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怒濤の胎内生活編

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こんにちわ、ミニぜぶらです

 「初めまして」って言っても既に胎児時代に何度かお会いしてますよね。改めましてこんにちわ、ミニぜぶらです。怒濤の10ヶ月の胎内生活を終えて無事に俗世に出ることができました。出て来たらすっかり涼しくなっていたのでとってもラッキーです。
 俗世に出た感想はというと、やっぱり想像していた通り父が一番の頼りになる存在のようです。母らしき人はとにかく扱いが乱暴です。お風呂で水没させられそうになったり、ミルクを飲み終わった後「はーい、ゲップして」と背骨が折れる程背中をたたいたり、逆さにされたりして、僕、頭のてっぺんから脳みそこぼれちゃいそうだし、首もとれちゃいそうです。

 先日、ちょっとした仕返しのつもりで”鉄砲うんち”を引っ掛けてやりました。かなりビビってました。うんちまみれになった母らしき人はぎゃーぎゃー言いながら父にオムツ替えを代わってもらって洗面所に退散していきました。悪気はなかったんだけどついでに父にもオシッコをひっかけてみました。父も悲しそうに嘆いてました。その後、着替えさせてもらったんだけどダメ押しに”必殺マ−ライオンミルク返し”(だたミルク戻しただけですけど)をお見舞いしてやりました。二人とも糞尿とミルクまみれになってました。それで少しすっきりしました。

 しかし、そんな僕の心、親知らず。母らしき人は毎日「早く大きくなって親孝行してね」と呪文のように唱えています。僕は寝たふりをして聞いていないふうを装っています。親孝行してほしかったらもうちょっと大事にしてね。

2001/9/6



ららばい ららばい

 只今、夜の10時過ぎです。

 僕は母らしき人の腕のなかでいわゆる「寝かし付け」というやつをやられています。ほんとは一人で寝れるんだけどあんまりいろいろ自分でやり過ぎると母らしき人に自覚が足りなくなるし、どんどん放っておかれそうなのでとりあえず面倒みさせてるんです。苦労多いんですよ、ほんと。

 今もね、テレビで尾崎豊の「I love you」がCMに使われていたらそのまんまフルコーラス歌い始めたんです。それも

僕のお尻を叩いてリズムをとりながら、、、子守唄のつもりなんでしょうかねぇ。あんまり上手じゃないけどバラードだし、まあそれはよかったんですよ。でもね、それをきっかけに始まっちゃったんですよ、「尾崎豊ゴールデンメドレー」が。
最近カラオケもとんと御無沙汰なもんでストレス溜まってるんでしょうね、どんどんテンションがあがっていっちゃって、1曲前の「卒業」のときなんかは

 おおおおお、おおおお、

とか僕を上下に揺すりながら熱唱してくれちゃって気持ち悪くなっちゃったんです。僕は眉間に皺をよせてるんだけど彼女は天井向いて目をつぶって歌い上げちゃってるもんだから全然気付いてくれないし、、、おぇぇ。
で、トドメは「15の夜」。いま熱唱してます。

 ぅすんだバイクで走り出すー
 行き先も わからぬままー
 くらーい夜のとばりのなかへ〜え
えええええ

まるでパーカッションかギターにされてしまったように僕はお尻をバンバン叩かれながらこの熱唱が終わるのをじっと耐えています。もう僕を寝かし付けてることなんか完全に忘れてますね。なまじロックだからテンポが速くって下手したら僕の鼓動くらいの間隔で叩かれてます。(注:あかちゃんの心臓は約120拍/分)まだ「I love you」とか「卒業」とかスローな曲のほうがましですよぉ。とても眠るどころじゃありません、あー、もう一人で寝ますぅぅぅ、早く降ろしてぇぇぇぇぇ

2001/10/15


先行き不安

 めっきり寒くなりました。空気も乾燥して風邪の季節です。僕も早速風邪をひかされて小児科に行きました。まだ3ヶ月たってないのにねぇ、、、

診察室に入ると先生に
「やあ、ミニぜぶらくん。お顔はキレイになったね」
と言われました。うーん、やはり先生は覚えていました。
多分僕を覚えていたのではありません。母らしき人を覚えていたのです。

