季節のごあいさつ

ヴェネツィアのクリスマス

ごぶさたしております。いかがお過ごしでしょうか。

アフリカからの南風シロッコが吹き止んだと思ったら、今度はシベリアから寒風、気温が一気に15℃以上も下がり、突然厳しい寒さとなりました。外に出るのに、どうも何を来ても寒いと思ったら、ヴェネツィアの今日の最低気温は零下3℃。ニューヨークでも、東京でも早くも雪が降ったと聞きましたが、イタリアも山岳地帯はすべて雪、北部では平地でも今日あたり雪の予想です。

師走

クリスマスまであと2週間、気がつくとヴェネツィアでもクリスマスの飾りつけでいっぱいになりました。夕方4時過ぎには日が落ちてしまうこの時期、つい先日まではお天気の悪さも加わり、夕方は暗くなる前に、と足早に帰宅していたのが、クリスマスのイルミネーションがつきはじめると、気分も一転。逆に暗くなるのが待ちきれないかのように、日が沈むのを合図に、夕食までの数時間、街に人があふれ出します。テレビで見た、ロンドンやパリのような華やかさとは違いますが、通りを飾るシンプルで単色のイルミネーションが、お店のウインドウに、こちらはあふれんばかりのクリスマス・カラーのリボンやツリー、イルミネーションと呼応し、何とも楽しい気分にさせてくれるのは一緒。広場ではチーズやサラミなどの各地方特産品や、クリスマスの飾りなどを売るマーケット。寒すぎて、外で売る人にはちょっと気の毒ですが・・・。
同じお買い物でも、それぞれが自分のために行動しているバーゲンの時の殺伐さと違い、クリスマス前のお買い物は、家族や恋人、友人へのプレゼントや、またはその人達と一緒に過ごすためのご馳走、とお互いのことを考える時間。人々がなんとも華やいだだけでなく、やわらかな表情をしているのも、気のせいではないでしょう。キリストの誕生を祝うというのが本来の趣旨であることは間違いありませんが、暗くて寒いこの時期、幸せな気分になれるイベントというのも悪くないな、などとと思います。

ところで、日本で師走といえばもうひとつ、お歳暮という風習がありますが、こちらでも実は似たような習慣があります。この季節になると、各地でこの「お歳暮セット」も見かけるようになります。日本ほど高級生鮮素材から石鹸まで何でも、というわけではなく、一般的なのは、両腕でかかえるほどの籠に、ワイン、パネットーネ(クリスマスのお菓子)、チョコレートや、チーズ、ザンポーネ(豚足、やはりクリスマスの料理)、クッキー、ナッツ類、ドライフルーツに瓶詰め・・・など、つまりクリスマスに食べるものを満載したもの。発砲ワイン1本だったり、それに赤ワインもついていたりと、中身の質や量によって値段の幅もさまざま。もちろん、これが、もちろんお菓子屋さんのセットなら、自家製お菓子が自慢、高級食料品屋(ヴェネツィアにはないけど)なら、ワインやトリュフ瓶詰めで勝負といった具合に、それぞれ個性を競いますが、基本的なアイテムはあまり変わりません。
これを、もちろんお世話になった人や、仕事上のお得意様に贈るのですが、出入りの職人さんに渡したり、雇用主が使用人に配ったり、といわゆる「お正月の餅代」的にも使われるようです。誰もが同じようなセットでは、重なったりして困らないのか?とも思いますが、生ものは少なく保存が利くものがほとんど、そのままでも、またバラしてでも他の人に回すことも可能。親しい人に贈るクリスマス・プレゼントなら工夫を凝らしていろいろ考えるにしても、義理の「ごあいさつ」には、こんな定番がちょうどいいのかもしれません。

クリスマスの風景で里心がついたというわけでもありませんが、年末年始は帰国して日本で過ごす予定です。
では、また。
Fumie