ヴェロネーゼ 神話、肖像、寓話 

ヴェネツィア、コレール美術館

Museo Correr, Venezia

2005年5月29日まで

http://www.museiciviciveneziani.it/frame.asp?musid=68&sezione=mostre

今や、意義のある大規模な展覧会というのは、不可能なのかもしれない。同じヴェネツィアのアッカデミア美術館で少し前に始まった、「カルパッチョ展」と同様、またそんな気持ちにさせられた。

展示作品は全31点。欧米のさまざまな美術館から集められており、もちろん、なかなかすべてを見て回るわけにはいかないから、おそらくこの展覧会がなければ、絶対に目にすることのなかったであろう作品もある。だから、決して、意味がないというわけではない。が、なんとなく欲求不満というのか、見終わって「あれ?これだけ?」と思ってしまったのも否めない。展覧会の質は作品の数でも、ましてやその大きさではない。それでも、ルーブルの「カナの婚礼」をはじめ、サイズも大規模な傑作で知られる画家ということを考えると、なんとなく拍子抜けする。では珠玉の小品集かというと、私の勉強不足かもしれないけど、そのうちのいくつかを除けば、どちらかというと、あまり知られていない作品が多い。
メインに据えられているのが、「ヨーロッパの強奪」、これはパラッツォ・ドゥカーレ所蔵のもので、ふだんからヴェネツィアにあるもの。まあ、パリのリュクサンブール美術館で先立って行われた展覧会の巡回展、というわけで、そこは仕方がないのかもしれない。

偶然、カルパッチョと続いたために、がっかりが増幅されたのかもしれない。
ついつい比較したくなるが、それほどこの2つの展覧会は、偶然にしては共通点が多い。
ヴェネツィア美術が頂点を極めた、16世紀の、初期と後期の、それぞれを代表する画家。その2人の展覧会が、ここヴェネツィアの国立美術館(アッカデミア)と、市立美術館(コレール)で同時に開かれているのだから、美術好きの人にとっては、またとないチャンスなはず。だからこそ余計に、なんとなく中途半端なこの2つが、ほんとうに残念に思えてしまう。それとも私が個人的に、特に大好きな画家2人なので、過剰に期待を持ちすぎていたのか。

ともかく見終わって、それなら、パラッツォ・ドゥカーレと、聖セバスティアーノ教会を見たほうが、ずっと満足度が高いだろう、そう思ってしまったところもやはり共通だった。「傑作」といわれる作品があちこちに、しばしばオリジナルの場所にそのまま残るヴェネツィアという町にいることを、あらためて幸運に思った。
Fumie

→ Trovare Veronese ヴェロネーゼを訪ねて