PLAY&MUSIC【3】
2001/4〜2001/6
HOME
ESSAY
BACK NEXT
おいしい音楽/トロヴァトーリ・レヴァンティ
場所 銀座 クロイゾンホール 日時 2001年6月3日(日)15時、19時開演

高校時代の部活の後輩である彌勒君の主宰する古楽集団の公演である。
高校時代にはこんなことをする人になるとは思ってもみなかったが、自分の生活とは全くかけ離れた生活をしている人と知り合えているということは、幸せなことだ、と思う。
さて、この公演。
『おいしい』音楽だけあって、食べ物に関係する音楽を聞かせてくれる。

まず、テレマンの『食卓の音楽』より3曲。
前菜のパスタ、主菜の魚料理、デザートにみたてて演奏される。

演奏家達が入場して驚いた。
皆、シェフの格好をしている。
が、色々くっついている。
帽子には、目玉焼き+α。αは、ベーコンだったり、ハムだったり、ソーセージだったり。
胸には野菜。ラディッシュだったり、キウィだったり、ナスだったり、人によって違う。
そうして、首にはそれぞれ色の違ったスカーフが巻いてある。

今回は、バイオリンが2人、ビオラが1人、チェロが1人、フラウトトラヴェルソが1人、チェンバロが1人と、楽器を演奏する人たちが充実。
前半は結局歌手の人たちは登場せず、『食卓の音楽』のみで終わった。

フラウトトラヴェルソは、初めて観た。
木で出来たフルートの原型といった感じの楽器で、木で出来ているので音も柔らかい。
バイオリンは2人の音色が違っていて、楽器や、弾く人によって全く違う音になるのが面白かった。
演奏後に聞いたのだが、チェンバロの右手は即興だそうだ。
左手の部分と、コードを示す番号のみが書かれてあって、右手はそれに合わせて好きに弾くとのこと。
そんなこととは全く気付かなかった。

後半はバッハのコーヒーカンタータである。
それに因んで幕間にはお客様達にコーヒーが振舞われる。

後半のコーヒーカンタータは、驚いた。
オペラ風です、とは聞いていたが、まずウェイターの格好をしているのが、座長で演出家の彌勒君、テナーの谷口洋介さんの2人。
どうやら喫茶店の中らしい。お店をきれいに掃除などをしている
そこへ父親役のバリトン歌手浦野智行さんと娘役のソプラノ歌手懸田奈緒子さんが登場。
奈緒子さんの格好で唖然とする。

黄色いキャミソール、ブーツカットのジーンズ、厚底のミュール、目の周りは白く、つけ睫毛もつけ、まるでいまどきのティーンエイジャーである。
その娘がコーヒー狂いで、心配した父親がコーヒーを飲みつづけるんだったらお婿を貰わないぞ、と脅す。
娘は慌てふためいてコーヒーを止めるからお婿さんをすぐに探しに行って、と頼む。
そうして父親はお婿さん探しのたびに出るのだが、この旅、客席を回って、男性をデジカメで撮って来るのだ。
撮った画像は、テレビに映し出され、見合い写真の如く娘が写真をチェックする。

客席のお客さまが実際に画像が出てくると、大受けだ。
この、オペラ風コーヒーカンタータ、サイコーに面白かった。
終わった後、顔見知りになった懸田奈緒子さんとチェンバロの長久真実子さんにご挨拶。
一度顔を合わせただけなのに、しっかりと覚えて下さっていて嬉しかった。

薫風ライブ/タブラトゥーラ
場所 所沢 松明堂音楽ホール 日時 2001年5月20日(日)15時開演

タブラトゥーラだ。1ヶ月以上前から楽しみにしていた。
今回は、2回だけのライブで、尚且つ1回80席限定。
松明堂音楽ホールは、こじんまりとした、地下にあるホールで、舞台も低い。
4人が座れるベンチ風のいすに、同じ長さの座布団が敷いてある。80席で観客席は一杯になっている。
舞台には椅子と楽器が置いてある。

タブラトゥーラのメンバーが入ってきて演奏を始めた。
はじめた途端,音がホールに響き渡り、音響のよさを感じる。
今回のライブは、殆どがメンバーのオリジナル曲で、古楽は3ケ所だけ。
(メドレーなので、こんな言い方になる)
しかも、その古楽の中には、コーラスだけ、というものもあった。皆さん、上手でびっくり。楽器弾いたり吹いたりするだけではないのね。

特に、弦楽器が今回から一人減り、(ロングネックリュートの馬場さんがいなくなった)
代わりにパーカッションの近藤さんがつのださんのウード(?)を爪弾いたりしていて、近藤さんの芸の広さに感動。
そのせいか、多少編曲が違ったものを聴くことになった。
『エルソンブレロ』という曲は、CDではパーカッションがかなり効いているのだが、今回は全くパーカッションなし。
それなのに、ちゃんと『エルソンブレロ』なのだ。
(言い方が難しいが、エルソンブレロの雰囲気は全く変わっていないといいたかったの。)

