教室で覚えるダンス

 

 

 

目次

 

 

1.ゼネラル・インプレッション                 ・・・  P2

 

2.ダンス技術の3要素                   ・・・  P3

  @ポイズ&ポスチャー

  Aムーブメント

  Bタイミング

 

3.ダンス用語                                     ・・・  P7

  @ステップ

  A足の位置

  BLOD

  Cアライメント

  D回転量

  Eライズ&フォール

  Fフットワーク

  GCBM

  Hスウェイ

  

4.ウォーク                                        ・・・  P14                                       

 

5.フロア・クラフト                                ・・・  P15

 

6.ダンス競技会の審査基準                 ・・・  P17

 

7.スケーティング・システム                   ・・・  P20

 

 

 

男性に特に言えることですが、ダンスをきちんと理解しないと、自信を持って踊れなくなってしまいがちです。
逆に言うと、あやふやな要素があると、いい踊りがどこかに行ってしまいます。
そこで、提案です。
まずは、ダンスを頭で理解してみようではありませんか。
スタジオ(身体)ではなく、教室(机と椅子、頭)でダンスを理解しましょう。

<1.ゼネラル・インプレッション>

米国の選手で申し訳ございませんが、今ですと、スタンダードではアルナス−カチューシャ、ラテンではリカルド−ユリアの踊りを観ると、『すごい』と拍手を送るのではないでしょうか。

ソチ・オリンピックの真央ちゃんのフリーの演技もそうなのですが、審査の点数とは関係なく、観衆の胸に迫る感動があります。
プルシェンコやクアンといった経験者はもちろんのこと、スケートなど全く縁のない(世界中の)一般大衆に共感を与えてくれるのです。
すばらしいですね。

この、感動の共感がゼネラル・インプレッションです。
審査競技では、この『ゼネラル・インプレッション』が大事なのです。
審査員を味方に付けるくらいの『演技』、これがゼネラル・インプレッションです。


では、どうすれば観客に好印象を持ってもらえるでしょうか。
実は、『しろうとさん』が一番手厳しいのです。
ダンス仲間は、ここが難しい、あそこが難しいと分かっていますから、つい手心を加えてしまいます。
しかし、何も知らない『しろうとさん』は、ここができていない、あそこが格好悪いと正直に評価します。
言ってみれば、『しろうとさん』は騙せないのです。
この手厳しい『しろうとさん』相手に好印象を持ってもらう踊りがよい踊りなのです。
上級者に多い勘違いは、上級フィガーを踊るのが上手い踊り手だという思い込みです。そこで、上級フィガーを小手先で微調整して踊ってしまいがちです。
フィギュアで言えば、回転不足やエッジの使い方を間違えたまま踊っているのです。
これでは、好印象は与えることができません。
そうです。
基本に忠実に踊ることが大事なのです。
愚直に、真摯に、基本を学ぶことが大切です。
ダンスに王道なしです。


好印象は、基本がしっかりできているところからくることが分かりました。
本物と偽者の見分け方は簡単です。
容易にまねができる踊りは偽者で、なかなかまねができない踊りが本物です。
本物の踊りをするには、しっかりと鍛錬することが必要です。

さて、基本に忠実に、まるで機械(アンドロイド)のように正確に踊って、果たして良いゼネラル・インプレッションが得られるでしょうか。
答えはノーです。
ダンスは、身体表現の芸術です。
体操ではだめなのです。
良いゼネラル・インプレッションを得るには、プラスαが必要です。
基本は必要条件であり、十分条件ではありません。
芸術性は、音楽表現力から生まれます。
答えがあるわけではありません。
十人十色。
百人いたら百通りの表現があります。
全身で自分なりの音楽表現を行うこと。
これがダンスの醍醐味ではないでしょうか。

 

<2.ダンス技術の3要素>

ダンスの基礎では、ダンス技術の3要素を理解することが大切です。
技術の3要素とは、@ポイズ&ポスチャー、Aムーブメント、Bタイミングのことです。
言葉で表現すれば、『美しいラインを維持して、自然で滑らかな動きで、音楽にぴったり合わせて』踊りましょうということです。
特に注意が必要なのは、タイミングです。
ダンスは、『音楽に合っていなければならない』とされています。
ワルツの1・2・3とか、タンゴのS・S・Q・Qとかが音楽に一致していることが求められます。
ラテンダンスのルンバやチャチャチャは、いろんな楽器がいろんなアクセントで演奏しています。
2・3・41や2・3・チャ・チャ・チャが音楽に一致するよう、日頃から気をつけましょう。
フォックストロットでも、S・Q・Qが1・2・3と見えるような踊りをしている場合が多く見受けられます。
Sは、Qの2倍の長さで踊ります。
この機会に、自分の踊りをチェックしてみてはいかがでしょうか。