ひと月ほど前、僕はホッペに湿疹がいっぱいできて初めてこの病院に来ました。僕も彼女も小児科デビューです。診察室に入って
お医者さん:「じゃあ、ここ座って下さい」
母らしき人:「この子はどこに置いておきましょう」
お医者さん:「(笑いながら)あなたではなくお子さんを診るので抱っこしたまま座って下さい」
母らしき人:「あぁ、確かにそうですね。失礼、あはははは」

聞いていて僕は情けなくなりました。
さらに僕の顔の状態を診た先生が
お医者さん:「これはひどい。失礼ですがお母さんはお風呂でどうやって顔を洗ってあげていますか?」
母らしき人:「えーっと、母はお風呂には入れてません。私が入れてます」
お医者さん:「(苦笑いながら)・・・お母さんはあなたです・・・」
母らしき人:「あぁ、確かにそうですね。失礼、あはははは」

多分このせいで今日、僕らは先生に微妙な笑顔で迎えられたのでしょう。

今回は今回で僕の診察が終わったあと
「私も風邪ひいたみたいなんで診て下さい」とお願いして「いいですよ」と言われるとなにも指示されないうちにシャツのボタンをはずし始めました。
先生が慌てて
「お母さんは咽だけ見せていただければ結構です」
と止めに入り
「あらー、そうですか。失礼、あはははは」
とあっけらかんと笑う彼女に先生も看護婦さんも笑いを堪えるのが大変な様子でした。僕は目眩がして熱があがってしまいそうでした。風邪が悪化したら彼女のせいです。ふぅぅぅぅ、父の苦労、わかるなぁ。

2001/11/13


私の記憶が確かならば

 それは母らしき人が朝かさせわしなくバタバタしていた日の事です。気がつくと広くて高くて正面に鏡のあるお部屋で7、8人のお友達と一緒にゴロっとさせられ、穏やかなオルゴールの音色と共に全身をマッサージされました。
『あら、いーい気持ち』
になった後、なんだかそそくさと隅の方に追いやられて寝かされてしまったのです。そしてその途端

”ずんどこずんどこずんどこずんどこ”

というユーロビートが聞こえてきて

鏡の前にいる女の人の
「行きますよ−!すりー、とぅー、わん、ごー!」
という掛け声でお母さん達が一斉に踊り始めたんです
ん?ん?ん?何?何?何?!!!
他のお友達も様々な反応で中には泣いて抱っこしてもらっている人もいます。
そりゃあびっくりしますよ。お母さん達は僕らが転がっているのも忘れたように前へ後ろへ動いてマジでいつ踏まれてもおかしくない状態なんですもの。
 それから僕はまだ寝返りできないんで仕方なくじーっとしてるんですけど、もう寝返りやハイハイができるお友達がやってきて僕のこといじくりまわしたりするんです。
きゃーーー、やめてーーーーーー!!!!!
ストッパー役のお母さん達は踊りに夢中で気付いてくれないし、こりゃたまらん、僕も抱っこしてもらおう!そう思って泣いてみたんですけど 母らしき人は嬉々としてステップを踏んで僕の泣き声など全然聞こえないようです 。僕も死活問題なので真剣に泣いているとようやく気付いた様子で 彼女が振り返りました。
ほっ。助かった。はやく、抱っこ抱っこ!

”ずんどこずんどこずんどこずんどこ”

あいかわらずユーロビートが元気に流れています。お母さん達も踊っています。彼女は数秒間僕をじーっと見ましたが、クルっと前を向き直してまた踊り始めてしまいました。
 えーーーーーー、抱っこは?!これが終わるころ僕が違う形になってしまってもいいの?!びっくりしちゃって一瞬泣き止んでしまったんですが、これで負けてはいけないと思いしばらく訴え続けると
『あー、いいところなのに邪魔すんじゃないわよ』
そんな表情で僕を抱き上げ、そのまま再びステップを踏み始めました。

”ずんどこずんどこずんどこずんどこ”