アンコール最後の曲では、つのださんに、
『舞台に上がって踊って下さい』
と言われたにも拘らず、誰も踊らなかった。
引っ張りあげてくれれば踊ったものを・・・。
ちなみに、前日は観客があがったそうだ。

観客席には、つのださんのお姉さまがいらっしゃっていたそうで、それからソプラノ歌手で、タブラトゥーラとも一緒にライブをよくしている波多野睦美さんもお見かけした。
つのださんのお喋りの楽しさ、フィドルの田崎さんのパフォーマンスの面白さ、観客との距離の短さ、全てが楽しい音楽会だった。

じゃじゃ馬ならし/アカデミック・シェイクスピア・カンパニー
場所 銀座みゆき館劇場 日時 2001年5月19日(土)14時開演

アカデミックシェイクスピアカンパニー(ASC)は、2回目。
2年前の『から騒ぎ』が風邪を引いてどたキャンする羽目になり、
去年の秋の『リチャード三世』は、結婚式が入って行けなかった。
ゆえに、去年の5月の『マクベス』が初ASCだった。

開演前、音楽が流れている。どこかで聴いたことのある曲だ。
そうして、2曲目も。3曲目になって漸く気がついた。
タブラトゥーラだ。
『夜の蟹』が流れて確信。いやぁ、嬉しいぞ。明日聴きに行くし、タブラトゥーラ。

さて、今回は、歌で始まる。生ギターで、音楽担当でもある石山崇さんが歌うところから。
一緒に行った友人の友人でもある佐々淑子さんは、ハスキーボイスが災い(幸い?)してか、殆どの役が男性の役。
今回も例に漏れず男性の役だった。

さて、じゃじゃ馬馴らしである。ミュージカルでは『キス・ミー・ケイト』で有名だ。
気が強く、じゃじゃ馬のキャタリーナ(ケイト)が、それ以上に気の強い男ペトルーチオに一方的に結婚させられ、次第に貞淑な妻になる、という話。
原作では、妹は美人でやさしくて、女らしいキャスティングであるが、
今回は、裏で舌を出し、男をもてあそぶ女性に描かれている。
だからこそ、最後のシーンでもある、
旦那3人の賭けの、『亭主が呼ぶとすぐに飛んでくるか』でのやりとりが生きてくるのかもしれない。

最初は、みな、口が回らないのか、せりふがなかなか聞き取れないところがあった。
が、次第に聞き取りやすくなって行く。
ASCは、一人何役もやるのが通常である。しかも、衣装はそのままで。
例えばキャタリーナの妹ビアンカ役の鈴木麻矢さんは、キャタリーナの旦那の従者(男)を演じるし、
ビアンカの求婚者であるルーセンショー役の金子はりいさんは、彼の父親も演じるし。
一番の大受けはこの、父親とのやりとり。
ドア向こうに走っていったかと思うと、帽子をつけて父親になり、一言台詞を述べるとまた舞台から走り去る。一瞬の後に息子になり又一言の台詞と共に舞台から去る、といった具合。
しかも2人の声は全く違っているのだ。よくもまぁ、混乱しないもんだ。

一番最後に出演者全員で歌を歌う。最初に石山さんが唄ったものである。キャタリーナ役の那智ゆかりさんは、さすが、もとSKDだけあって声が一番良く通っていた。
演出もなかなか楽しく見ることが出来たように思う。

風を継ぐ者/演劇集団キャラメルボックス
場所 池袋サンシャイン劇場 日時 2001年4月18日(水)14時開演

先週の土曜日に行きたかったのが、いけなかったので、一人で行ってきた。
今回の公演は、5年前の再演である。
前回と同じ人が出ている割合が多いが、前回と同じ役で出ている人は、2人。
岡田さつきさんと、菅野良一さん。(大内厚雄さんも同じ役だったらしいが、私が観た時は上川隆也さんだったので)
それ以外の人たちは、全く違う役で出演していた。

当時、まだ主役ばかりだった、西川浩幸さんは、今回はお医者さんの役。
いい味出している脇役としてでていた細見大輔さんは、今回は主役に近い。
それぞれ、5年のうちに成長して主役がはれるようになっている。

この、風を継ぐ者は、時代劇である。しかも、幕末、新撰組のお話である。
といっても実在の人物は土方歳三と、沖田総司のみ、あとはフィクションだ。
韋駄天の如く足の速い迅助、書く事が好きな兵庫、この2人に沖田総司がからんで話が進む。

