「1枚のゴーギャン、パリ・オルセー美術館より『白い馬』」展

カ・ペーザロ現代美術館、ヴェネツィア

Ca' Pesaro, Venezia

2006年1月23日まで

http://www.museiciviciveneziani.it/frame.asp?musid=121&sezione=mostre

これ以上小さい「展覧会」はあり得ないだろう。作品、わずか1点。
いや、mostraは慣習上、「展覧会」と訳すが、本来イタリア語でmostraは、動詞mostrare =見せる、の名詞形。だからゴーギャン1点の展示、というのが正しいかもしれない。

あるいは、ある展覧会の、「裏」展。
同カ・ペーザロ現代美術館は、現在パリのグランパレで開催中の展覧会のために
Klimt, Schiele, Moser, Kokoschka に、所蔵作品「ジュディッタII」(クリムト)を貸し出している。この「白い馬」(ゴーギャン、1898年)は、クリムトの代わりに、パリのオルセー美術館から貸し出されているものである。
当該のクリムトはふだん、ここカ・ペーザロ美術館の顔、といったらいいだろうか。美術館を代表する作品としてパンフレットやカタログの表紙に使われている、門外不出の作品だ。
一方、この1枚のゴーギャンはどうだろう?正直のところ、あれもこれもと大傑作が並ぶオルセー美術館の中では、ひょっとして見逃してしまうこともあるのではないだろうか?
それが、ここでは、たった1枚、ぜいたくに1つの部屋を与えられて、詳しい解説も英・伊でついている。
・・・パルテノン神殿の、西フリーズにインスピレーションを得たという、ゴーギャン。そして、ポリネシア文明においては、白は超自然なもの、死と、または権力をも意味するという。

幸か不幸か、そう大きくないこのカ・ペーザロ美術館の1番奥のこの部屋、ゴーキャンがたった1枚だけ置かれたこの部屋、そう長々と立ち止まる人はいない。だから、好きなだけゆっくりじっくり楽しむことができる。
「白い馬」の、白以上の白、それを囲む色の鮮やかさに、改めて気付くだろう。
もっと他のゴーギャンが見たくなる。

Fumie

22 novembre 2005