太陽の吐息亭
オラン市街にある常闇通りの中にひっそりと佇む冒険者の店がある。一度潰れかけたこともあるが、ある冒険者たちにより立て直すことができた。そうした騒ぎがあったせいか、この店に泊まっているのはただ1グループの冒険者だけである。その冒険者こそがこの店を建て直した者たちなのだが・・・・。
常闇通りの中を、太陽の吐息亭に向かって歩いてくる8人の冒険者たち。冒険から帰ってきた所らしく、みんな疲れた顔をしている。その冒険者こそが、「ヨシ、セイヤ、タキ、マリエル、ルカ、フクフク、ヤト、ライティス」である。彼らは店の前までたどり着き、いつものように雑談を始める。
そこへ、一通の手紙が届く。どうやらライティス宛の手紙らしい。そのままライティスは手紙の中を見てこう言った。
「村に帰らないといけなくなった・・・。」
みんなとても驚いていたが、何かの気配を感じてすぐに店の前の道を見る。すると、一人の銀髪のエルフがこちらに近づいてくる。
「ヤト、久しぶりだな。ちょっと話があるのだが。」
その人に呼ばれるまま、ヤトはそのエルフに近づいていく。みんな驚いた様子をしているが、一番驚いているのはヤト自身であろう。
・・・・ヤトとエルフの男の会話はしばらく続く・・・・
その後、ヤトは仲間たちに、家に帰らなくてはならなくなったことを告げる。そのエルフの男はヤトの兄で、ヤトを家まで連れ戻すためにここに来たらしい。そして、話をする間もなくヤトとライティスはこの場を去る・・・・。
あまり突然の出来事だったため、驚きながらも全員そのまま店の中に入っていく。すると、奥の席にエルフの男が一人で座っている。年齢は、人間の年齢ではパーティーの年齢と同じくらいのようで、どうやら冒険者らしい。
「こんにちは、どこから来たんですか?」
真っ先にヨシが話し掛ける。
「ラムリアースから来ました。」
「冒険者ですよね?なんの用事でここに来たんですか?」
「たびをしていたのですが、何処を探しても冒険者の店は部屋がいっぱいで・・・・。運良くこの店には部屋が空いていたようなので。」
すると突然、店の入り口からエルフの女の人がとても急いだ様子で入ってくる。
「すいません!どなたか助けてください!」
そして、その直後、入り口から黒いマントを着た怪しい男たちが2人入ってくる。
「その女を渡せ!」
だが、いきなり入ってきた怪しい男たちに、助けてくれと叫びながら入ってきた人を渡すことなど出来るわけがない。
男たちも、渡す気がないことはわかっていたらしく、そのままパーティーに斬りかかろうとする。
「渡す気がないのなら痛い目にあうぞ!!」
その直後、2階からも同じような男たちが2人入ってくる。
しかし、この冒険者達は、ヨシやセイヤなど、負ける訳ないと思っている人たちの多いパーティーである。
そのままセイヤがマトックを一振りすると、男の一人はそのままぶっ倒れる。
それを見た男たちは、あきらめたように、いそいで帰っていってしまう。
「あ・・・ありがとうございました。」
と、女の人はエルフ語で言った。(そのつどルカが通訳)
彼女の名前は”エル=ファイン”で年齢は150歳、オランのはずれにある屋敷に住む男が、村の宝物であり母の形見のペンダントをほしがっていて、初めは金で買い取ろうとしていたが、断り続けるうちに、力ずくでそれを奪おうとしてくるようになったらしい。
今回の男たちも、ペンダントを狙っている男に雇われていたようだ。
そして、女の人は、先ほどまでヨシと話していたエルフの男に近寄り、冒険者なのかを聞き、今晩護衛をして欲しいと頼む。
しかし、彼一人だけでは安心できないということで、ヨシたち、通称”太陽の吐息亭メンバー”もその依頼を受けることになる。そして、簡単に自己紹介をすませた。
彼の名前は、”ブラス=フィミ=ルーウィン”(詳しくはメンバー紹介参照)。そして、エルさんを守る為に共に依頼をうけることになる。
そして、その日の夜は、エルさんを守るためにそれぞれ配置について徹夜で護衛をすることにした。(見取り図参照)
タキは扉の前、ヨシとブラスは一階の部屋、ルカが2階の廊下でセイヤとマリエルは、エルさんの寝ている部屋(見取り図2階右下から2番目の部屋)、そしてフクフクは屋根の上から敵が来るのを待った。