近頃のキャラメルボックスは、家族愛が表に出て来ることが多いが、これも多分にもれず家族愛がメイン(多分)。
夫婦の愛、兄弟姉妹の愛、親戚(おじ、おば、いとこ)の愛。
カレッジオブザウィンドのように、『ここで泣かせるぞ!』という意気込んだところもなく、ほのぼのとして終わる。
ま、新撰組が題材なので、ちゃんばらもそこここに出てくるけれど。

今回、所作の先生をお呼びして、着物を着たときの動きについて習ったそうだ。
確かに、初演の時よりも、着物の着崩れも少なく、皆慣れてきたのかな、という気はする。
が、気になるのはすり足で駆け足すること。
着物なんだから、もう少しゆったりと歩けばいいのに。
流れがとまるから無理なのかな。

そんなわけで、前回の新作、エトランゼよりも安心して見られた。

17世紀 ドイツプロテスタントの受難曲/バッハコレギウムジャパン定期演奏会
場所 東京オペラシティコンサートホール 日時 2001年4月13日(金)19時開演

初めてのバッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会に行って来た。
去年の12月に、家の近所の音楽ホールでやることを知り、行きたかったのだが、
生憎とドイツ旅行の真っ最中で、泣く泣く諦めたのだった。そうして、今回。

今回は、キリストの受難曲2曲を聴き比べる、ということだった。
シュッツと、デマツィチウス。
が、この受難曲の前に、パイプオルガンのみの演奏から演奏会は始まる。
パイプオルガンの生演奏は多分2回目くらい。
以前、祖父が通っていた教会の礼拝の後で、オルガニストが練習をしていたのを拝見したことがあるのだ。
パイプオルガンの音は、ほんっとうに荘厳で、いいな、と思う。

さて。
シュッツとデマンツィウス、2人ともドイツ人で、今回の演目はドイツのプロテスタントの受難曲。
デマンツィウスは、オルガンの伴奏で、コーラス中心の曲。
16人という、小人数の割に、音の幅があるように感じるのは、オルガンのせいか。

最初、前の前の人の頭で、オルガンがまったく見えなかった。
ので、声だけでこんなに幅の有る音が出せるのかぁ、と感動していたら、その前の前の彼の頭が動き、オルガンを発見。
にしても、ソプラノ4人(第1、第2が2人づつ)、アルト3人(内男性2人)、テナー4人(第1、第2が2人づつ)、そうしてバスが4人という小人数で、辺りを包み込むような声が出せるのは、素晴らしい。

休憩に続いて、シュッツの受難曲。
これは、福音書家(エヴァンゲリスト)の櫻田亮さんが聖書のト書きを歌い、台詞をそれぞれ役付きの歌い手が歌うようになっている。
群集や、兵士などは、そのときに歌っていない人たちがコーラスする。
イエスは、バスの浦野智行さん。この人は、トロヴァトーリレヴァンティでも活躍なさっていて、顔と声とが一致する人。
他に、谷口洋介さん、懸田奈緒子さんの2人、トロヴァトーリで馴染んだ名前の方が出演されていた。
このトロヴァトーリの方々は、皆さんソロパートがあって、嬉しい。
そういえば、トロヴァトーリでバロックバイオリンを弾いている荒木さんも客席でお見かけした。

シュッツの受難曲は、完全にア・カペラで、時々櫻田さんが音叉で音程をチェックしていた。
聞いていると、音の取りづらそうな音程で、頭の中で譜面に出来ない。
また、面白かったのが、ユダ(裏切りもの)をアルトパート(といっても男声の上杉清仁さん)がやったこと。
欧州の人は、声の高い人は信頼できない人、という定義でもあるのかしら?

初BCJ、よかった。また行きたい。

斎藤幸子/ラッパ屋
場所 シアタートップス(新宿) 日時 2001年4月7日(土)14時開演
不思議な題名である。人の名前がタイトル。
どうやら、脚本家によると、むっちゃくちゃ運勢が悪いとのこと。
なんか、ゴロもいいし、サイワイという字を使っているから、よさそうに見えるのにね。
ということで、内容は、『斎藤幸子』という女性(岩橋道子さん)の波乱万丈の人生である。
が、主役は誰なんだか。
同級生の坂本君(福本伸一さん)<←私は彼を結構気に入っている>なのか、
それとも、やっぱりタイトルにもなっている斎藤幸子なんだか。

ここの公演は、多分、6回目か7回目位なんだと思うが、いつもいつも、等身大の自分たちを見せてくれるような気がする。
例えばセット。
今回は、お茶の間が舞台だった。
他には、旅館(ホテルにあらず)の階段を上がったところとか、
おうちの廊下とか。
しかも、トイレ(というより、便所、と言った方が近い)を効果的に使用している。

今回は、シアタートップスという、200人くらいでいっぱいになってしまうような劇場の、一番前の席だったので、
役者の汗、口から飛び出すしぶきなどが間近に見られ、圧倒された。

もしかして、キャラメルボックスより、こっちの方が自分の性にあっているのかなぁ
BACK NEXT