約束


 昨日の夜幽助は言った。 ”雪菜ちゃんは、飛影が兄だということを知っている”と。  幽助は、そのことを飛影に言いに行ったのだろう。  しかし・・・・・・何故?  飛影にそのことを言ってどうするというのだ? 雪菜ちゃんが飛影のことを兄だと気付いたからといって 飛影が自分が兄だと名乗り出るだろうか? いや、名乗り出るわけがない。 そんなことは幽助にだって分かるはずである。  何より、幽助は、そんなにお節介だろうか? 確かに幽助は優しい。 しかし、決してお節介ではない。 飛影に”兄だと名乗ったらどう?”なんて (冗談では言うかもしれないが)そんなお節介なこと いつもの幽助は言わない。  いつも幽助は、どちらかというと 飛影側についている。 今回は、どう考えても幽助は 雪菜ちゃん側についてるような気がする・・・・。  何故・・・・・・?  君は一体雪菜ちゃんと何を話したの? 「ハァハァハァ・・・・・!!!」 「ゼェゼェゼェ・・・・・!!!」  一時休戦といったところであろうか。 幽助と飛影はこの短時間にどれほど暴れたことであろうか。 周りを見れば、一目瞭然である。 地面はえぐれ、木々は折れまくり、倒されまくり・・・・・・・。 「フン、やるじゃないか!」 「へっ、そっちこそ!!!」  先程のムードとは一転し、2人とも笑顔が見える。 「続きをやるか?」  飛影が立ち上がった。 「望むところだぜぃ!!」  幽助は戦闘態勢に戻った。  飛影と幽助は構えた。 幽助は踏み出す瞬間をうかがう・・・・・。  まだ、早い。  まだだ。  あともう少し・・・・・・・。  ・・・・・・・・・・・・・。  今だ!!! 「って、違うだろーーーーーーーーー!!!!!!!」  幽助はいきなり叫んだ! 飛影もこれには少々驚いた。 「オレはこんな事しに、魔界に来たんじゃねーよ!!!」  幽助はようやく目的を思い出したようだ。 飛影は呆れたように 「何を今更・・・・。  さっきも言ったが、オレは誰に何と言われようが  雪菜に兄と名乗り出るつもりはないからな。」  さっきより、なんとなく言い方が優しい。 やはり、体を動かしたからだろうか? 始めからこんな調子なら、話がスムーズにいくのに・・・・。 と、幽助は思った。 「・・・・あのさ・・・飛影。  雪菜ちゃんはさ、ずっと待ってるつもりだぜ?」 「何をだ?」 「飛影が兄だと名乗り出るのを・・・・・。」 「兄探しやめるって・・・・・どうして?」  蔵馬は雪菜に尋ねた。 「もう、探す必要が無くなったから・・・・・。」  蔵馬は、もう、どう答えたらいいのか分からない。 雪菜は話を進める。 「多分、私は既に兄に会ってて、  さらに私は兄が誰なのか知ってると思うんです。」 「お兄さんに会いに行かないんですか?」  蔵馬は足を止めて雪菜を見ながら質問をした。 「はい。会いには行きません。」  雪菜はにっこりと笑って、答える。 「兄に会いに行ってしまっては・・・  兄の好意が無駄になってしまいます。」  飛影の好意って・・・・? どういう・・・・・・ 蔵馬が聞こうとする前に雪菜は答えた。 「兄は私が妹って知ってると思うんです。  なのに、どうして名乗り出てくれないのだろう、って  ずっと疑問に思ってたんです。  でも、それは、名乗りでないのは…………  ―――――私のために…………なんでしょうね……。」  蔵馬は分かってきた。 幽助の行動の意味が・・・・。 「全部勘なんですけどね。  でも、多分当たってます。  名乗りでないのは、”私が嫌いだから”でも”恥ずかしいから”  でもなく、私のことを想って、名乗りでないような気がするんです。  だから、私は兄の好意に答えたい!!!」  昨日、君はこのことを雪菜ちゃんと話してたんだね? だから、飛影に会いに行ったんだね。 雪菜ちゃんの想いを、雪菜ちゃんの代わりに、飛影に伝えるために……。 「私は待とうと思います。  兄が兄だと名乗ってくれる日を。  ずっとずっとずぅっっと待とうと思います。」 「ただ待つ、っていうの辛いと思うぜ。」  幽助は言った。 「待たされる方ってのは、待つ以外何もできない。  ただ待つ、ひたすら待つだけ。」 『帰ってこないかもしれない・・・・・。  そう思うとどんどん不安が募るだけ。  今、苦しんでるかもしれない。  今、辛いことが押し寄せてるかもしれない。  でも、私はただ待つだけ・・・・・。  ひたすら待つだけ・・・・・。  何もできない!!!  ただ、救われたのは  ”3年で戻ってくる”という約束。  その約束だけが私に待つ勇気をくれた。』  ”あいつ”はそう言ってたらしい。 オレが直接”あいつ”から聞いた訳じゃない。 ……聞いた訳じゃないけど……。 「待つのは、結構大変みたいだぜ?」  幽助は笑いながら飛影にそう言った。 「お前は雪菜ちゃんを一生待たせる気か?」   ☆つづく☆  
今回もほとんど直してません。 次回が最終話です。お時間のある方はどうぞお付き合いくださいませ。 飛影と雪菜ちゃんのお話ですが 飛影ほとんど出番無しでしたね。 スミマセン……(T∧T) 難しいんだ〜〜い、飛影書くのは……。(しゃべってくれないからね) 感想メールお待ちしております。
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