・・・・数時間経過・・・・
すると、前から剣をもった男が2人、店の方に近づいてくる。危険を感じたタキが、ヨシを呼び、それと同時にブラスが2階に知らせに行く。男たちはタキとヨシを見ると、すぐに斬りつけてきた。男たちを中に入れないよう、必死で相手をしているのだが、2人ともなかなか決着がつかない。
一方フクフクは屋根の上から狙撃をしようとしたが、相手が動いているし、なによりも自分が落ちる危険もあるためそれは出来ず、仕方なく地上に降りることにした。そのとき、ガラスが割れる音がしてエルさんの寝ている部屋に男が4人現れる。どうやらフクフクが屋根から降りた直後に屋根の上からガラスを突き破って進入したらしい。
しかし、”太陽の吐息亭メンバー”はそれぞれの位置の決め方を間違えていた。この狭い部屋の中、セイヤはマトックを振ることができず、マリエルもなかなか呪文を唱えることができない。セイヤは迷ったあげくに、おもいっきりマトックを振りかざす。しかし、男たちは素早くかわし、あっという間にエルさんをさらっていってしまう。
一方フクフクは今度こそ活躍できるかと、急いで追いかける。しかし、敏捷度の高さのおがげで追いついたものの、筋力の低さで捕まえることは出来ず、そのまま逃げられてしまう。結局タキが扉の前で倒した男一人を残し、敵はみな闇へと消えていく。
その後、気絶している男を縛り付け、たたき起こす。そのまま居場所を教えるように脅すが、答えようとしない。ヨシが止めようとするが、タキはシャムシールで脅すことをやめようとしない。そこで、いきなり思い出したかのように、ルカが男に呪文をかける。その後ルカが居場所を教えるように言うと、男はいきなり苦しみだし、最終的には居場所を吐く。どうやら”クエスト”の呪文をかけたらしい。
「ビオ・サバール様の屋敷だ・・・。」
男はそう言うと、そのまま倒れてしまう。今から追いかけてももう遅いだろうし、もっとこの男から情報をつかむために、とりあえずその日は男を縛り付けて寝ることにした。
・・・・一日が経過・・・・
朝になり、みんな1階に降りてくる。しかし、何故かヨシだけが降りてこない。昨日はヨシが例の男と同じ部屋で寝ていたため、何かあったのかと思い、みんなその部屋に急ぐ。しかし、その部屋で見た物は、疲れて爆睡しているヨシと解けたロープだけで、男の姿は何処にもない。
そして、メンバーは横で気持ちよさそうに寝ているヨシをたたき起こす。
「男は何処にいったんだ!」
「何?男?さぁ?」
ヨシは眠そうに答える。
「おまえなにやってたんだよ!逃げられちゃったじゃないか!!」
「・・・・。」
実は、ロープで縛られた時に隠し持っていたダガーでロープを切り、縛られているふりをしていたようだ。その後、ヨシが寝てしまってから脱走したらしい。ヨシは男に対して乱暴なことはしていなかったため、特に何かされることはなかったが、起きてからメンバーに叩かれたのは言うまでもない。(笑)
しかたがないのでどうするか話し合っていると、マスターが、ビオ・サバールの居場所を教えてくれた。ビオ・サバールは、異常なまでの宝石コレクターで、宝石を手に入れる為には人を殺すほどらしい。それを聞いたメンバーは、早速助けに行くことにした。
ビオ・サバールの屋敷
ビオの屋敷は、周りは大きな壁に囲まれ、入り口には2人の門番がいる。そのため、狙撃によって1人を倒し、その後一気に侵入することにした。いろいろと頑張った結果、一応門を突破することができた。
中に入ると、前には2階に続く階段、右には鉄の扉が見える。ペンダントを取り返す為にビオを狙えばエルが危ない。かといって、エルを救出している間にペンダントごと逃げられても困る。考えたあげくに、ペンダントを取り返すチームと、エルを助けるチームに別れることにした。
セイヤとタキはエルを助ける為に扉の奥へ。それ以外はペンダントを取り返しに2階へ行った。
扉の向こう
セイヤたちが扉を開けると、らせん階段が続いていて、階段を降りた先は広い牢屋になっていた。周りに警備兵が居ないことを確認し、牢屋の奥まで入っていくと、一番奥の牢屋の中にエルを見つける。どうやらエルは無事だったようだ。安心していると、後ろから足音とともに警備兵たちがやってくる。
