【目次】
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絶句。目が点。驚愕。
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中国を語るに、「食」を抜いて語ることはできない。
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この旅最大の失敗。
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夜の上海で、恋に落ちた。
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当然のことながら、中国では中国語が話されている。
絶句。目が点。驚愕。
『誰も止める人はいなかったのか』という呆然。
それが私の、上海の第一印象。
漫画の中の「未来の風景」を現実にやっちゃった感のある風景。
上海の夜景のシンボルとも言えるかのテレビ塔は、7色に輝きまくっている。そのフモトにはなんだかよく分からない銀のボール状の建築物が転がっている。そして、黄色や青の電飾灯でギッラギラにデコレートした遊覧船が無数に行きかっている。
確かに見ごたえはある。
でも、
『100万ドルの夜景』という表現は納得がいかない。
そんな高貴な雰囲気ではなく、もっと何て言うか、おもちゃみたいというか、「テーマパーク的」な派手さがあるのだ。日本でこんなことやったら間違いなく景観破壊とかなんとかで住民運動がおこるに違いない。
街中には土星型やらパイナップル型やら、けったいな建物が乱立している。
靴屋さんでは、白地に緑と赤の花柄があしらってある「それはナシでしょ」というデザインのパンプスが引っ張りダコ。
コンビニに並ぶお菓子のキャラクターがどうもかわいくない。というかブサイク。
どうも、中国人のセンスは、日本人とは随分違うらしい。
中国を語るに、「食」を抜いて語ることはできない。
それは、私の体重計が如実に物語っている。
帰国後あわててスポーツジムに駆け込んだが、前屈をすると何やら邪魔な物体がヘソのあたりに存在する。
今回の上海旅行の趣旨は、国際経済法ゼミの合宿であり、
「中国のWTO加盟による社会への影響を視察する〜知的財産法の視点から〜」 みたいな(誰も正確なネーミングは考えていなかった)、
たいへんアカデミックな側面
を持つものだった。
確かに、弁護士事務所を2つ訪問した。JETRO(日本貿易振興機構)でお勉強もした。街に出れば、ニセブランド品に『知的財産権の侵害だ!』等とマニアックな興味を異様に示す奇妙な集団であった。
しかし
中国を語るに、「食」を抜くことは不可能である。
旅の前半は、非常にゴージャスな食卓。連日、円卓をクルクルまわし続けた。昼から青島ビールを開けた。1回の食事で20品目以上出るのに、ちっともメニューがかぶらない。ブタのノドやら、カモの舌やら色んなものが出てくる。
旅の後半は、非常に庶民的な食卓。現地でお世話になった日本人の方に「衛生上問題があるから、自己防衛のため絶対に食べないように!」と釘を刺されていたにも関わらず、露店の肉まん(13円)を購入した。4個で2.5元(約32円)の焼き小龍包を、肉汁を飛び散らしながら食した。ガイドが「ここで食事時間だ!」と言い放った場所に1軒しかないお弁当屋さんのネコマンマのような弁当を、選択の余地無くほおばった。
ちなみに、この前半と後半の差は、主に「教授同伴か否か」という点に起因すると思われる。
さらに、乙女には『ベツバラ』というものが存在する。
ウワサの亀ゼリーはローソンで購入した。 パッケージの王子様がとってもキュートな「王子クッキー」はセブイレ。 エッグタルトは3つも食べた。 マンゴーデザートのカフェには、最終日に『どうしてももう1回食べたい!!』とタクシーで乗り付けた。
何をしていても「グルメツアー」になってしまうのは、中国の特徴である。
ちなみに、概しておいしい。 以前北京に行った時はコショウが効きすぎていてちょっと辛かったが、上海は概ね薄味である。日本人の口に合う。でも、量が多い。具が多い。
一口目は『お〜い〜し〜い〜★』と大感動だったタピオカ入りのお茶も、後半はオナカいっぱいで憎らしくさえ思える。エッグタルトは4個〜の販売。円卓系の料理は完食できたためしがない。
大らかなのか?はたまた欲張りなのか。
この旅
最大の失敗。
それは、この「グルメツアー」の〆めにコトゴトクはずれをひいたこと。
最終日。朝7時のバスである。ホテルの朝食を食べていては間に合わないので、コンビニでマフィンを購入した。
ま…まずい
空港について、税関を通過しようとしたその時、前の客がケンタッキーの袋を持っているのを目撃してしまった。
ちなみに、上海にはケンタッキーがめちゃくちゃ多い。マクドより断然多い。 なぜなのか。
なぜ、ケンタッキーは中国人を魅了してやまないのか。
その好奇心を満たさぬままに出国してなるものか。
わざわざセキュリティのお姉さんに「中にKFCはあるか?ないなら買いに行きたいからこっから出して!」と中国語と日本語と英語のチャンポンで交渉し、その後筆談までしながら3人程に道を聞き、ケンタッキーにたどり着く。最後は時間がなくなってきて猛ダッシュまでした。
この時、ほとんどのクラスメートは既に帰国しており、
こんなアホくさいことに必死になる私
を止める者は、残念ながら誰もいなかった。ムダにエネルギーを使いまくる、地球に優しくない女である。
残念ながら朝ケンタ(?)しかメニューがない。
一番チキンっぽいのを買って食べたら、
なんか違った。
よく分からないけど、野菜っぽかった。
は…はずれ
そして、機内食(上海航空)。
往路の「にんじんの巻き寿司」で「?」なにおいはプンプンしていたのだけど、復路でもやってくれた。うまく表現できないくらいヘンチクリンな食べ物が出てきた。中華でもなく、和食でもなく、洋食でもなさそう。
あれは一体なんだったんだろう・・・?