@
ポイズ&ポスチャー

ポイズは、バランスです。
ダンスは、ボール・バランスで真っ直ぐに立つことが大原則となっています。
ボール・バランスというのは、わずかに前傾姿勢であることを意味します。
真っ直ぐに立つということは、ボールの上にひざ、ひざの上に腰、腰の上に首、首の上に頭が垂直に一直線上に位置させるということです。
日本人は、一般的に背骨がS字に湾曲して、お尻が後ろに出て、顔が前に出がちであると言われています。
意識して、腰を前に入れ(お尻を後ろに逃がさず)、顔を後ろに(視線を上げて、顔を首の真上に位置させるよう)もっていきましょう

 

ポスチャーは、姿勢・ポーズ・シルエットです。
ホールドを確認しましょう。
お互いに足と足の間に右足がくる程度に少し左にずれて向い合う。
男性の右手は、女性の左肩甲骨の下に軽く添える。
女性の左手は、男性の右肩に下、上腕部に揃えて添える。
男性の左手は、女性の右手と結んで、直角(フォックストロットは120度程度)にひじを折って、目の高さに位置する。ひじから左手を手首が折れ曲がらないように真っ直ぐに伸ばす。右手付け根と左手小指の付け根が軽く押し合うイメージ。
女性右手は、男性の左手に合わせて軽く伸ばし、男性の左手と結ぶ。右手首を軽く立て、結んだ右手を外側に押すイメージ。
男性の顔は首の中心に顎を向けて、軽く反らして、左斜め上30度くらいを上目遣いに見るイメージ。
女性は、おなかのコンタクトから左斜め後ろに軽く身体を反り、顔は首の中心に顎を向けて、左斜め上45度くらいを見るイメージ。

両肘を外側に張りますが、この張りをトーンと言います。
同様にボールから頭のてっぺんまでを上下に張りますが、この張りもトーンです。
力で固めるのではなく、トーンで張ります。

 

おなかのコンタクトは、踊りの途中で次のように変化します。

スクウェア(男性右、女性右のコンタクト)
プロムナード(男性右、女性左のコンタクト)
カウンター・プロムナード(男性左、女性右のコンタクト)
左OP(男性左、女性左のコンタクト)

コンタクトの移行に際しては、手のホールド(枠)は、できるだけ維持して、ボディ(中身)を絞って移行することで、縦と横のラインを崩さずに、美しいシルエットを演出して踊りましょう。


A
ムーブメント

スイング・ダンスのムーブメントをみていきましょう。

ワルツは、頭の軌跡が優雅なサイン・カーブを描くダンスです。
アクセントが、1・2・3の1にあります。
したがって、1を大きく踊って、2・3をワン・スイングで踊ります。
頭の高さは、1が一番低く、3を一番高く踊ります。
回転は、回り込むのではなく、2で直線に踏み込んだ足が、サポーティング・フットのボールで1/4(90度)回転することで、真横に開き、3で足を閉じるときにさらに1/8(45度)回転することで、全体として3/8(135度)回転するというのが基本です。
通常、1歩目はCBM(コントラリー・ボディ・ムーブメント)で、スウェイは直です。
前進2歩めは、右回転は右スウェイ、左回転は左スウェイです(後退は逆)。
3歩目の終わりは、スウェイをかけたままロァーです。
フットワークは、通常、前進の1歩目はヒール・トー、2歩目はトー、3歩目はトー・ヒールです。
後退は、1歩目はトー・ヒール、2歩目はトー、3歩目はトー・ヒールです。

 