「何者だ!」
2人は、待ってましたと言わんばかりにシャムシールとマトックを構える。門にいた兵士と同じ格好をした兵が2人と、見た感じ隊長のような感じの兵が一人だ。
初めのうちはどんどん攻撃していた2人だったが、だんだんピンチになってきて、最終的にはエルさんにまで助けられる始末・・・。なんとか敵を倒したものの、タキは気絶状態だし、エルとは話すことが出来ない(セイヤはエルフ語を覚えていない)。なんとか鍵を見つけだす事に成功し、セイヤはタキをかつぎエルを連れて階段を駆け上がる。
ビオの部屋では・・・
他のメンバーが階段を上がりしばらく進んでいくと、とても大きな部屋についた。中には、太った貴族風の男が一人座っている。どうやらこの男がビオ・サバールらしい。
「何をしているんだ?」
ビオは、驚いた様子もなく話しかける。
「ペンダントは何処にやったんだ!」
「ペンダント?それはここにある。」
そう言うと、ビオはペンダントを取り出しメンバーに見せる。
「それを今すぐ返せ!」
「そんなに返して欲しいならこいつと戦って勝ったらだな。いでよ。我が最高のペットよ!」
すると、左の壁が動き、中からケルベロスが一体出てくる。どうやら並のケルベロスではないようである。
「何が”いでよ”だ!なんだか知らないが倒してやる」
ヨシの一言と共に戦闘が開始する。
しかし、いつも一気に大ダメージを与えるセイヤも、攻撃をかわしながら地道にダメージを与えていくタキもいないため、戦闘は厳しいものとなる。直接攻撃が出来るのはヨシだけで、あとはフクフクがロングボウで援護。精神力の消費があるためエルフの2人はあまり魔法をかけることが出来ない。
ケルベロスの攻撃は食らうものの、ヨシはなかなか攻撃が当たらない。ルカがキュアウーンズでなおすのもキリがない。それにくらべて、フクフクの矢は驚くほどよく当たる。かつてこれほどまでにフクフクの矢が当たったことがあっただろうか・・・。結局ヨシはほとんど活躍できないまま、フクフクの矢がクリティカルヒットして、ケルベロスは息絶える。
ケルベロスが倒れると、ビオは命の危険を感じたらしく、そのまま逃げようとする。しかし、普段走ってもいないような男が冒険者から逃げられるわけがない。メンバーは男を取り押さえ見事にペンダントを取り戻すことに成功する。一応ペンダントは取り返したし、セイヤたちもエルを救出し終えたころだろう。しかし、部屋の周りには多数の宝石類がぎっしり並んでいる。ヨシがその宝石に見とれていると、さっき入ってきた扉から、大勢の兵が入ってくる。
「侵入者がいたぞ!捕まえろ!!」
大勢の兵がいるなか、扉から脱出することはさすがに不可能だ。しかたなく、部屋の窓から飛び降りることにした。
ペンダントチームが無事脱出すると、セイヤがタキを抱え、エルを連れて走ってくる。どうやらどちらも作戦は成功したらしい。そのまま急いで宿へ
帰ることにした・・・。
太陽の吐息亭
宿に帰ると、マスターが出迎えてくれる。
「お疲れ。今日はもう部屋で休んでくるといいだろう。」
疲れていたらしく、エルとメンバーたちはマスターの言うとおり、今日はもう部屋で休むことにした。
・・・・一日経過・・・・
朝になり、みんないつも通り1階に降りてくる。するとマスターが一枚の新聞を持ってくる。見出しには、「宝コレクターつかまる!」と書いてある。
「その後の捜査でビオの宝の中には盗品が混じっていたことがわかったらしい。」
マスターは明る声で言った。
すると、そこにエルさんが入ってくる。
「みなさん、昨日はありがとうございました。これで安心して暮らすことが出来ます。」
そういってエルは一人ひとりに500ガメルをわたし、帰っていく。
みんな安心してゆっくりしているが、ヨシが思い出したかのように言う。
「ブラス君、これからどうするんだい?」
「別に行くあてもないが・・・。」
「じゃあ僕たちの仲間にならないかい?」
ブラスが仲間に加わった。これでパーティーにはエルフが2人になり、平均知力も高くなった。(笑)
経験点&報告
経験点=1200p