空間のデザイン


ビエンナーレ会場入り口、正面はイタリア館

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
こちらは、日曜日に雨が降って、その後、からりと晴れているものの、急にぐんと寒くなりました。また慌てて冬物をひっぱり出しました。

お知らせですが、HPのアドレスが変更になりました。当面は古い方でも見られるようですが、今後はどうぞこちらをご覧ください。
../vivereavenezia/

芸術か、実用か

実は結構肩書きにうるさいイタリアでは、大学卒なら誰でも、現職にかかわらずドットーレ(dottore、女性ならdottoressa=ドットレッサ)をつけるのが基本ですが、医者、弁護士と並んで、職種肩書きで呼ばれるのが建築家です。
そして確かに建築家、というのは、かなり響きのいい肩書きのようです。
さらに、建築家、といっても、家や建物の設計をするだけではありません。展覧会や、美術館などの内装や配置デザインを担当するのも、通常は建築家ですし、国や、各地域の文化財保護官も、建築家の肩書きを持つ人が多数です。古い建物や街並みを修復し、保存する、その計画と実行はやはり建築家の仕事なのです。

そんなイタリアでの、建築ビエンナーレとはどんなものか、見に行ってきました。規模の大きさにとても一度では回りきれず・・・まだ全く見ていないところ、もう少しじっくり見たいものなどもあり、期間内になんとかもう一度行ってみるつもりです。

今回は、その中のイタリア・パビリオンから。この中で、私が見て楽しかったのは、音楽ホール建築のコーナーでした。おしゃれなオフィスの模型だって悪くないですが、ホールというのは、なんと言っても、「楽しいことが起こる」ための場所、見ているだけでいろいろ想像して、わくわくします。気のせいか、音楽が鳴っているような・・・あ、気のせいでなくて、会場の演出?それにしては音質が?と思ったら、なんと模型の一つが音付きだったのも、ご愛嬌でした。
現代建築とオペラ・ハウスというと、シドニーのそれが有名ですが、この数年の間に、世界中でこれだけ多くの新しいコンサート・ホール、オペラ・ハウスが設計、建築されているんですね。模型と、説明のパネルが、複数の部屋に渡り次々並ぶ状況は壮観でした。
で、見ていて気になったのは、変な話ですが「お手洗い」。なにしろ劇場というのは、どうしても同じ時間にお手洗いに殺到します。オペラを見に行ったら、幕間だって、その前の余韻にひたったり、軽く飲み物を飲んだり、サンドイッチをつまんだり、と楽しみたいものです。それを、30分の休憩時間いっぱい、お手洗いの行列に費やした、というのではいくらなんでも冴えないもの。古い劇場では、ある程度は仕方がないとあきらめがつきますが、新しく作る劇場は、せめてそのあたりはうまく作ってほしいものです。
たかがお手洗い。実際には、いわゆる「ハコ」を設計する建築家が、お手洗いをどこまで考えるのかわかりませんが・・・でもやはりそれも、その「ハコ」の中の、人の流れの一つ。しかも、絶対になくてはならない要素です。ミニ・バーや、ラウンジは、いかにも美しく模型で再現されていましたが、同様にお手洗いはどうなっているのだろう、と余計な心配をしてしまいました。

というのも思い出したことが一つ。実は、2002年にオープンした現在のヴェネツィアの空港は、2階建て、1ターミナルの、あくまでもこじんまりした建物。が、当世風にガラス張りでありながら、屋根には木製の枠組を使い、地元の旧来の建築様式を生かしたという、ヴェネツィアでは希少な、自慢の現代建築です。
内部も、特別最先端のデザインというよりはむしろごく普通なのですが、唯一、変だったのは、お手洗い。新しい建物のわりにやはり数が少ないとか、そういうことはさておき、個室の鍵が、かからないのです。かかりにくい、というのか・・・。鍵が、何かノブの上のものすごく小さいつまみを回す仕組みになっているのですが、まずそのポッチが小さすぎてよくわからない上、何かの設計違いなのか、それを回しても鍵がかかるのか、かからないのか、ドアと壁の隙間に辛うじてひっかかるだけ。うっかりするとひっかかりもしない。さらに、荷物などの持ちこみを考えて、個室が広めになっているのは基本ですが、そのために、用を足すにはドアに手が届かず、最悪ドアを押さえながら・・・というのも無理。あれは、建築家のミスというよりは、おそらくトイレ・メーカーの設計ミスなのでしょうけど、それにしても、困りものでした。懲りて利用しないようにしているので、その後どうなったかはわかりませんが・・・。

日本パビリオン他、いくつか感想を追ってHPに載せる予定です。

では、よい週末を。
Fumie