こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
日本は連休のようですが、台風でそれどころではないのかもしれませんね。ふだんは、よほどのことがない限り、日本の台風はこちらでは報道されないのですが、今回は別、ちょうどこの週末に鈴鹿でF1グランプリが開催されるからです。サッカー王国イタリアですが、意外と、その次くらいに人気が高いのがF1。水飛沫の中をテスト走行というのでしょうか、走る様子に加え、なんと日本のお天気地図までが登場してびっくりです。ヴェネツィアは、というと、着実に秋になっています。日に日に、日が短くなっているのを感じるばかりでなく、そのうんと短縮された日照時間でさえ、うっすらと雲がかかり、もう太陽が照りつけることはありません。雨が降ったわけでもないのに、夜になると足元の敷石がしっとりと濡れ、重い湿気を含んだ空気が、体にまとわりつくのを感じます。かつ、ここ数日はシロッコ(scirocco、アフリカからの南風)の影響で蒸し暑いこと。
明るいニュースといえば、ぶどうの収穫。この夏は気候がよかったのでイタリアほぼ全土で、豊作に加え、味もいいとか。今年のワインは、例年を上回るいい出来が期待されているようです。
情熱の傾けどころ
今度の日曜日は、家でバーベキューをするので来ない?そう誘われて、ジーンズで気楽に出かけたら、メインはそのお肉とはいえ、それこそフルコースの食事会だったりして焦ってしまった・・・そんなこともたまにありますが、イタリアのフェスタは、たいていとても簡単です。
なにしろ、焼き立て、とまでは行かなくとも、その日に焼いたシンプルなパン、地元のサラミやハム類、それからチーズ。それにワインの瓶がいくつかあれば、それでOK。もちろん結婚式などはもちろん盛大にやるとしても、ちょっとしたお祝い事、何かの試験に受かった、新しい車を買った・・・あるいは、誕生日でもとりたてて何もしないけど、という場合や、なんだかんだと言って人を集めては一緒に飲み食いします。もちろん、めずらしいサラミが手に入った、とか、自家製ワインができた、とか、それそのものが目的の場合もあります。
そうやって出てくるものはたいてい何でもおいしくて、周りがおしゃべりに夢中になっているすきに、こちらはついつい手がのびます。考えてみれば、いつもいつも、その3点、いや、4点セット、結局は同じような物で、時と場所が変わるとその種類が変わる程度。それでもいつも、誰も「またか!」などということもなく、それどころか、出された生ハムを絶賛したり、持参したワインを自慢したりして楽しみます。
こんなこともありました。もうずいぶん前のことになりますが、家具の修復のコースに通っていた時のことです。毎週土曜日の朝9時からだったのですが、ある時、講師役のマエストロが10時過ぎても到着しない。彼なしでは、作業を始めるわけにもいかず、待ちくたびれていたら、車で1時間半ほどのところから来る彼は、その朝の濃い霧で、大渋滞に巻き込まれてにっちもさっちもいかなくなっていたのでした。
ことが起きたのは、翌週。10時半過ぎ、いつも軽く休憩をとる時間に、なんと、この前のお詫び、と言って、パンを大きな紙袋にいっぱい、それに、モルタデッラという、太いボローニャ風ソーセージの薄切りを山盛りに持ってきていて、それをパンにはさんは、一人一人に配ってくれたのです。その、即席パニーノのおいしかったこと!午前10時、11時というと、イタリアではまだカップチーノに甘いクロワッサンの時間ですが、なにしろ朝早くから体を動かしているせいか、その塩気がほんとうにおいしい。なんてことない、普通のパンとハムなのですが、なにか、体が長いこと欲していた感じ。パンは、わざわざ家の近所で、朝6時に寄って買ってきたとのこと。
それからが大変でした。翌週、誰かがワインを持ってくれば、次の週には、別の人が自家製イワシの塩付けを、その次の週には、プロ顔負けの立派なフルーツ・タルト、シチリア風アランチーナ(ライス・コロッケ)、グーラッシュ(ハンガリー風シチュー)・・・。そのうち、バーナー持参でオムレツをその場で焼き上げるわ、もちろん、その頃には、ワイン、サラミ類はどんどん種類も数も増え、最終回には、さらに、魚介のフライも登場、もちろん、電気フライ器を持ちこみで、揚げたてです。道具も何もないところで、よくぞここまで・・・皆、車で来ているからこそとはいえ、その情熱には恐れ入ったものです。
私はというと、今なら巻き寿司でも何でも作っていきますが、その頃は朝早く起きて、バスで会場にたどり着くのが精一杯。その近所で、やはり生ハムなどを買ってお茶を濁していたのでした。
それではまた。
Fumie
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