うーん、あんまり気持ち良いもんでもありません。さっき御飯たべたばっかりだし吐きそう。。。
「赤ちゃん抱っこしているお母さんは無理しないでソフトにねーー!」
先頭の女性がステップを踏みながら叫ぶと少しだけ動きがマイルドになりました。

 それにしても一体これは何事・・・ぐてんぐてんに揺れる中でしばらく考えました。そういえば この光景、覚えがあります。そう、思い出しました。僕の記憶が確かならば、まだ僕が母らしき人のお腹に居候を始めたばかりの頃、彼女がやっていたこと。たしか「えあろびくす」とかなんとかいうやつです。僕の脳裏に、振り落とされないように必死になっていたつらい想い出でが蘇りました。あぁ、あれをまた始めたのね。そうすると確かこの後は水泳してサウナ入った後、30分近く自転車こぐんだよね。もう毎日がトライアスロンみたいだったんだからっ!もう勘弁してくれぇぇぇぇ

 後日談ですがエアロビが終わると彼女はおとなしく家に帰ってきました。さすがにトライアスロンもどきまでは手がまわらないのでしょう。でも帰りがけにインストラクターに
「ベビービクス&アフターエアロビクスの体験レッスンどうでした?」と聞かれて
「楽しかったです!来週からよろしくお願いしまーす」
と上機嫌で答えていたのでこれから毎週やるんでしょうね。その証拠に、この週末に父はフィットネスシューズを買わされてましたし。僕も保身の為にはやく寝返りできるようにならなくちゃ。自分の身は自分で守らねばね。親がしっかりしないと子供がしっかりするっていうけどホントかも。

2002/2/18


秘 密

 ちょっと前まで風呂嫌いになってました。母らしき人に頭からシャワーをかけられたせいです(彼女はそれが原因だとわかってません)。なので、ひと月くらいの間、入浴タイムの度にいつずぶ濡れにされるかと思うとビクビクしてしまって毎日泣いてました。でも、最近はショックからも立直ったし、オモチャも買ってもらったので機嫌よく入ることにしています。

 やっぱりお風呂は気持ちいいもんですよ、うん。僕、もともと風呂好きなんです。
 でも、内緒なんですけど、だっこされて湯舟につかってアヒルの親子で遊んでいるとついつい気持ちよくって、、、しちゃうんです、オシッコ。そんなときは『あっ、やば』と思って思わずアヒルを持つ手が止まってしまうし、表情も固まっちゃうんです。すると
「どうした?平気かい?」
母らしき人がまた泣くんじゃないかと思って顔を覗き込みます。僕はこの事実を悟られてはいけないと、満面の笑みを作って彼女を見返します。ついでに手足をバタバタさせて、しちゃったモノをシャッフル、シャッフル!お風呂のお湯に混ぜちゃいます。
「きゃー、なに暴れてんのよぉ、御機嫌ねぇ。お風呂楽しいの、そうでしょ、そうでしょ、よかったねぇ」
母らしき人は安心して満足そうに暴れる僕を見つめます。ちょっと良心が痛む瞬間です。

 そしてその後彼女は僕を湯舟から出すと必ず自分だけお湯に浸かり直して、

「ぷはーっ」
と気持ちよさそうに両手でお湯をすくって顔をこすります
「ぷはーっ」「ぷはーっ」「ぷはーっ」
・・・何度も何度もこすります。も、もう止めときなよ。。。
「ぷはーっ」
気持ちよさそうな彼女を見るとまたまたちょっと良心が痛むけど、とても怖くて白状できません。だってバレたらきっと湯舟に沈められるもん(イメージ:ゴボゴボゴボゴボ、く、苦しいぃぃぃぃ)。だからこれは秘密です。ごめんなさい、許してね。

2002/3/27




いけないのは僕ですか?

