| こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。 アックア・アルタの季節になりました。10月31日には、大潮に明け方まとまって降った雨が重なって、午前11時半ころ潮位137cmを記録。もっとも137cmといっても、地表からの高さではありません。一番低いといわれている聖マルコ広場で膝上の高さに達し、ちょうどその位の高さに渡してある、巨大すのこの一部が流されて使い物にならなくなったそうです。
今日は久々に太陽が出たと思ったら最高気温が23-4℃、アックア・アルタはシロッコ(南風)にもよるので、その時は凍えるように寒いという感じにはならないのですが、それにしてもこれは、11月には暑すぎです。
気分は人気作家?それともデザイナー
大学は、早いもので、今年度最初の試験期間に入っています。
今朝、一つ試験を受けたのは、”Museografia
e museotecnica”。Museografiaは辞書をひくと、「博物館学」となっているのですが、ヴェネツィア大学にはmuseologiaという科目も存在して、そちらも辞書によると「(稀)博物館学」。実際授業に出てみるまでよくわからなかったのですが、今回のmuseografiaは、博物館展示法、とでも言いましょうか、あるいは、ハコモノとしての博物館学と言ったらいいかもしれません。博物館の物理的なあり方、すなわち、形、空間、光、表示方法、といった、博物館・美術館の表面的な姿に関する理論と考察でした。museotecnica、これは辞書にないのですが、博物館技術でしょうか、それと一緒になっていることからしても(科目名中の
e はand)、実際の展示に関する具体的方法論という感じです。一方、museologiaの方が、字面から察するにおそらく、いわゆる「博物館とは?」的な、博物館理論のようです。
もともと興味のある分野だし、なかなか面白かったのですが、大変だったのは、毎週課題が出たこと。文化財保護科、といってもあくまでも文学部、授業の大半は講義形式で、試験までにたいてい本を何冊か読んでいく、というものがほとんどです。ところがこのハコモノ学は、最初の3週はデザインの初歩の初歩みたいな課題、それをA3の紙の、決まったフォーマットに指定の書体でタイトルと名前を貼りつけて持参。後半の2週間は、展覧会1つ、常設美術館1つ、それぞれ分析、批評をまとめ、これまたCD及びA4で提出し、発表するというもの。
課題もまあ、一つ一つはそう難しいことではないのですが、何しろ、デザインの方は慣れていないので何やら必要以上に時間がかかり・・・だいたい、定規すら持っていなかったので、コンパス、色えんぴつ、三角定規などを、借りたり、あわてて買いに行ったり。レポートは、それ自体一苦労なのに、こんなときに限ってデジカメは壊れる、パソコンは不調・・・。
毎週締切に追われるというのも、これまでの生活に比べるとずいぶん違いましたが、それにしても、イタリアに来て、提出物にこまごまと指定があったのは初めてのように思います。レポートなどは、たいてい、課題も内容も分量も「自由に」。写真をつけた方がいいのか、つけない方がいいのか、どの程度掘り下げればいいのか・・・いちかばちか、出してみないとわからず、ということがほとんど。締切ですら、ないに等しいのです。それが、字数制限まであったのは、今回がほんとうに全く初めて。すっかりイタリアずれしている私も、最初はかなり戸惑いましたが、考えてみれば、これが仕事なら、締切だって、字数制限だって、あって当然です。またそれを、紙の上でも、あるいは対面ででも、自己プレゼンする能力だって必要なはずです。内容のみならず、方法からしてもなかなか具体的に役に立ちそうな授業でした。
が、そうなるとやはり、私には目の前に立ちはだかるのが言葉の壁。内容は悪くないな、と自己満足しながらも、まだまだ、とてもとても彼らには太刀打ちできません。
試験は、と言うと、これまでの課題をもう一度全て持ちこみ、それについて説明を求められるといういうもの。どれだけ暗記したかではなく、どれだけ理解して、それを実際に使うことができるか、を問われる試験、これも全く初めてで、なんだか初めてづくしのハコモノ学でした。
それではまた。
Fumie
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