フォックストロットは、足をクローズせずにオープン・ポジションにとる雄大なムーブメントを特徴とするダンスです。
頭のラインは、ライズ(/)、アップ(−)、アップ(−)、ロァー(\)で、台形(/ ̄ ̄\)を描きます。
アップ・アップで高い頭の位置が継続されます。
アクセントは、強弱中弱ですが、それぞれのフィがーは、1234と表で踊る場合と、3412と裏で踊る場合があるため、中のアクセントを気にする必要はなさそうです。
基本のスイングは、S・Q・Qがワン・スイングとなります。
ワルツとの違いは、1・2・3ではなく、S・Q・Qと2ビート、1ビート、1ビートと4拍子で踊る点です。
スロー・カウントをしっかりと2拍採って踊ることが重要です。
もう一つ、CBM・サイドリードといった身体の回転と、右スウェイ・左スウェイといった身体の傾きが滑らかに一体となって織り成すボディ・ローテーションが魅力のダンスです。
フェザー・ステップを例にとると、1歩目S・CBM・スウェイ直・ライズ、2歩目Q・サイドリード・右スウェイ・アップ、3歩目Q・OPでCBMP・右スウェイ・アップで受けてロァーといった具合です。
フットワークは、男性は、HT・T・TH、女性はTH・TH・THとなります。

 

クイックステップは、軽快さを特徴とするスピーディーなダンスです。
頭のラインは、シャッセやロックでは、ワルツと同様のグラデュアル・ライズ、ナチュラル・ターンやリバース・ターンは、ライズ・アップ・アップ&ロァーと三角形(/\)的な動きとなります。
音楽のアクセントは、強弱中弱ですが、『1と2と3と4と』とエイト・ビートを身体の中で刻んで、下に沈むのではなく、上に弾むような踊りが望まれます。
S・Q・Q・Sを2ビート、1ビート、1ビート、2ビートとメリハリをつけて踊ります。
シャッセが多いのですが、ボールの内側で送り、ボールの内側で受けて(両足バランス)、足を閉じてボディを引き寄せる(片足バランス)と滑らかに体重移動することが重要です。
曲が速いのですが、あわてずに準備のロァーをしっかりとって、音楽の頭できちんとボディを送るようにしましょう。
CBM、スウェイ、フットワークは、基本的にワルツと同様です。

 

タンゴは、スイング・ダンスとは、明らかに異なるムーブメントです。

タンゴのムーブメントの特徴は、頭のラインが一定であること(ライズ&フォールがないこと)、肩のラインも一定であること(スウェイがないこと)、ウォークを曲の頭ではなく遅れてリズムを採ること(シンコペーション)、滑らかな回転ではなく一気に回転すること、ムービング・フットをわずかに床から離して即座にフラットに体重を乗せること等です。
音楽は2拍子(または4拍子)です。
S・S・Q・QまたはS・Q・Q・Sが基本的なリズムとなります。
ウォークをCBMP、サイド・リーディングと踊るところも特徴です。


B
タイミング

ダンスは、音楽表現の芸術です。
したがって、音楽に合わせて踊ることが求められます。
音楽を無視してはいけません。
音楽を良く聴いて、音楽を表現しなければなりません。
音楽表現の大きな要素が、タイミングの一致性です。
まずは、ワルツの1・2・3やフォックストロットのSQQSを音楽の1・2・3や12・3・4・12にきちんと合わせて踊りましょう。
これが結構大変なのです。
逆に観客の立場で考えてみましょう。
音楽と合っていないダンスは、違和感を覚えることと思います。
観る側が『音楽に合っている』と思うようなタイミングが良いタイミングなのです。
頭の1拍目を合わせるにはコツがあります。
誰しも突然に1とは出ることができません。
何事もそうですが、1と出るにはその1歩前の準備が必要なのです。
準備歩で足首、ひざを緩めることで、始めてタイミングが計れるのです。
もうひとつ、カウント1は、下に突っ込んではなりません。
準備歩でひざを緩めた分だけ前進・後退します。
カウント1の頭を合わせられるようになったら、カウント2、カウント3についてもどうやって音楽に合わせられるかを考えて踊りましょう。

 

<3.ダンス用語>

@ステップ

ダンスの1歩1歩の足の動き
フィガーを踊る順番(ステップ1=1歩目)
フィガー(ステップを覚える)

