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(『冒険王ビィト』より/当サイトオリジナル) |
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命の息吹が一片も感じられない砂漠地帯の中、旅人と思しきマント姿の人影が一つ、何かを求めて 歩いている。吹き荒ぶ砂の嵐が、砂塵越しでも容赦なく照りつける燃える太陽が、その者を殺さんと 間断なく責め立てる。だが、その者の歩みは一向に衰えることはなく、足取り強く焼けた砂の大地を歩く。 それからしばし時が過ぎれば、その者の眼前に、人を思わせる姿の大きな植物が見えた。 砂漠地帯でも生息できる多肉類の植物いわゆる『サボテン』の一種だ。だが、普通サボテンは植物故、 自発的には動けない。最初、一本だけだったサボテンが二本、三本、四本とマント姿の人間を 囲うようにして近づいて来た。……どうやら、サボテン…いやさ只のサボテンではなく砂漠地帯で見られる サボテンの姿をしたモンスター『歩兵サボテン』のようだ。砂漠地帯で見られる下級のモンスターだが、 旅人にとっては複数で襲い掛かる恐るべき存在である事には変わりない。モンスターに包囲された 旅人は、一切臆することなく、包囲した歩兵サボテン達を、マントのフード越しに睨み付け、片手を 天に伸ばした刹那――砂埃を起こしながら、彼らの頭上を跳んだ!
包囲したモンスターの一体の視界を旅人のマントが塞ぐ。そのすぐ後に落ちてくる旅人の
――ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ……!!
重なる轟音とともにロッド状の先端から放たれたのが硝煙と閃光を伴いながら、一かたまりになった
包囲していたモンスターを倒した旅人の姿が、砂煙と硝煙のヴェールからようやく現れる。 ――カチッ…カチッ……。
運悪くさっきの攻撃でもって弾切れを訴えたガンロッド。そうしている間にも、歩兵サボテンは ―― ガ ガ ガ ガ ガ……!!
さっきよりも短い射撃時間で、ようやく目が見えるようになったモンスターを、蜂の巣に 「こ、こんな時に…まだ、ねむっちゃぁ……」 そう言いかけた所で、糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちた。
「……ヴァンデルかッ!!」
と、飛び出すかのように、起き上がった。彼女が周りを見れば、さっきまで居た砂漠の 「よーやく起きたか。二日ほど殆ど死んだみてーに眠ってたんで、医者に診てもらおうかと思ったぞ」 そんな彼女の元に、聞いた感じで三十路ほどの男の声が、投げかけられた。 「……だれだ? お前は…」
少女は声の主に顔を合わせるが、どうやら視力が悪いのか、目を寝てたときの状態に近いところまで 「この眼鏡、お前さんのだったか。砂漠のど真ん中で寝ていた時に近くに落ちてたんでナ……」 一言言いながら、彼女が眼鏡を掛けるのを待った。
「助けてくれたことは感謝している。……それにしても、ここは一体、どこなんだ?
