ブラックアウト


こんにちは。

ニューヨークで大停電が起きた時、イタリアならともかく、N.Y.でもそんなことが起きるのね、などと冗談を言っていたら、ほんとにイタリアでも起きてしまいました。9月28日(日)午前3時半ごろ、サルデーニャ島を除くイタリア全国で一斉に電気が落ちたのです。あのN.Y.以来、イタリアでも大停電のことを英語のままBlack-outと呼んで一般名詞として使われていましたが、そのBlack-outが再現されてしまったわけです。
皮肉だったのは、まさにこの土曜から日曜日にかけて、ローマでは「白い夜」(Notte bianca) と称して、夜通しコンサートや花火などの催し、美術館やお店も終日営業で楽しもう!というイヴェントが行われていたことです。一晩中、光に満ちた夜になるはずが、一瞬にして全て暗闇に覆われてしまったのですから。

回復まで、早いところで3時間、遅いところで約12時間、トスカーナ、エミリア・ロマーニャなど中部ではその影響で水道も止まったところもあります。土曜から日曜にかけての早朝だったため、被害は最小限だったのが不幸中の幸いといえるかもしれません。各地でエレベータに閉じ込められた人の救出、入院者をかかえる病院などで自家発電などの対応に追われたものの、それ自体では深刻な事態にならなかったようです。
最も被害が集中したのは、交通機関。鉄道、航空、ともちろん一時は全てダウン、電力が回復してからも、遅延、運休と大混乱、まだまだ明日の朝まで続きそうです。

私は、早朝5時頃、なんとなく一度目が覚めたときに停電に気がついたのですが、1カ月ほど前に、住んでいる建物内でブレーカーが落ちるという事件があったため、てっきりまた同じようなことが起きたのかと思っていました。その時は確認する気力もなくそのまま寝入り、朝8時に起きたときには通常に戻っていたので、誰かが直してくれたんだろう、などとのん気に流していたくらいです。
お昼前に友人からの電話で、はじめて全国的な事件だったことを知り、ニュースを見ると、確かに大変なことになっているではありませんか。原子力発電を持たないイタリアは、電力を輸入に頼っていることは知っていましたが、フランスからの送電が途絶えたからとかで、全国一斉に、しかも長時間電力が止まるなんて。フランスの意向一つで、イタリアなんてひょいとひねりつぶされてしまうということでしょうか。もっとも、そのフランスからは、早々と責任の所在がないことを宣言されたようですが。
各地での復旧作業、駅での混乱の映像とともに、原因解明、いや責任追及で政治家同士が盛りあがっているのを、ぼんやりと、何か架空の出来事のように眺めていました。復旧してすぐは不安定なので、エレベータはなるべく使わないこと、車は注意深く運転しろ、冷蔵庫の中の、何と何は何時間以内なら大丈夫、あれとこれは24時間以内に消費すること・・・(そのくらい、自分の頭で考えられないのだろうか?)今日はできれば外出は避け、家でも洗濯機、皿洗い機を動かさないように・・・。
そんなことを、テレビやインターネットで見て、そしてこうやってコンピュータを使って書いているのですから、電気のありがたみがわかるような、わかっていないような、おかしなものです。

こんな時、鉄道も信号も、エレベータもあまりないヴェネツィアは、そんな喧騒も嘘のよう。最も早く回復した地域の一つだったのも幸いしましたが、観光客が活動をはじめるころには、すっかり普段の姿に戻っていたのでしょう。青空が広がり絶好の観光日和となった今日、いつものように観光客であふれかえっていました。

では、また。
Fumie