A足の位置

サポーティング・フット(支え足)の向きに対してムービング・フットを出す位置
次の18通りがある
壁に面して立っているとする

左足
@
前(壁方向)
A
前少し横(壁と壁斜めの間)
B
斜め前(壁斜め方向)
C
横少し前(LODと壁斜めの間)
D
横(LOD方向)
E
横少し後ろ(LODと中央斜めの間)
F
斜め後ろ(中央斜め方向)
G
後ろ少し前(中央斜めと中央の間)
H
後ろ(中央方向)
右足
I
前(壁方向)
J
前少し横(壁と逆壁斜めの間)
K
斜め前(逆壁斜め方向)
L
横少し前(逆壁斜めと逆LODの間)
M
横(逆LOD方向)
N
横少し後ろ(逆LODと逆中央斜めの間)
O
斜め後ろ(逆中央斜め方向)
P
後ろ少し前(逆中央斜めと中央の間)
Q
後ろ(中央方向)

 

足の位置については、以下の要素も含まれる。

@
CBMP(コントラリー・ボディ・ムーブメント・ポジション
A
PP(プロムナード・ポジション)
B
OP(アウトサイド・パートナー)
C
サイド・リーディング

 

BLOD(ライン・オブ・ダンス)

ダンスは、四角い部屋の中で踊ると想定されている。
また、その四角い部屋を左回りに、四角に踊ると想定されている。
 すなわち、4つの壁に対して、4つのLODがある。
ダンスが自由なのは、どのLODでどのフィガーを踊るかが決まっているわけではなく、どのLODで何を踊るかは、踊り手に委ねられていることである。
4つの壁は、平等である。アライメントは、今踊り手が面している壁を基準に、そのフィガーの身体の向き(面して、背面して)や、足の向き(向けて)が解説されている。

テキスト ボックス: LOD

テキスト ボックス: LOD

 

四角い部屋のどの壁に対しても左側をLODと呼ぶ。

 

Cアライメント

現在踊っているLODにおける、そのフィガーを踊る方角がアライメントです。
中央という言葉が誤解を与えがちですが、壁の反対側が中央です。
一つの壁に対しては、LODのどこで踊っていても、次のようになります。

----------------------------------------------------------------

    壁           壁           壁           壁      

LOD   逆LOD LOD   逆LOD LOD   逆LOD LOD   逆LOD 
    中           中           中           中     
    央           央           央           央

すなわち、言葉で表現すると、次のとおりです。

壁に向かって立っている場合です。

前方が「壁」        
後方が「中央」       
左側が「LOD」      
右側が「逆LOD」     

左斜め前が「壁斜め」    \
左斜め後ろが「中央斜め」  /
右斜め前が「逆壁斜め」   /
右斜め後ろが「逆中央斜め」 \

 

フィガーの各ステップは、そのLODにおいて、基本的にアライメントが決まっています。
足の向きとボディの向きが同じ場合は、「面して」、「背面して」、ボディに対して足の向きが異なる場合は、「向けて」と表記されます。
PPでは、ボディ・足の向き(例.「壁斜めに面して」)とボディ・足が進む方向(ダイレクション)が異なりますから(例.「LODに沿って」)、注意が必要です。

 

コーナー(LODの左端)においては、LODの交代が発生します。
すなわち、旧「LOD」=新LODの「壁」、旧「中央斜め」=新LODの「壁斜め」です。
一旦、新LODに移れば、当然に次のステップからは、新LODにおけるアライメントとなります。

 

D回転量


○回転量は、通常、足の向きの始点から終点までの角度で測ります。360度を1として、180度を1/2、90度を1/4といった風に、分数で表わされます。

ナチュラル・ターンの前半の回転量

男性
スタート:壁斜めに面しています。
     すなわち、左足は、壁斜めに向けています。
@右足、壁斜めに前進。足の回転は、ありませんが、右回転開始です。
A左足中央斜めに背面して横、すなわち、/\の内側の角度です。1/4右回転とな

ります。
B右足を左足に揃えて、LODに背面します。すなわち、 ̄/の内側の角度です。

1/8右回転となります。

女性
スタート:壁斜めに背面しています。
     すなわち、右足は、壁斜めに背面しています。
@左足、壁斜めに後退。足の回転はありませんが、右回転開始です。
A右足をLODに向けて横です。すなわち、 ̄\の内側の角度です。3/8右回転で

す。注意すべきは、あくまでも、足の始点から終点までの角度であり、身体は、まだ半分程度しか回転していません。

B左足を右足に揃える。
  LODからLODですから、足の回転は、なしです。
  注意すべきは、身体は、回転を継続しているということです。

 

