上層雲と下層雲の移動方向の違いの観察(暖気移流と寒気移流)
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上層の雲は右(西)から左(東)の方へへ移動しています。 |
| 下層の雲は向こう(南東)から手前右(北西)へ移動しています。 | |
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上層の雲は右(西)から左(東)の方へへ移動しています。 |
| 下層の雲は左手前(北)から向こう(南)へ移動しています。 | |
上層雲と下層雲の移動方向の違いで暖気移流か寒気移流かが判ります。
下層雲は観測者に近く、基準となる景色があるので移動方向はすぐに判ります。しかし、上層雲は遠くにあり基準となる景色が無いため、移動方向は大変判りにくいものです。
上層雲・下層雲の移動方向を瞬時に観測できる方法を見つけました。
方法は簡単です。
空に天体望遠鏡を向け雲の動きを投影して観察するのです。
太陽黒点の観察の時に雲が横切りますよね。あの雲の動きの方を観察するのです。
倍率が高いため視野が狭くなり、上層雲と下層雲が視野の中を早送りのように移動していくのが観察できます。
上空に向かって時計回りに雲の移動方向が変化していれば暖気移流です。(温帯低気圧の暖域等)
上空に向かって反時計回りに雲の移動方向が変化していれば寒気移流です。(寒冷前線の寒気側等)
この理由は「温度風」(聞いたことはありますか?)というもので説明できるのですが、できるだけ簡単に書いて
みます。
下図1の様に、ある地点Aの850、700、500hPa面の風(地衡風平衡が成り立っていると仮定する)
の吹いていく方向をベクトルで記入し、「上空に向かって時計回りに風向が変化」したとします。
すると、下層面と上層面間の地衡風の鉛直シア(850から500への右向きのベクトル)が、この2層間
の温度風となります。(これが温度風の定義です)
北半球では温度風の右側が暖気、左側が寒気となる(これは数式より導き出される温度風の性質です)
ので、850と500面の中間の高度700hPa面の風は暖気側から寒気側へ吹いていることになります。
したがって、「上空に向かって時計回りに風向が変化→暖気移流」と判断できます。
700
寒 ↑ 気
――――――――→ 温度風
\ 暖 | 気 /
850 \ | / 500
\|/
A
(850、500hPa面の地衡風は本当は左上、右上向きのベクトルです)
図1
一方、「上空に向かって反時計回りに風向が変化」した場合は、下図2の通り、温度風のベクトルが先
ほどと逆になるので、700hPa面の風は寒気側から暖気側へ吹いていることになります。
したがって、「上空に向かって反時計回りに風向が変化→寒気移流」と判断できます。
700
暖 ↑ 気
温度風 ←――――――――
\ 寒 | 気 /
500 \ | / 850
\ |/
A
(500、850hPa面の地衡風は本当は左上、右上向きのベクトルです)
図2
「夏と秋のゆきかふそらのかよひぢはかたへすずしき風やふくらむ」(古今集)
というのが、上層と下層の雲のすすみ具合をたくみに描写したものだそうです。
(伊笠 摩耶さんのメールより、有り難う御座いました。)