少女は男に問いかける。さっきまで砂漠にいたのに、いつの間にやら町と思しき場所にて目覚めた
「ここか? ここは砂漠の町『イーサイス』。バスターの総本山グランシスタと比べると
と、少女の問いに半分答えて、もう半分を軽く人差し指で小突いて返す男。それから傍らに在った
「可愛いっていうな! …す、すまない……。そういえばそーだったな。あたしの名前は『ガンナ』。
「赤くなって可愛いねぇ。おっと、オレの名前かい? オレは『チェン=グゥ』あんたと同じ、
――さて突然だが、この世界について簡単に説明しようか。
彼女――ガンナ――が町の宿で目覚めてからはや二日。彼女は少し本調子でないのか、時折何処かに 「おーい、ねぼすけガンナ〜〜…とっとと起きて……」
と、ガンナの部屋に入ってくるチェン=グゥ。……しばしの沈黙が二人を包み、チェン=グゥは、 「この……大莫迦者〜〜ッ!!」 怒りと抗議の大声と共に、アンダーウェア姿のまま、チェン=グゥを思い切り蹴り飛ばした……。 「……だから御免って。ノックしないオレが悪かったって…」
宿屋の一階にある食堂。大量の料理が所狭しと並べられた卓を挟んで、鼻に絆創膏を張った 「貴方ねぇ……乙女の柔肌を…そんな謝罪の言葉だけで済むとでも思っているの?」
動物が威嚇するような目付きでチェン=グゥを睨む。それに対して、そんなガンナの態度に
「確かに、言葉だけじゃあ誠意が感じられないって言いたいんだろ? ……わかったよ。今回の件は、飯と
会って幾日しか経っていない付き合いの浅い同業者に対して、チェン=グゥは今出来うる最大の代償を 「……まぁ、食事代だけで良いよ。宿代まで出して貰うと、こっちとしても何だか貴方に対してバツが悪い というか…。でも、食事代の方は覚悟してよ……。こう見えても、かなりの大食いだから」
『ニヤァ…』と、少し悪い笑みを浮かべながら、ガンナはチェン=グゥを許した。許されたチェン=グゥ 「そーいやぁガンナ、お前さんさぁ……もうそろそろお仕事しないと路銀尽きるんじゃないかい?」
男は質問交じりでお節介な少し勿体ぶった言い回しで、ガンナに興を引かせる。それに関して、
「う〜〜ん、路銀の心配だったら少なくても食事代はあなた持ちで。宿代はまぁ…ってそれってさ、
そういった後、匙もフォークも口も動きを止めて、ガンナは考え込んだ。同業者から突然の仕事の 「何らかの仕事を協力して欲しいって事なの? 内容によっては、断るかも知れないけど……」
「まぁ、バスターが他のバスターに何か手伝って欲しいって頼むのは…十中八九魔人(ヴァンデル) そういった後で、食後のバター入りコーヒーを飲み干して、チェン=グゥは言葉を切った。
――またも話の腰を折るような感じではあるが、バスターの仕事に関して補足しておきたい。 チェン=グゥが頼み込むその話に、ガンナはふと、嫌な感じを覚えて……
「他のバスター達が荷が勝ちすぎる魔人って、アンタ……もしかして五ツ星以上のと戦うっていうの?
そう言ったガンナは、テーブルから身を乗り出して、チェン=グゥに問いただす。この地方では余りに 彼女の問いに対し、チェン=グゥはゆっくりと口を開いて
「お前さんが行き倒れる前の戦闘での、天撃の使い方と身のこなし。それと銃撃の腕……、そして チェン=グゥの最後に放ったその一言に顔を赤らめながら、ガンナの拳は震えていた……そして 「ば…莫迦……あたしをそうやってからかうな!!」
ガンナの叫びによって、ほかの客やら宿屋の主人やらの白い目が、二人の卓に降り注いだ……。
「ガ…、ガンナさん。大声で馬鹿莫迦言わないで欲しいんですけど。カップルの痴話喧嘩臭くなるって
言いながら男は、ガンナに周囲の目を気にするよう促す。さっきまで頭に血が上っていたガンナの 「ご、ごめん……少しばっかり気が立ってた」
乗り上げていたその身を席に戻したガンナは、チェン=グゥからの仕事の依頼をどうしようか考える。 「受ける受けないにしても、あなたが狙っている魔人って、誰なの? まさか…不動巨人……」
ふと、ガンナはこの地域を拠点にしているという噂の七ツ星の魔人の名を口にするが……、
「『不動巨人 ガロニュート』じゃねぇよ。オレが狙っているのは、今は『墓守の王』の二つ名 「『ネ・フレン・カー』……あたしが狙ってる魔人じゃない?」
「ほぉ…これまたおんなじ目的でここに来たってことか。それだったらオレと組んでアイツを倒さないか?