Eライズ&フォール

ライズ&フォールは、足についてはもちろんのこと、ボディについて上昇させることと下降させることをいいます。
ナチュラル・ターンの前半をみていきましょう。

【ワルツ】

@
1の終わりでライズを始める
A
2と3 ライズ継続
B
3の終わりでロァー

【フォックストロット】

@
1の終わりでライズ
A
アップ
B
アップ 3の終わりでロァー

【クイックステップ】

@
1の終わりでライズ
A
アップ
B
アップ 3の終わりでロァー

ワルツだけ違います。2と3はライズ継続です。したがって、3が2よりももっと高い

位置にライズします。
フォックストロットとクイックステップは、1でライズしたら、2と3は高い頭の位置を維

持します。したがって、2よりももっと高い位置にもっていくということはありません。

 

シャッセについては、ワルツとクイックステップでは同じ動きとなります。

@
1の終わりでライズを始める
A
2と3 ライズ継続
B
4 アップ 4の終わりでロァー

フォックスロットの基本フィガーでシャッセというのはありませんが、フォックストロッ

トの特徴からすると、次のようになると考えられます。

@
1の終わりでライズ
A
2と3 アップ
B
4 アップ 4の終わりでロァー

 

Fフットワーク

フットワークとは、足の裏のどの部分をフロアにつけるかということです。
T(トー)という表記には、当然にB(ボール)も含まれており、TBとは表記しません。

したがって、Tと表記されておれば、TBと踊って構いません。

また、BのことをTと表記されている場合もあります。
H(ヒール)という表記には、当然にF(フラット)もふくまれており、HFとは表記しま

せん。したがって、Hと表記されておれば、HFと踊って構いません。
シャッセの場合は、Tで開きTで足を閉じますが、閉じる足のTは、フロアにずっと

コンタクトしながら閉じます。

ワルツのナチュラル・ターンの1−3のフットワークをみてみましょう。

男性

@
HT ・・・実際にはHFBTと踊ります
A
T  ・・・TBと踊ります
B
TH ・・・TBFHと踊ります

女性

@
TH ・・・TBFHと踊ります
A
T  ・・・TBと踊ります
B
TH ・・・TBFHと踊ります 

 

GCBM(コントラリー・ボディ・ムーブメント)

CBMとは、回転を始めるために、ステップする足と反対側のヒップおよび肩(ボデ

ィ)が起こす回転動作のことです。
両手を大きく振って行進するときのヒップと肩の動きを思い浮かべてください。
その場でボディを捻るのではありません。CBMは、常に前進もしくは後退しながら

ボディを回転させます。
壁斜めに右足前進する際は、トーは壁斜めに向けてステップし、左肩と左ヒップ(ボ

ディ)が右回転を開始します。すなわち、右足トーを壁の方に回転してはなりません。
ボディの回転動作は、自然にみせるものであり、不自然な捻転は、かえってダンス

を見苦しくするので注意が必要です。
肩とヒップは、同時に同じ回転を行いますが、前進での回転の場合は、肩がやや先

行し、後退での回転の場合は、ヒップがやや先行します。
CBMでは、スウェイはありませんが、次のステップからスウェイを伴います。CBM

は、スイングの導入部分です。

CBMP(コントラリー・ボディ・ムーブメント・ポジション)

CBMがボディの回転動作であるのに対し、CBMPは、足の位置(前進または後退

でCBMと同じアクロスした位置)です。
通常は回転動作はありませんが、回転動作を伴うときもあります。
OP(アウトサイド・パートナー)のときは、ボディ・コンタクトを維持するために、必 

ず、CBMPでなければなりません。さらに、次が回転であれば、少しCBMをかけま

す。
PPでの前進は、CBMPです。

 

Hスウェイ

スウェイは、基本的には美しいシルエットを見せるための効果を狙った(=初心者

にはなくてもよい)ものですが、実践的な技術的効果もありますので、確認していき

ましょう。
スウェイとは、右または左へのボディの傾きのことです。
スウェイは、基本的に回転のときに用いますが、例外としてスピンのときにはスウェ

イをかけません。というのは、回転のスピードが速いため、居心地の良いボディ・ス

ウェイのコントロールが難しく、かえって見苦しくなる恐れがあるからです。
装飾的な技法としては、カーブ・フィガー、ウェイブ・フィガーおよびクロス・シャッセ

で用いられます。
回転時のスウェイです。1歩目は、スウェイなしのCBMでスタートし、2歩目に自然

な感じでスウェイに繋げます。
男性であれ女性であれ、前進の場合、右回転のときは右スウェイ、左回転のときは

左スウェイです(後退は、逆)。
スウェイは、回転の2歩目と3歩目で継続し、次のCBMのときに直に戻します。
回転時のスウェイの原則は、回転の中心点に向かってボディを傾けるということで

