ドラえもんの声優交代
老若男女に愛され続けた国民的アニメも、ついに世代交代を迎えた。
ドラえもんと並び賞されるサザエさんでは既に何人かのメインキャストが交代しているが、
ドラえもんに関しては長らくメインキャストが固定され、
お馴染みのテーマソング、飽きもクセも無い内容のアニメーション、
そしてベテランの素晴らしい演技に魅了され続けてきた。
しかし、ベテランばかりのメインキャストでは、今後が心配だという声が上がって久しい中、
放送終了ではなく、新キャストの選出によって番組を継続する道を選んだ。
あまりにも特徴的で愛されている声が代わるということに賛否両論があったが、
テレビ朝日も主力番組なだけに、簡単に手放すわけにはいかなかったのだろう。
新ドラえもん役の水田わさび、新のび太の大原めぐみ、この2人に関しては
名前は聞いたことはあったが、特別注目されていた声優というわけでもなく、
声優オタクとしても予想だにしない人選だった。
新ジャイアン役の木村昴は、当時14歳という若さでの大抜擢に驚きの声が上がったが、
先代ジャイアンのたてかべ和也氏と声が似ているということもあり、
お宝発掘といった感じである。
そして声優ファンを大いに喜ばせてくれたのは、
新スネ夫に関智一が、新しずかにかかずゆみが選ばれたことである。
二人とも実績、人気ともに申し分ない。
関は男性声優の中ではかなりの人気で、相変わらず忙しいのだが、
最近の男性声優ブームで若手に圧迫されている感じだった。
かかずは逆に仕事が減る一方で、人気の衰えが心配だった。
(これらはあくまでも個人的な見解である)
そこに突然舞い込んできた朗報に、予想などとは関係なく、
多くの声優ファンが喜んだことだろう。
関については、以前からラジオ番組でスネ夫のモノマネをしていたことが幸いしたとの噂もある。
いずれにせよ、5人とも実力を十分に発揮できている。
そしてまた、サブキャラのキャストにも注目が集まった。
のび太ママが三石琴乃、パパが松本康典、しずかママが折笠愛、担任の先生が高木渉などとなっている。
特に20代以上の声優ファンにとってはたまらない人選だ。
キャストだけでなく、アニメの内容にも大きな変化があった。
ドラえもんには以前のような威厳のようなものはなく、のび太の友達感覚で、
のび太並の精神年齢のようにも思える。
家の間取りもすっかり変わってしまい、壁もドアも階段も廊下もおおよそ以前のドラえもんらしくない。
これをドラえもんと言ってよいのだろうか、という疑問をもつこともある。
「21エモン」と揶揄していた時期もあった。
主題歌は「女子十二楽坊」でスタートした。
長らく親しまれた「ドラえもんのうた」に変わりは無かったが、
歌唱なしのインストゥルメンタルというアニメとしては斬新なスタイルをとった。
しかし、子供向けのアニメとしては不評だったのか、
半年で「夏川りみ」に交代した。
しかも今度は全く別の曲である。
個人的にはどちらの曲も歌詞やメロディなど1つの楽曲としては嫌いではなかった。
しかし、「本当にドラえもんに合う曲のか」
「アニメの内容が大幅に変わっているだけに主題歌ぐらいは伝統を保ってほしい」
などといった点では不満は残る。
これだけの大型アニメが大々的に再出発するということが今まで無かったこともあって、
慣れるまでに時間もかかるだろうし、現時点での辛口評価は仕方ないと思う。
慣れれば今まで以上の評価が下るかもしれない。
ドラえもんの今後を占うという意味では、今春公開される映画での観客動員も多いに注目すべき点である。
どちらにしろ、依然としてドラえもんは多くの国民に多大な影響を与える作品であることには違いない。