夜の上海で、恋に落ちた。
今回の旅のハイライトのひとつ、上海雑技。
上海雑技のメンバーは皆それぞれにものすごい芸を持っている。 1台の自転車に10人くらい乗ったり、いすを天井まで積んでその上に片腕で逆立ちしたりしちゃってる。
その中に、ただ一人、
大した芸のない人がいた。
それは「マジシャン」のおねぇさん。
マジシャンと言っても、技術的にすごいのはマジックをかけられている人たちの方で、おねぇさんはただニッコリ微笑みながら、箱に刀を刺しているだけである。
そのおねぇさんの唯一にして最大の在団意義。
それは
めちゃくちゃカワイイこと。
女の私でもクラクラくる程の魅力・カリスマ・フェロモン。 観客全員が、目がハートになっていた。
恐らく、皆がおねぇさんに目を奪われている間に何らかのタネとシカケが作動しているものと思われる。
ある意味本当にマジックである。
演目がすべて終わると、雑技のメンバーはロビーでお見送りをしてくれる。
私は中国人を押しのけておねぇさんと写真を撮ることに成功した。
それでも私の恋心は満たされず、「出待ち」を試みた。
しかし、団体行動の悲しさ。そんなに粘るわけにもいかない。
しかし、車が動き出したその時、雑技のメンバーが私服でワラワラと出てくるのを目撃。 あのおねぇさんもいるかもしれない!? 運転手のシートをバンバン叩き、『止めて!ちょっと車止めて!!』
ムリヤリ車を路肩に止めさせ、劇場までダッシュ!!
クラスメートもつられて猛ダッシュ!
教授までつられて猛ダッシュ!!
でも、マジシャンのおねぇさんは出てこなかった。20分くらい待ったけど、出てこなかった。
きっと、アッシー君がいて、もう車で帰っちゃったんだね。
上海の儚い恋ばなし…
当然のことながら、中国では中国語が話されている。
もちろん上海にはそれなりの方言があるのだが、北京語でも通じる。
ちなみに、私はカナダ留学中、「カナダ人より圧倒的に有利な科目」との理由により中国語を習った経験があり、カタコトながら、多少の会話は可能である。
英語はまったく通じない。
ビジネスの拠点・上海なのに、ちっとも通じない。
ちなみに北京に行った際も、なんちゃら国際ホテルに泊まったのに全く通じなかった。 北京オリンピックを控え、他国のことながら不安を感じる今日この頃である。
一番通じたのは、なんと大阪弁。
偽ブランド品のカバンをしつこ〜くすすめてくるおっさんは「いらんっちゅーてるやん」と言えば、どっかに行った。
トイレで何やらまくしたててくるおばちゃんは「何言うてるか全然わからへんわー」と言ったら、しゃーないといった感じでトイレを使わせてくれた。
それでも、込み入った話をしたい時に言葉が通じないのは非常に不便である。
知り合いから借りていたケータイが突然通じなくなった。 ケータイを使えるようにするにはどうすればよいかわからない。 公衆電話のテレホンカードの使い方がわからない。
コンビにやらホテルやらで、英語や筆談を駆使したけれど、さっぱりわからない。
ケータイショップを発見し、身振り手振りでコミュニケーションを試みた。 店には、周りのショップの店員がゾクゾク集まって、えらい騒ぎにだ。
…が、誰も言葉が通じないので、
事態はよけいにややこしくなるだけである。
そこに「どうしましたか?」と天の声!!
日本語だ〜!!
それは、事態を収拾する切り札として呼ばれてやってきた近所のカフェの店員のにいちゃん。まさに救世主である。 彼は、ケータイ不通問題を解決に導いてくれ、地域一帯を巻き込んだ騒ぎはとりあえず 終結へと向かった。 さらに、「この辺で買い物するのに困ったときはいつでも聞きに来てください」と優しい一言。
私も、日本で困っている外国人がいたら絶対助けてあげようと、心に誓った瞬間であった。