卓の上にあった食事は全て片付けられて、ガンナの返事を待つかのように、チェン=グゥは
「まぁ、一人で戦うには余りにも荷が勝ちすぎるし……路銀諸々よりも、あの魔人には用があるしね。 ガンナの口から、チェン=グゥに色よい返事が返ってきた。それから直ぐに……
「でも、あたしと組むからには…煙草はあたしが居ない所で吸ってよね。煙草の煙…苦手だから。
顔をしかめて紫煙に咳き込みながら、ガンナはそう二言付け足した。それを聞いて苦笑しながら、
ガンナとチェン=グゥが仮の戦士団契約を交わしてから二日、彼らは探している五ツ星魔人が根城に 「チェン=グゥ、……この方角であっているの?」
砂漠での行軍用に完全装備になったガンナが、先行する男に問う。男の方は、口を開かずただ頷くのみ。 「悪い……どうやら、方位磁石のやつが、狂ったようにぐるぐる回ってきやがった」 振り返りもせず、チェン=グゥは方位磁石を持っていない手を上げてジェスチャーする。それを聞いて
「ちょ……一寸! こんな所で方位磁石が使え物にならなくなったの? どうやって『ホルスのピラミッド』
頼みの綱となる方位磁石が使い物にならなければ、砂漠の中で人はどう足掻いても昼間の熱と夜の
「そういきり立つなよ。『ホルスのピラミッド』は、盗掘者対策に磁場の乱れた所と砂嵐の中にあるって チェン=グゥに促されて、ガンナは眼前にイーサイスの町一つは入るほどの大きな砂嵐が見えた。
「でも……そうやってあの砂嵐の中に入るって云うのよ! あのクラスだったら『天撃の気流』で一部 轟々と唸る様な砂嵐に負けないよう、ガンナは大声でチェン=グゥに問いただす。それを大声で
「ご名答。そうでなきゃあ昔の王族もモンスターも魔人も、ここを利用しないって。まぁ、その抜け穴が
同じようにチェン=グゥも大声で返答する。目の前に目的の魔人が居るだろう根城の周りを注意深く、 「チェン=グゥ、そういえば、町に居たときに鑑定小屋(ハウス)のおじいさんから聞いたんだけど……」 ふと、ガンナが感じた違和感の正体を、チェン=グゥに問う。 「いきなりどうした! 抜け穴がみっかったのか?」
「抜け穴ってのじゃあないけど、どうも可笑しいと思わない? ここまでの道のりにサボテンが一本も
そう言いながら、ガンナはサボテンが生えている場所へと歩を進めた。それにつられて、
「……確かに変だな。ピラミッドに至る道には、雨が降らないって鑑定小屋のじーさんが言ってたな。
そうこうしている内に、二人が棘だらけの多肉質の植物に後何歩かで触れる辺りに近づいた。
二人のバスターが放つ殺気に気づいたサボテンの姿をした魔物達は擬態をやめて、襲い来る ――ガ ガ ガ ガ……!!
立ち上がった歩兵サボテンの一体にガンナの銃弾が数発、吸い込まれるかのように命中した。 「おっと! 歌姫さんに手を出さないでよぉ……」 と、冗談交じりに言いながら… ――ザ斬……!!
剣閃を煌かせながら刀を躍らせて、一番前にいる歩兵サボテンとさまようガイコツを二体同時に、 ――ガ ガ ガ ガ ガ ガ……!! ―― ガ ガ ガ ガ ガ ガ……!! 「はいはい、うちの看板漫才師に手ェ出しちゃ駄目よ!」
と、さっきのチェン=グゥのお株を奪うかのように、ガンナが相方を取り囲んでいた魔物を 「ちょっと待て待てェ〜い! だぁれが漫才師だ!? 誰がぁ!!」
と、抗議しながらも、後ろから襲い掛かるさまようガイコツの攻撃を難なくかわして、お返しと
数の上では二対十数体と言うのと、仮初めの戦士団で組んで初めての実戦と下馬評では 「それにしても、囲まれた際のの銃撃は…オレに対して恨み籠もって無かったか?」
「何をおっしゃいますやら! ジャケットの防御力やすばしっこさを考えて、あのタイミングが最適と
無事に戦闘が終わってしまえば、ガンナとチェン=グゥは痴話喧嘩のように、お互いの戦い方に 「どうにか片付いたけど、これじゃあどこに抜け穴あるかわからなくなっちゃった……か」
