<出産体験記>

3)なぜ「ひ、ひ、ふー」なのか

 さて、陣痛がきました。痛いです。痛いと人間身を強ばらせて身を守ろうとします。だがしかーし、それは思いきり逆効果なんですよ。
 子宮も産道も筋肉なのだそうです。で、陣痛の痛みっていうのは子宮が収縮して赤児がグンっと前に出ようとするんだけど産道が塞がってて出れないから痛いんですよね。スルスル前に進めりゃたいして痛かないんです(あくまで想像)。
でね、赤児が前進しようとしたときに「いたーーーーい!」って身を強ばらせちゃうと筋肉が固くなるでしょ。そうすると狭い産道が余計固くて狭くなっちゃって赤児が降りてこないんです。そう、自ら胎児の行く手を阻んで難産を呼んでしまうのです。

 なので痛い時には息を吐いてできるかぎり身体の力を抜いてリラ−ックスしてあげると赤児は通りやすくなり、結果として早くお産が済むのです。これが「ひ、ひ、ふー」。
 最初から「ひ、ひ、ふー」ではなくて、始めは普通の深呼吸で充分。だんだん痛みが激しくなってくると「ふー」なんて呑気に息吐いてられなくなって「ひ、ふー」になり「ひ、ひ、ふー」になっていきます。これはやってみないとわからないね。
(ちなみに全部吐きます。「ひ、ひ」で吸って「ふー」と吐く訳ではありません)

「ほんじゃ、いつ息むんだよ?」って思います?
ほんとに最後だけです。自然の力に任せてギリギリまで胎児に降りてきてもらって最後の最後で押し出してあげるって感じでした。最初から息んじゃうと産道険しくなって血だらけになっちゃうし、痛いからといって眼をつぶってしまえば眼の周りの毛細血管がブチブチ切れまくって顔が痣だらけになるそうです。
よく分娩室で「ぎゃーーー、いたいーーー、いやぁぁぁ」なんて叫び声が聞こえてきますけど、力が分散するから大声で叫ぶのもNG。そう、本当に100%一極集中で力を注ぐもののようです

 私も病院の分娩前の説明会に出席するまで知りませんでした。
「呼吸?なるようになるわよ」ってな感じで説明聞く気ゼロ。
しかし、2ヵ月先に出産した友達のお見舞いに行った時(その時点で私は妊娠9ヵ月)に
呼吸法、大事よ。助産婦の言う事聞いた方が早く絶対終わるよ。あたしは出来なかったけどね」
という生々しい感想を聞いて慌てて説明会を申し込んだのでした。
そしてその説明会で上述のような説明を聞いて「なるほど!」と眼からウロコをボロボロ落としました。もし出産を控えている方は病院が開催する出産説明会、絶対参加した方がいいですよ。

 以上の事を肝に銘じて臨みました。人一倍痛いのが嫌いな私。早く終わらせたかったら絶対冷静さを失ってはいけない。どんなにいたくても「ひ、ひ、ふー」。
そして分娩台の上では眼球飛び出す程眼を見開き、歯が欠けるほど食いしばり。無理難題をいう助産婦の言う事を必死に聞いて分娩しました。おかげで2回とも予想以上にスムーズに終了。 
 とにかく友人のあの一言のお陰で私は2回の分娩を俗にいう「安産」で切り抜ける事ができたのです。ありがとう、てんちゃん。
 ただ、あれが「安産」っていうならば「難産」ってどんなよ?だめだ、想像を絶する。。。

インデックスに戻る