す。すなわち、ゆったりした回転では小さく、急なターンでは大きくということです。
技術的には、回転時にスウェイをかけることで、バランスを崩したり、オーバー・ター

ンになることを避ける効果が期待できます。
とはいえ、スウェイの本質は、いかに各フィガーを魅力的に飾るかにあるわけです

から、各フィガーに指定されたボディ・スウェイを注意深く確認することが大切です。
また、間違ったボディ・スウェイをするのであれば、ダンスをスポイルしてしまう

ため、スウェイをかけないことをお勧めします。

 

<4.ウォーク>

 

(1)前進ウォーク

 

○右足のホール・フット・バランスで真直ぐに立つ。
○左足は、体重を乗せずに左足の横に添える。
○ひざは、伸びきらず、少しリラックスさせる。
○ボディのアップを維持したまま、バランスをボールだけに感じるまで傾斜させる。
○この時は、右足のヒールは床から離れていない。
○左足トーを床に着けて、まずはトーから前にスイングを開始し、次にトーが床から離

  れ、左足ヒールが床を滑るように前進する。
○左足のヒールが右足のトーを通過する時に右足ヒールが床から離れ、右足ボール

と左足ヒールを床に着けて前進ウォークする。
○左足ヒールが床に着いたらすぐに左足トーを床に着け、ホール・フット・バランスに

入る。
○ボディを前進させながら、右足トーで軽く床にプレッシャーを与えて、右足を左足の

方に寄せる。
○今度は、左足バランスで、右足を前にスイングさせて、同様の動作を繰り返す。

 

(2)後退ウォーク

左足のIEに真っ直ぐ立つ。縦のラインを保つことに留意する。
両膝を緩め、右足は体重を乗せずに左足の横に揃える。
右足のボールを後退させる。
右足のトーが左足ヒールを通過するところで、左足トーが床から離れる。
右足トーで床を滑らせ、次いでボールを床につける。
左足の膝を伸ばし、ボディを後ろに送る。
右膝をわずかに緩め、右足ヒールを床から放した状態で左足を右足に引き寄せる。
左足ヒール、次いで左足ボールを床に滑らせながら左膝を右膝に寄せる。
両膝が揃ったところで右足ヒールを床に下ろす。

○今度は、右足バランスで、左足ボールを後退させて、同様の動作を繰り返す。

 

<5.フロア・クラフト>

男性は、同じフロアで踊っている他のカップルとぶつからないように自分たちの踊り

の舵をとる責任があります。
ダンスの技術と同様に、このフロア・マネジメントの技術を会得する必要があります。
まずは、周りをよく観察することです。踊りながら他のカップルの動きを観察します。
相手のカップルも観察していますから、責任は半々ということになります。
ここでは、競技会でのフロア・クラフトについて、みていきましょう。
まずは、最初の位置取りです。これは、重要です。できるだけ自分の左側を空ける

ように留意します。
もし、カップルが固まっていたら、その集団の左先頭に位置取ることです。
同じ間隔で並んでくれると良いのですが、現実は固まりがちですので注意しましょう。
次は、端から端、中央までをできるだけ大きく踊ることです。
ダンスは、大きく踊ることが、評価の1要素となります。
大きく踊るには、フロアをできるだけいっぱいに活用することが必要です。
外側も内側も大きく使うよう留意しましょう。
他のカップルとぶつからないための注意点です。
今空いてるところに向かってはいけません。皆が狙っている場所に一緒に向かって

はいけません。
他のカップルが今居るところが狙い目なのです。
ダンスは、LODに沿って踊るというのが原則です。
したがって、他のカップルは、原則的には今居るところから、次の瞬間には、左に移

動しているはずです。
その空いた空間に位置取るというのがフロア・クラフトの基本です。

 