歩兵サボテンとさまようガイコツの残骸の中心で、苦笑交じりにガンナはつぶやく。空になった 「そう悲観しなくてもいいぜ。どーやら、案内してくれそうな奴が来るみたいだ」
男が彼の視点で3時の方向に指差せば、さっきまで戦っていたサボテンの魔物達を思わせる、
「ほっほぅ…オレ様の縄張りに勝手に入って、ここまでボロボロにしやがって! だが、ここからは ど真ん中でボロ雑巾の…真っ赤な水溜りにする番だぁぁあ!!」
魔人・カクタクスは三ツ星の埋め込まれた左腕をガンナたちに見せ付けるように構え、二人との
「ボロボロに……なってぶっ潰れろやぁぁぁぁああああッ!!」
砂嵐に負けないほどの轟音と怒号を上げながら、カクタクスは二人を地面に串刺しにしようと、
「のわぁっと!」「きゃッ!!」
すんでのところで二人は魔人の攻撃をかわして、秒殺されるのをどうにか免れた。
「おいおい、いきなりこっちの問いかけもなしで攻撃かい? こっちは砂嵐の抜け方を聞きてぇんだけど?」
風下の方に避けたチェン=グゥは、砂嵐吹き荒れる中煙草に火を点ける。
「固羅! こういう場面で何タバコ吸っているのよ! 少しは不謹慎じゃない?」
「わりぃな、風下だからそっちに煙こねぇだろ? それに…こいつとやり合うには、普通の武器じゃあ無理
タバコに火が点いた状態で、チェン=グゥは大小二振りの刀を鯉口を切って、二振りの刃に火をともした。
「何ごちゃごちゃやってやがるかぁあッ! まずは貴様がボロボロになれぇッ!!」
カクタクスが怒り狂うかのように狼牙棒を思わせる右腕をぶん回して、男を潰さんと上から思いっきり
「…な、なんじゃあ〜〜〜〜〜!!」
これ以上燃やされてはかなわないと、カクタクスはチェン=グゥから離れて、燃えている右腕を
「悪いがお前さんクラスの魔人に、オレの才牙は勿体ないからな。これで勘弁しろや」
殆どフィルターだけになったタバコの吸殻を吐き捨てて、小刀で燃やしたチェン=グゥ。いまだに
「ば! あばばばばばば……馬鹿に…するぅ…なぁ〜〜〜!!」
苦情と怒号と突っ込み交じりに叫びながら、魔人は転がったままで鉛玉の雨あられをどうにかかわす。
「チィッ! ちょこまかと……やってんじゃねぇぇぇえええッ!!」
腕を大きく広げて、砂塵が入るのも構わず大きく息を吸い込み、両腕を前に突き出せば、今度はお返しだと
放たれた無数にして隙もない棘による弾幕に対し、ガンナとチェン=グゥはお互いの武器で以って、
「ち〜〜〜っとばっかし、甘く見てたなぁ……」
「『ち〜〜〜っと』ってレヴェルじゃないでしょ!? リロードする暇もないじゃないの!」
そう言いながらも、二人のマントはもう既にボロボロになって、あらゆる攻撃から身を守るように
「おらおらおらおらぁッ!! とっとと蜂の巣のボロボロになって、這いつくばれぇぇぇぇええッ!!」
魔人・カクタクスの叫びとともに激しくなった『ニードルストーム』の弾幕。その大質量による重圧に
「「ぐぁああ〜〜〜ッ!!」」
二人を自分と同じような姿に代えながら、後方5メートルほど吹き飛ばした。
砂地に倒れこんだまま、ガンナとチェン=グゥが動かなくなったのを確認したカクタクスは、息も
「はぁ…はぁ……ようやくボロボロになったか。死んでて聞こえないだろうが、冥土の土産に教えてやる。
息を整えて、また腕を大きく広げてタルの様な胸板を鳴らした後、倒れた人間二人に止めを刺そうと
「ほぉう。そいつはいい事を聞いた……一応礼だけは、言っておこう…か」
満身創痍のガンナが、傷だらけになったガンロッドを杖代わりにして、ゆっくりと立ち上がった。
「お前さんよぉ、命(タマ)の取り合いってのは…止めを刺すまで気ぃ抜かないもんだぜ? こいつは
刃を覆っていた天力の炎は既に消えてしまったが、それでも傷一つない太刀を杖代わりにして、
「この死にぞこないどもがッ! 今度こそ、ボロボロの蜂の巣に変えてやらぁぁぁあッ!!」
