約束


 プルルルルルルルルゥ・・・・・  プルルルルルルルルゥ・・・・・  携帯の音が鳴る。 蔵馬は、別に携帯なんて必要ではなかった。 特に電話好きでもなかったし、自分からかけることも 少なかった。  ただ、「仕事上、必要なときもあるんじゃないか?」と勧められ 携帯を買ったのであった。  で、せっかく買ったのだから、 とりあえず、知り合いには携帯番号を教えた。 まさか、そのことがのちのち後悔するなんて、思わなかったのである。 蔵馬は、携帯を手に取り、通話ボタンを押す。 「幽助っ!!!!(怒)」 「あ、蔵馬!!あのさ・・・」 「”あ、蔵馬!!あのさ・・・”じゃないでしょう?!  今何時だと思ってるんですか!!!!!?????」  蔵馬が怒るのもムリはない。 今の時刻は午前2時をまわったばかりである。 更に蔵馬は、 今日、残業をしていて、さっき眠りにかかったばかりなのである。 幽助は昼と夜が逆転している生活を送っているため、 よく、夜中に携帯を鳴らしてくるのである。 だから、いつもは携帯をOFFにして 寝ているのだが、 今日はよっぽど疲れていたのか、OFFにするのを忘れ、 ONにしたまま眠ってしまったのだ。 「で?なんのようです?」  蔵馬は不機嫌のまま、用件を尋ねる。 「あのさ・・・・、さっき桑原と雪菜ちゃんが来たんだよ。  でさ、桑原がちょっとどっか行ったとき、いきなり雪菜ちゃんが  ”飛影は人間界に戻ってこないのか?!”って聞くんだ。」 「・・・・・・・それは・・・雪菜ちゃんは飛影が兄だって事、  気付いてるって事ですか?」 「ああ。多分な。」 「あの・・・飛影さんは人間界には戻ってこないのでしょうか?!」 「え!!ど・・どうしたんだよ・・・。いきなり・・・?」  あまりに急な質問だったので返答に困る幽助。 もしかして、雪菜ちゃんは気付いてしまったのか?飛影が兄だという事を! 「え・・・・いえ・・・・」  雪菜はまたうつむいてしまった。 「飛影は多分戻ってこないと思うよ。パトロールとかしてるし。」  雪菜は少し、がっかりして、 「・・・・・そうですか・・・・・。」  しかし、すぐに気持ちを切り替え、また別のことを幽助に尋ねる。  「飛影さん・・・・・元気にしてますか?」  どうして、こんなに飛影の事ばかり聞くのだろう? 答えは決まってる。こんなのオレにだって分かる。 「・・・・・・元気・・・・だけど・・・・?」  確信しているからだ。探し求めていた兄が”飛影”だという事を。 「そうですか!よかったです!!」  雪菜は明るくほほえむのであった。 「飛影が兄だって気付いてなきゃ、あんなセリフは出てこねぇよ。」 「なるほど・・・・・。で、今日の電話はその報告だけですか?」 「・・・飛影に言った方が良いと思うか?雪菜ちゃんが気付いてること・・。」 「どうして、言った方が良いと思うんですか?幽助。」 「だってさ、無意味じゃん。  もう、気付かれてるのに自分が兄だって事黙ってるのって。」 「・・・確かにね。」 「蔵馬はどう思う?」 「・・・・分かりません。」 「分からない?!」 「そう、分かりません。  本来、他人の家庭のことを他人が口出しするのはおかしいんです。  もちろん、幽助の言ってることも一理あります。  しかし、雪菜ちゃんと飛影の関係はオレ達が思ってるより複雑なのです。  ですから、本人同士で解決するのが一番なんです。」 「・・・・なんか、よくわかんねー・・・。」 「そう、分からなくていいんですよ。  確かに他人の家庭のことを他人が助けることは可能ですよ。  ただ、口出しと助けるは、紙一重で難しいところなんですけどね。」 「……なんだか、”放っとけ”って言ってるみたいに聞こえんだけど。」 「幽助。飛影は飛影なりに考えがあって、雪菜ちゃんは雪菜ちゃんなりに  考えがあるんです。  貴方はさっき”無意味”と言いましたね。  オレもそう思います。  でも、飛影にとっては?飛影にとっては、もしかしたら  ”無意味”じゃないかもしれない。」 ―――だから、分からないんです。  蔵馬との通話を終え、幽助は少し考えた。  桑原が戻ってくるまでの5分間。幽助は雪菜の話をずっと聞いていた。  今までなんとなく飛影側についていて 飛影が兄だという事をばらさないようにばらさないように…… と思っていたけれど……。    幽助自身、雪菜とこんなに話をしたのは 初めてだったかもしれない。  幽助は屋台を片付け、 魔界へ通じる穴へと歩いていった。  ☆つづく☆  
結構変えましたよ、この回は。 秘密ページご覧になった方でも読み応え少しはあるはずです!! (ただし、面白い面白くないは別問題;;;;) 前の時は「蔵馬が冷たい」という意見が多かったので ちょっと蔵馬さんのセリフを変えさせていただきました。 でもですね!すやすや〜っと気持ちよく寝てるときに いきなり起こされるのって不愉快ですよ? いくら温厚な人でも怒りますよ? だから、この回の蔵馬さんが少々冷たくても 許してくださいね。 幽助と雪菜ちゃんって話しているところ原作では1つくらいしか ないんじゃないでしょうか? 道理でやりにくいわけだ……。 さらに蔵馬と雪菜ちゃんも原作では話してるシーンって ……ないですよね? この先、蔵馬と雪菜ちゃんの会話のシーンが出てくるのですが やりにくいわけだ……。 まだまだ、つまらないかと思いますが 最後までお付き合いくださいませ。 (でも、最後までつまらないかもしれません。) 感想メールお待ちしております。
3へ行く ☆一つ前のページに戻る☆ ★ホームに戻る★