 「思ったより混んでるわねぇ」
ドア側に立ち、手すりにつかまりながら母らしき人が呟きました。それは隣の人との間が10センチくらい空く程度に混雑しているちょっと早めの電車でした。

 僕は抱っこ紐にくくりつけられながらもドアに張ってある井川遥のシール広告に目を奪われ、右手を伸ばして一生懸命触ろうと試みていました。以前、ドアに手を引き込まれそうになった前科があるため母らしき人は懸命に僕の試みを阻止しています。手を伸ばしても伸ばしても押さえ付けられてしまって遥チャンに全然触れません。
『あーあ、つまんないなー』
そう思いながら逆を向くとなにやらきれいな金色が目に飛び込んで来ました。今まで遥チャンに夢中で気付かなかったけど、こっちも魅力的です。うふふ、興味津々、あれなんだろ?触ってみたい。。。
 母らしき人はまだ僕の右手に注意を奪われているので左手はノーガードです。ぼくはそーっと金色に向って左手を伸ばしました。なんだか掴み易そうです。
あとちょっと。
あ、届いた。
それ、ひっぱれー!(ぎゅー)
「Oh!」
その瞬間、金色のものがくるっと回転して白いものがこっちを向きました。まん中に青い目があって僕をびっくりして見ています。ありゃ、白人のお姉さんだったのね。初金髪だ、やったぁ。
 彼女は僕を見ると納得したようで、眉毛を5センチくらい(大袈裟かしら?)上にあげて目を大きく開いて「フフン」と鼻から息を吐くような音を出しました。母らしき人はとてもびっくりした様子で
「おー、そーりー、そーりー」
とベタな謝罪をくり返しながらボクの左手をギューっと押さえ付けてしまいました。こうして僕は両手を押さえられ見動きできない状態で電車をおりるまでの15分間を過ごす羽目になってしまいました。もう一度金髪に触りたくてがんばったんだけど母らしき人のガードはとてもとても固かったです。降りてからも
「もー、信じられない、よりによってなんで
白人女性なのよーーーー、誰に教わったの?やめてよねーーーーー」
と文句を言われ続けたのでした。僕が悪いのか?あなたが遊び行くのに付き合ってあげてるのにぃ。文句言うくらいならもっと空いた電車に乗って下さい!ふん!

2002/5/21


暑いのに。。。

 今は午後8時、僕はクーラーの効いた寝室に居ます。っていうと聞こえがいいけど晩御飯もお風呂もまだの上に部屋に1人きりで閉じ込められているのです。不快さと飢えとで当然ながら抗議の絶叫中です。
 でも僕の抗議の雄叫びはすっかり無視されてドアの向こうでは
「シュウゥゥゥゥゥゥゥウ、シュウゥゥゥゥゥゥゥウ、シュウゥゥゥゥゥゥゥウ、シュウゥゥゥゥゥゥゥウ」
となにやらスプレーを豪快にまく音がしています。やがて
「バン!」「バン!」「バン!」
今度は何かで床や壁を叩く音がしました。

 静かになりました。誰かが家の中を歩き回る音だけが聞こえます。そして足音はこっちに向ってやってきました。

「ガチャ」

ドアが開くとこのクソ暑いのにジーパン、パーカー(フードを被る)、マスク、サングラス、靴下、スリッパ、ゴム手袋で全身を覆った人が入ってきました。まるで強盗か変質者。
「やったよ!王子、やっつけた!」
声の主は 母らしき人でした。この変質者みたいな格好しているのが僕の親です。自分の親ながら変な格好似合うねぇ、泣くのも忘れてしばし感心。
 おっと感心している場合ではありません。実は今日は朝から大きなスズメ蜂が一匹、リビングに居ついていたのです。

「ハチさん、ハチさん、お願いだから帰ってくるまでに出ていってね〜」
 母らしき人は同じ台詞を蜂に呼び掛けながら日中なんどもお出かけをしていたのですが、数回目の外出から午後6時に帰ってきてまだ居た時に観念したようです。彼女痛いの嫌いだからね〜、刺された時のこと考えたらとても1人で戦う気がしなくて、父が帰ってくるのを待ちたかったみたいなんだけど
「今日は飲み会だよ」
と言われてさすがなんとかせねば、と戦う決心をしたのでした。