再びカクタクスが大きく息を吸い込む。チェン=グゥはその隙を逃さず、ジャケットの袖に隠していた
「でぇやッ!」
「くおおおおぉぉ……んぐぅ!?」
音も立てず狙い違えず、カクタクスの喉にナイフが突き刺さった。喉に刺さったナイフを引き抜こうと、
「わりぃがガンナ、お前さんに美味しい所をくれてやるよ! 但し、ちゃあんとご馳走さましなよ」
「言われなくても! あんたの分は残さないからね!!」
「おーけー! 個人的にはサボテンよりも、肉や米の方が好きなんでねぇ」
チェン=グゥの意図を汲んだガンナは、ガンロッドをホルスターに収めて、両手を胸の前にかざした。
「わが魂とわが兄、トールの気高き魂よ…二つにして一つ、一つにして二つの風雷の牙よ……」
ガンナの呼びかけに応じ、彼女の胸元がエメラルドと琥珀の輝きを生み出し……そして
ガンナの左手に白い虎の意匠が施された六連バレル(銃身)のガンロッドが、そして右手には
ガンナが二つの才牙を生成させたのとカクタクスが投げナイフを抜き終えたのはほぼ同時。だが、
「おっそいんだ…ってぇの!!」
間髪も入れずに風と雷の天力の銃弾が、カクタクスを射抜かんと殺到する。それに対して最初の数十発
「ぎゃははははっはー! これで労せず同士討ちだ〜〜〜!」
射線を仲間によってふさがれてしまっても、ガンナは一向に構わず……
「悪い、チェン=グゥ。そこから動かないでよ!?」
「……て! オレはオレを巻き込む気かぁ? おぅわッ……!?」
才牙を持つ両腕を交差させて、チェン=グゥ越しに風雷の銃弾を撃ち続けた。動くなと言われた
「が! ぐがががが…あっぐわぁあ……何で、才牙の銃弾…が、曲折……すぅ……?」
風と雷の銃弾が魔人の身体を次々と切り刻み貫通し衝撃を与えて『破壊』する。それでもこの三ツ星
(こうなれば、星がバラされてもかまやしねぇ…この案山子なっている野郎諸共、串刺しだぁ!!)
風雷の間断ない攻撃に耐えながら、魔人二人を刺すには十分な長さになった左腕の棘と鉤爪を、
――ザシュッ!!
「んぐッ! ……があああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
カクタクスの左肩口にチェン=グゥの刀が刃の半分以上埋もれるほどに突き刺さり、未だ食らい
「悪足掻きするのは悪くねぇけど……もう、この辺で潮時じゃねぇのか?」
後ろを振り向かずに直立不動のままのチェン=グゥが、投擲ナイフの時と同じ要領で刀を
才牙によるの風雷の銃弾を止めたガンナがチェン=グゥの肩を踏み台にして、上空から
白虎のロッドと蒼龍のロッドが、魔人・カクタクスの身体にバツの字を刻むようにして叩きつけ
「くっ……オレ様は…もっともっと…色々なものを……ボロ…ボロに……」
その言葉を遺して、ゆっくりと…そして糸の切れた操り人形のように、三ツ星魔人・カクタクスが大の字
「オレ達の…」
チェン=グゥが、そしてガンナがそうお互いに言えば緊張の糸が切れてしまったか、そのまま砂塵吹き
「……それにしても、あんたが勿体ぶって才牙出さなかったから、こんなに苦戦したじゃない! あとで
「はいはい…その件に関しては、ちゃんと覚えておきますゆえ、お手柔らかに。…っと、お前がそういう
そうやって再び始まる痴話げんか交じりのガンナとチェン=グゥの夫婦漫才……もとい、駄目だし漫才。
様々な補給と、カクタクスが遺した『赤い満月の夜』を待つために……。
ガンナ達が町に戻るのとすれ違いに、全身を包帯で包み、上質な出来の外套をまとった一人の
「……我が番犬が倒されたか。まぁ、それでも其処までであろうな」
魔人はつぶやくように独語した後、何事もなく砂嵐の中に入っていった。
〜To be NEXT EPISODE〜
〜次回予告〜
次回 風雷のガンナ『朱(あか)い髪の乙女(ガンナ)/風と雷一つとなりて
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