スーダン 優しい人達
今回の旅行でどこか1つだけ一番の国を選ぶとすればスーダンになる。スーダン、特に北部にはレストランやホテルなどはどこにもない。しかも連日45度を越す暑さに、飲み水はナイル川の水。道は無い。自転車旅行にとって地獄のような環境のスーダンを乗り越えられたのは紛れもなくスーダンの人のやさしさがあったからだった。
やっとのことで日陰を見つけ休憩をするとどこから見ていたのか紅茶を持ってきてくれる。それを飲んでいると今度はご飯を持ってきてくれ、そして家で休んでいくように言われる。そんな日が毎日毎日続く。
この写真の家族はその中でも一番の思い出の家族。僕の着ていた服だけでなく、持っている全ての服を出すようにいわれ、言われるままに出すと洗濯板で一枚ずつ丁寧に洗ってくれる。しかも、どれだけ洗っても汚い僕の服の汚さが面白かったようで、家族中で順々に変わりながら洗ってくれた。そんな最中も僕とコミュニケーションをとろうと必死に話しかけてくれる。そんな彼女達との別れはいつまでも忘れることはない。最後は涙が止まらなかった。
イスラムの教えに「旅人には優しく」という教えがある。彼らムスリムにとって、旅行中の僕に優しく接するのは義務なのか?そんな風に考えたこともあった。しかし、別れ際の彼女達が僕との別れに涙を流してくれたとき、そんな疑問は吹き飛んだ。優しさでなく、宗教上の義務で僕に優しく接してくれるなら僕のために涙は流してくれないと思う。