 彼女はまず薬局へ行き薬剤師さんに
「すみません、ハチに刺された時の薬を下さい」
と言ってびっくりされつつ応急処置用の薬と
「あのー、まだ刺されてないならば殺虫剤のほうが。。。」
と苦笑いしながら勧められた「ハチアブジェット」を購入し、「蜂一族の逆襲の恐れは?」とか「刺されたらどうすればいい?」などと忙しい薬剤師さんをつかまえてさんざんしゃべった挙げ句に薬局で「がんばります!」と宣言して、ようやく家に帰ってきて処置に至ったわけです。

 おかげでこの時間。身体は汗でベタベタ、腹ぺこだし、今日はお昼寝もほとんどしてないんです。あー、不快指数100。無事に退治できたのなら早くなんとかしてちょうだい。
 そんな僕の願いは通じる事もなく、勝利に酔う彼女は
「こいつは仕留めたけど、死骸があると仲間が復讐に来るかも知れない!危険!」
と死骸と戦利品をもって再度隣のスーパーのゴミ箱まで捨てに行きました。もちろんぼくもベビーカーで道連れ。考え過ぎですよ、奥さん。逆襲なんてされないよ。あぁ、お腹空いたなぁぁぁぁ(涙)いつになったら御飯が食べれるのかしら?もう9時だよ。ツライわ。。。

2002/7/21


1週間の歌(ロシア民謡) ・・ミニぜぶらの場合・・

 月曜日 にお風呂に入り、うっかり冷や水かけられた。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ、トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ

 火曜日は布団を取られ、凍えたまま朝を迎えた 。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ、トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ

 水曜日は風邪ひいちゃって、鼻水がズルズル出たよ。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ、トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ

 木曜日は病院行って、無理矢理鼻水吸引された。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ、トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ

 金曜日にお粥を食べて、熱すぎて舌やけどした。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ、トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ

 お母さん、あなたのせいよ。もう少しちゃんと育てて。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ、トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャーリャァァア

 嗚呼(溜息)。。。

2002/10/23


新年の幕開けは悲鳴と共に 

 明けましておめでとうございます。お正月休みも終わり、僕にも日常が戻ってきました。僕も年末年始は親戚巡業でなにかと忙しいんです。ちょっとくたびれるけど皆大事にしてくれるし、母らしき人が理不尽に怒ってもちゃんと庇ってくれる人がたくさんいるから安心。あぁ、素敵な日々でした。

 今日は母らしき人とマンツーマンの生活に戻って2日目。天気が良かったので近所の公園に遊びに行きました。ぼく外で遊ぶの好きなんですよ。ウキウキした気持ちで足取りも軽く公園に向かいました。
 でも、いざ公園に行くと地面は霜が溶けてグチャグチャ。歩くたびに靴の裏に泥がついてどんどん足が重たくなってきます。これは遊ぶどころじゃありません。

 僕はハタと足を止めました。うー、せっかくおじいちゃんに買ってもらった靴が泥だらけだ。おもむろに手で靴についた泥を落とそうとすると今度は手にもべったり泥が付きました。
 あーん、イヤイヤ。僕きれい好きなんですから!こんなの耐えられません。助けを求めようと後ろについていた母らしき人を振り返りました。
「なに?どうしたの、困った顔しちゃってさ」
彼女はなぜ僕が困っているのか全然解せない様子でポケットに手を突っ込んだまま僕を見下ろしています。僕は恐る恐る泥だらけになった手を彼女に差し出しました。
「あのー、拭いてくれませんか?」
すると
「はぁぁぁ?手に泥がついて嫌だとぉ?
男の癖に情けないこと言うんじゃないわよ!」
 あぁ、止めときゃよかった、言わなきゃよかった。そう思った時には時既に遅く、彼女はポケットからガバッと両手を出して高々と構え、獅子舞みたいな形相になって後ろから僕の両手をむんずと掴みました。そう、僕はまるで禿鷹に捕まった子ウサギ。いえいえ、子ゼブラ。そして
「いい?これが泥遊びっていうものよぉ!それーーーー!」
叫びながら僕の両手を泥の中に突っ込んでぐちゃぐちゃにかき回しました。

いーやぁぁぁぁぁぁぁ、やーめーてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!

