリアらしさ、がないのです。それと、大学の教室、学部はもちろん、図書館、本屋、美術館に教会、と普段必要なところ、見たいところはもちろんすべてヴェネツィア本島の中。その本島に行くのに、徒歩+バスで何事もなければ片道45分くらいだけど、ストだの事故だの工事中だの、さらに悪天候など・・・とちっとも当てにならない。また、試験前など家で勉強していて、ちょっと息抜きをしたいと思っても、本島に行くにはそうしてやたら時間がかかるし、家の周りは住宅街とはいえ車社会にできているので、車の便はいいけれど、車のない私には関係ないし、一人でも歩けるところはあまりないのです。
もう一つ実は決定的だったのは、閑静な住宅街なはずが、夏の間は一変したこと。ここから車で5分くらいの距離のところにある巨大ショッピングセンターの駐車場と、もう少し手前の市民運動場でお祭りをやっていて、テントをはって、その場で焼いたお肉やらビールやらを飲み食いしてるだけならいいのですが、問題はアマチュアからたまにプロまで、そこで野外コンサートをやっているのです。それが、だいたい夜9時くらいから始まり、早くて深夜12時、遅めだと1時半くらいまで、大音響でがなりたてているのです。いかにもアマチュアの時は、その音が空気を伝わっているうちにさらにゆがみ、耐えがたい騒音となって伝わり、プロらしき時は音調はともかく、大歓声もいっしょに聞こえる・・・一日や、二日、いや1週間くらいまでなら「ああ夏祭りなのね」とこちらも楽しむ余裕があるけど、なにしろ暑くなり始めた途端の6月中旬くらいからほぼ毎晩、もうすっかり涼しくなってきているというのに、昨晩(9月22日)など雨も降ってなにやらマイクの音がむなしく聞こえるのに、まだやっている・・・。
イタリアでは、町の歴史的中心地区では、建物のみならず、催しや音響などもいろいろ制限があり、こういったある程度の規模のコンサートなどは、たいてい郊外であること、暑くて日が長い夏の間、全員がヴァカンスに行っているわけでもなし、せめて少し涼しくなる夜は外で過ごしたいというのはわかるけれど、あまりの騒音に、勉強どころか睡眠さえ妨げられる実害となると話は別。
どうせ、せっかく住むなら、狭くて不便でも一度は島の中に住んでみないと、ヴェネツィアのよさも悪さもわからない・・・と思い、1年の契約切れを機に、やっぱり本島の中に引っ越すことにしました。
というわけで、来週末より以下の住所に変わります。
ではまた。
Fumie