競技会では、ルーテンで踊るというのが定番ですが、ルーテンをアマルガメーション

に分断することをお勧めします。
というのは、規定のルーテンを何が起こるか分からないフロアで踊り続けるのは無

理があるからです。
要は、どういう状態でも、次のアマルガメーションにつなげる交わし方を身に着けれ

ば怖いものなしということです。
まずは、2メートル前で判断しましょう。
ぎりぎりでは、余裕をもっての対応ができません。
交わし方を研究していきましょう。

例えば、次のようなルーテン(アマルガメーション)があったとします。

ナチュラル・スピン・ターン−ダブル・サイド・クロス−フォーラウェイ・リバース&スリ

ップ・ピボット・・・

コーナーが詰まっていて、ナチュラル・スピン・ターンができません。
慌てる必要はありません。
 右足前進
 右足でライズ
 左足後退、ロァー
 これで、ダブル・サイド・クロスに入ることができます。

 

例えば、リバース系で、ダブル・リバース・スピン−オーバー・スピン・フロム・ダブ

ル・リバース・スピン−タンブル・ターン−スローアウェイ・オーバースウェイ・・・
出だしで前が詰まっていて、ダブル・リバース・スピンができません。
慌てる必要はありません。

小さくライト・シャッセ
小さくバック・ウイスク
ウイング
と時間を稼いで、これでダブル・リバース・スピンに入れます。

 

もう一つ、ナチュラル系からリバース系に、リバース系からナチュラル系に切り替え

るステップをマスターすれば、怖いものなしです。
ナチュラル系で前が詰まっています。
・右足後退からリバース・ターンの後半で中央斜めに面す
・チェックド・ナチュラル
・ライト・ランジから左足後退で中央斜めに面す
・チェアからリバース・ピボット

 

リバース系で前が詰まっています。
・左足後退からナチュラル・ターンの後半で壁斜めに面す
・チェックド・リバース
・コントラ・チェックからホバー・ツー・PP
・小さくクローズド・テレマーク

 

<6.ダンス競技会の審査基準>

いい踊りとは何かを理解するためには、競技会で審査員が何を評価しているかを

知る必要があります。
ここでは、JDSFの審査基準について、確認してみましょう。
審査ポイントは、次の5つです。
@
タイミングとベーシックリズム
A
ボディライン
B
ムーブメント
C
リズミックインタープリテーション(リズムの演出表現)
D
フットワーク
最も重要視されるのが、@のタイミングとベーシックリズムです。
○A
からDは、同じウェイトで評価されます。
競技会では、音楽が鳴っている限り踊ることが大事です。特に、音楽がまだ鳴って

いるにもかかわらず途中でダンスを止めてしまったっ場合、最下位となるので注意

が必要です。
また、音楽が鳴り始めたのになかなか踊り始めないというのも減点の対象となりま

す。
競技会で審査員と会話することは許されません。また、審査員は自分の審査に関

し、正当性を証明することは求められていませんので、評価に異議を唱えることは

できません。
以下は、それぞれの評価項目に関する審査基準です。


1.タイミングとベーシックリズム

審査員は、そのカップルがインタイム(in time)で踊っているかどうか、ベーシックリズムを守っているかどうかを判定しなければならない。"インタイム"で踊るとは、ステップが音楽のビートの対して早過ぎもせず遅過ぎもせず、ちょうどそのビートに合っていることを意味する。

"
ベーシックリズムで踊る"とは、たとえばスローとクイックのように割り当てられた時間長さの中でステップが行われていること、そしてあるステップと次のステップとの正しい時間的関係を守ることを意味する。

タイミングとベーシックリズムが間違っているカップルは、そのダンスでは最も低い採点を受けなければならない。このような間違いは、審査項目2〜5の項目においてどんなに良く踊っても取り戻すことは出来ない。

もし複数のカップルがタイミングを外したり、ベーシックリズムなしで踊っている場合、これらのカップルの順位決定のために審査項目2から5の範囲が用いられる。タイミングとベーシックリズムに欠点のないカップルが、常に上位に順位されなければならない。

 

2.ボディライン

ボディラインの意味は、動いている間、そしてピクチュアステップの間のカップル全体に関している。

審査が対象とするものは、

アームライン

バックライン

ショルダーライン

ヒップライン(骨盤の姿勢)

