卒業(たびだち)と青空。

 三月に入ってはじめての青空、この日を境に私達は…
 長かったようで短かかった中学生としての三年間から、
 新しいそれぞれの道へと…巣立っていきます……

「ん〜〜〜〜みゅ、これじゃあ文としてちょっと変かなぁ?」

 卒業式を明後日にひかえても、まだ出来上がっていない
答辞の文章を入れるための原稿用紙とにらめっこしながら、
中学校での三年間を、ゆっくりと思い出した……。

 一年の入学式、校長先生のお話で眠くなって…舟をこいだ勢いで
思いっきり椅子から転げ落ちたこと……。
「それで、隣と後ろの子にスカートの中身見えちゃったなぁ今、思い出しても…(苦笑)」

 同じ年の夏にあった宿泊研修、あたしたちのメンバーで作ったカレーが、
あまりにも辛すぎて翌日の予定が半分以上つぶれてしまった事……。
「あれ以来、ウチの学級で『カレー禁止令』が出たんだけど…また作ってみたいなぁ」

 二年の二学期の期末テスト、得意科目の社会と美術と家庭科だったのに、
ハシカにかかってしまったこととか。三学期の三者面談の時はパパもママも
来られなくて、代わりににいちゃが保護者代理で来てくれたこととか。

 三年の初夏にあった修学旅行で、小学の時に遠くに引っ越した友達と
まさかの再会を果たしたりとか、夏休みの時に友達と一緒ににいちゃが
サークルで参加している同人誌即売会に遊びにいったりとか……。
「って、この思い出は……学校関係はないか」

 小学の時よりも半分しかなかった中学での三年間だったけど、思い出してみれば、
どれもこれもあれもそれも…うれしい事も、恥ずかしいことも、苦しかった事も、
みんなみんな……とマデは言える訳じゃないけど、あたしにとっては、あたしを
今のあたしにしてくれた、思いと思い出と色々なかけら達……て、カッコつけすぎ。

 でも、それでも…そう思った今の気持ちはうそじゃない。
 そうして新しい生活のほうに思いを寄せれば、別の道に旅立つ友達、
新しく友達になってくれるであろう人達、新しい生活……それらに
期待と不安とがない交ぜになってあたしの心に充ちていくのを感じた。

 ……そうやって、今までの三年間とこれからの三年間に思いを巡らせたあたしは、
その『思いの熱』が消えないように、原稿用紙に文字として焼き移してく。
 時折、目の前から逃げるかのように脈絡無い物に考えにと取りつかれながらも
あたしは…、夜食が冷めるのも其のままにして、夜が明けるまでに
卒業式の答辞の文章を書き上げていった……。

 中学の時の様々な思いも思い出をそのまま、薄めることも煮詰めることもなく
作り上げた荒削りの文章。それを改めて読んで、少し恥ずかしく感じつつも、
手直しを軽くしてから……あたしは卒業式に臨んだ……。

〜END〜

  〜執筆者あとがき〜

 とんでもなく久々なのにも程がある! シスプリメSS最新弾DEATH。
 中学から高校の思い出には、いい思い出よりも、恥ずかしいのやら痛々しいの
やらがか〜な〜り〜あるとは個人的に思いますが、それをネタにアレンジ加えたり
でっち上げたりしました。一先ず今回は、この辺で(脱兎のごとく)。

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