「時空の旭日旗」
 一巻:我等、未来(あした)より  二巻:まだ見ぬ過去(きのう)   三巻:変わりゆく現在(きょう) 4巻:時空(とき)の分岐点 時空(とき)の迷路
       
著:安芸一穂  学研 歴史群像新書
解説
 何らかの理由にて2008年から1935年に「弾き飛ばされた」海洋観測船「あずみ丸」と乗組員によって改変される歴史を描く「戦史シミュレーション」
 平成の世から飛ばされることで各種資料やDVDなど「説得力のある」歴史資料を展示できるという点で改変をスムーズに生かそうとしているようである。
 1巻では2・26事件が昭和天皇の手により粉砕され、日独伊三国同盟は行われず、更には中国からの日本撤兵+満州国の中日共同開発等の政治(これにより、中国市場が日本に独占化されます)が起き、盧溝橋事件やノモンハンでの軍事衝突も起きません。  更には日本軍や日本自体の近代科学化が行われています。先進・軽量エンジンの「渡来」によりモータリゼーションが起き、均一生産へ視点が導かれていきます。(航空機などの詳細設計まであればねぇ(笑 インスタント食品や抗生物質まで生産できるように)。  これらの結果、対米依存が少なくなった日本が米国からの脅しに過剰反応しなくなり、(仏印は後にインド駐留英軍が制圧)米国による日本本土奇襲で太平洋戦争が始まります。
 1巻はミッドウェイでの戦闘までとなってますが…米国の空母の過半と真珠湾が壊滅してるんですけど? 感想
 ついに「タイムトラベルもの」に手を出してしまいましたか(^^;
 如何に安芸一穂という作者のカラーを出すかですね。転移したあずみ丸乗員という主人公のグループがきちんと決まっているので読みやすくはなっていると思いますが…。  ちょっと駆け足過ぎて5年という月日で何が起きたのかは分かってもあずみ丸乗員たちの生活があまり描かれなかったのが残念です。

<二巻解説・感想>
 勿論、序盤の大勝利と引き換えに未来情報が作戦レベルでは使えなくなってきました。
 更には対中和平と未来情報による大慶油田の存在で南方作戦は殆ど行われず、ただフィリピンでの攻防が行われています。
 日本側は英国艦隊との緒戦で「扶桑」「山城」他を失い、ピンチになりますが、米国が息ついている間に逆襲に転じます。
 しかし、あずみ丸の情報があるとはいえ、水冷エンジンまでまともになってしまっては…(^^;
 その上、開発される機体の数が多すぎです!!キ61とキ60が同時並行で開発生産って生産現場がやばい事になりますよ(^^;

<三巻解説・感想>
 太平洋戦線から変わりアジア方面の話になります。
 キ60とキ61の代わりに二式単戦が採用されなかった模様…え〜??まぁ、日本の工業力UPで液冷発動機が量産可能なのでしょうけど、好きなんだけどなぁ二式単戦。
 そして防共協定結ばなかった日本を警戒し、その警告を無視したドイツはA情報どおりにビスマルクを失い、ソ連に戦線を布告する。
 これによりアメリカはソ連と共同するチャンスを得、日本は手ごわい敵を新たに迎えることになる。
 今回もあずみ丸乗員の話は薄くなってきているような気がします。SF作家としての腕の冴えを見るのははこれからなんでしょうかね?
 あと、歴史群像新書の中では久々に三巻越え達成しました。
<四巻解説・感想>
 ソ連領からの米軍による空爆…かなり、この世界の日本も厳しい戦いになって来ました。
 未来情報による兵器も基礎工業力の壁もありなかなか難しい部分が出てきました。
 そして時空連続体のほころびと歴史の推移、このあたりを中心に主役たるあずみ丸の面々の内心も描かれていて満足です。
 更には続刊と言う事で長めに楽しめそうですね。 <五巻解説・感想>
 今回は新型…と、言うか未来兵器が満載でした。
 遂に日本軍がパレンバン侵攻。そこには未来兵器で固めた空の神兵たち。
 圧倒的日本軍有利の展開も、連合軍の戦略包囲の前に霞むか?




「暁の旭日旗」(全三巻)
 一巻:日ソ東亜大戦勃発 二巻:青島潜水艦基地壊滅作戦 三巻:対ソ最終戦略発動!
著:安芸一穂   学研 歴史群像新書
解説:
 ソ連VS日米韓満の仮想戦記
 スターリンによる軍部大粛清が起きなかったソ連、そのソビエト太平洋艦隊による真珠湾奇襲によって始まる戦争を東亜アメリカの連合の立場から描いています  太平洋艦隊をつぶされたアメリカ、そして日本のノモンハン事件敗退でアメリカ領とソ連領に分かれた満州合衆国。ノモンハンの配線により改革されつつある日本、日本より独立なった韓国を舞台に各国に所属するさまざまなキャラクターが動き回ることで話は展開していきます。

感想:<
 この作者の作品は場面毎にキャラクターが沢山出てきますので、把握出来ないときついかも・・・。
 あと、このごろの学研の方針なのか3巻完結がデフォに成ってますのでムリヤリ押し込んでいる部分があります。
 せっかくの題材で長編のほうがこの作者のスタイルからすると面白いんですけどね。




「栄光の旭日旗」(全三巻)
 一巻:マーシャル諸島迎撃殲滅作戦 二巻:ソロモン・珊瑚海防衛作戦 三巻:太平洋最終決戦
著:安芸一穂   学研 歴史群像新書
解説:
 アメリカの自作自演テロによって始まった太平洋戦争を描く仮想戦記
 この作者のコレまでの作品と違い、特に歴史改変による日本の成長は無いものとなっています(ただし、2.26事件の後始末などで陸海軍の対立、統帥権などの問題を改善してますので戦力はかなり上昇しています)

感想:
 また三巻完結か(怒
 話自体はスピーディに読めるのですが、どうにも展開が速すぎるきらいがありますね。
 太平洋戦争をストレートに(日本の勝ちに)進めているので細かなところを無視しないと話が進まないのかもしれませんが。
 あと、この作品、最終巻にあとがきが無かったことが気にかかります。
 安芸センセ、学研を切るつもりじゃ?と、いうか歴史群像新書編集の三巻切り方針にいい加減鶏冠に来ているんじゃないかなぁ?