レッグライン

ネックとヘッドライン

右と左のサイドライン

3.ムーブメント

審査員は、ムーブメントがそのダンスの特性を保っているかを判定し、ライズとロウアー、スイングとカップルのバランスを審査しなければならない。

もしムーブメントがコントロールされ良くバランスされている場合は、より大きいスイングの方がより良い採点と判定される。

ラテンダンスにおいては、各々のダンスの特徴であるヒップムーブメントが評価されなければならない。

4.リズミックインタープリテーション

審査員は、そのダンスのリズムの演出表現について審査しなければならない。

これは、そのダンスにおけるカップルの芸術的振り付けと音楽的関係の能力を示すものである。

音楽を都合の良いように解釈しリズムを変えることは、"タイミングとベーシックリズム"の項目に従ってタイミングエラーと判断される危険を招く。

5.フットワーク

審査員は、足のボール、ヒール、トウの動作の正しい使い方、姿勢、ムーブメント、足のクローズ、そしてフットムーブメントの表現とコントロールについて評価しなければならない。

 

 

<7.スケーティング・システム>

決勝では、順位を決めなくてはなりません。
ダンスでは、独自の『スケーティング・システム』という方法で順位を決定します。
まず、審査員は奇数でなくてはなりません。原則的には、その多数決で順位が決定します。
難しいのは、これといった客観的な審査基準があるのではなく、審査員の採点にすべてが任されているといったことです。(もちろん、審査基準はありますが、審査員の主観に委ねられています。)
決勝では、審査員は、順位をつけます。同じ順位をつけてはなりません。したがって、通常は、まず1位をつけて、最下位をつけて、2位から5位までを相対評価するといった採点を行います。

 

まずは、各種目ごとの順位のつけ方です。ワルツの各審査員の採点が次のとおりであったとします。

審判員
背番号                  順 位
 
   1     1   6   1   6   1   6   1      1
   5     5   1   2   1   3   1   3      3
   8     2   2   5   2   2   2   4      2
  11     4   3   6   4   5   3   6      6
  17     6   4   4   5   4   5   2      5
  20     3   5   3   3   6   4   5      4
順位を小さい方から順に並び替えます。

  1      1   1   1   1   6   6   6
  5      1   1   1   2   3   3   5
  8      2   2   2   2   2   4   5
  11      3   3   4   4   5   6   6
  17      2   4   4   4   5   5   6
  20       3   3   3   4   5   5   6

 

最初は、過半数です。
@
過半数
すなわち、ちょうど真ん中(7人の審査員が居た場合、4番目の)順位をみます。
背番号 1=1
背番号 5=2
背番号 8=2
背番号11=4
背番号17=4
背番号20=4
これで、背番号1の1位が確定します。2位と3位は、背番号5か背番号8です。4位から6位が背番号11、背番号17、背番号20です。

 

次は、多数決です。
A
多数決
背番号5と背番号8の場合、2位の採点が多いほうが勝ちです。
背番号 5=4人
背番号 8=5人
これで、背番号8の2位、背番号5の3位が決定しました。

 

背番号11、背番号17、背番号20については、4位以上が共に4人ですから、多数決では順位が決められません。
次が、上位加算です。
B
上位加算
低いほうから、中央(4番目)までの順位を足して、小さい方が勝ちです。
背番号11=3+3+4+4=14
背番号17=2+4+4+4=14
背番号20=3+3+3+4=13
これで、背番号20の4位が決定しました。
背番号11と背番号17は、5位か6位となります。

 

次は、下位比較です。順位を1つ下げて、5位までの採点の多い方を勝ちとします。
C
下位比較
5位の採点の数を比較します。
背番号11=5人
背番号17=6人
これで、背番号17の5位、背番号11の6位が確定しました

 

最後に、総合順位の決め方です。総合順位は、各種目の順位の決め方とは全く違った決定方法となります。
詳細は省略しますが、決定方法は、次のとおりです。
@
合計点・・・各種目の順位を合計した合計の小さな順に勝ちです。
A
多数決・・・決定しようとする順位までの採点の数の多い方が勝ちです。
B
上位加算・・・決定しようとする順位より上位の順位の合計点の低い方が勝ちです。
C
再スケーティング・・・すべての種目をあたかも1種目であるかのように低い順から並び替えてスケーティング・システムで順位をつけます。

 

以上