 手を洗っても、夜、お風呂に入っても僕の爪には泥が残りました。僕の手、いつになったらキレイになるんだろ。しばらく手づかみで食事したくないなぁ。それにしてもあの人ってなんであんなに乱暴なんでしょう。「子は親を選べず」、世の無情を感じる2003年の幕開けです。

2003.1.8


ロタる!

 ジュルルルルル。ジュルルルルル。ジュルルルルル、プハーーーーー。

 今、何時だろう?朝なのか、夜なのか?僕は朦朧とする意識の中で考えました。もうかれこれ5日間、イオン水と牛乳しか飲んでいません。身体に力が入らなくて起きることはおろか寝返りをうつのも面倒臭い。

 5日前、いつものように遊んでいると急にお腹の辺りが苦しくなって、口から何かがドバドバ出てきました。母らしき人がびっくりして飛んできて口の周りや服を拭いてくれました。
「うわー、王子。吐いちゃったの。どうしたのかな」
 ふーん、これが「吐く」ということなのね。初体験です。出ちゃった後はなんともなかったのでまた遊び始めたのですが、20分くらいするとまた苦しくなって吐きました。その後も何度も吐いているうちにお腹も下り始めて熱も出てぐったりしてしまったんです。

 夜中にお医者さんに行って吐き気止めをもらうと嘔吐は治まりましたが、下痢は続いていて、それから僕は固形物を与えてもらえなくなってしまいました。最初は空腹感いっぱいで不愉快極まりなかったんですけど、だんだん意識が薄れてきて冬眠に入る熊のようにうつらうつらするようになってきたんです。

 お医者さんが言うには「ロタウィルス」っていう菌がお腹に入って起こる胃腸炎で、インフルエンザと並んで2才以下の子供が冬にかかる2大冬風邪だそうです。

 それからというものずっと寝たきりで、たまにお腹がグルグルいってウンチがでるんだけど、毎度とっても緩いみたいでオムツからあふれて背中にまわって襟首のあたりまで温かくなります。パジャマもお布団もちょっと臭くて生温かくいけど、「もうどうでもいいや」って感じ。
 母らしき人は初めて発見したときには
「あらー、寝汗掻いちゃってるわ」
と勘違いしながら近寄ってきて
「ぎゃーーーー、これウンチじゃないのよーーーーーーっ!首から出てくるってどういうこと??!!!!」と夜中に一人で大騒ぎしてましたが、その後は
「あぁ、まただよ。。。マジで他所の子ならお断りだな。。。」
と観念した様子で毎回、糞まみれの僕を拭いて、着替えさせて、お布団を替えて、洗濯して、のルーチンワークを繰り返してました。忍耐力を養うよい機会です。

 で、冒頭の音ですけど、あれは母らしき人が僕に隠れて台所でしゃがんで何かを食べている音です。彼女もさすがに絶食の僕の前でモノを食べるのは気がひけるようで、一応隠れて食べてくれるんだけど、あーんなに音声が聞こえてくると意味ないんだよね。多分今食べてるのはラーメン。

 ジュルルルルル。ジュルルルルル。ジュルルルルル、プハーーーーー。

 こりゃビールも飲んでるな。彼女、相変わらずあと一歩の配慮が足りないですね。本人完璧のつもりでラーメンずるずるすすりながら「優しい母親の自分」に酔ってると思います。
 僕が音の方に視線を注いでいるとカウンターの下から口一杯にラーメンを頬張った彼女がこちらを伺うようにそーっと顔を出しました。
 !!!!
 ゴンッ! 
 ンガッ!
僕と目のあった彼女は「しまった!」とばかりに慌ててカウンターの陰にしゃがみましたが、その際にどこかをぶつけたようです。苦痛のうなり声が聞こえてきます。あーあ、しょうがない人だ。痛がってなさい。

2003.3.17


秋の大運動会

 僕は母らしき人の腹の中に居た頃には世の中のコトや前世のコトなんかをよーく知っていたはずなのに生まれてしばらく経ったらそんな記憶はキレイに消えてしまっていました。不思議です。でもお友達もみんなそうみたいですよ。

 先日僕が所属する子供会でミニ運動会なるものがありました。体育館に集まった2才3才の20人の子供達(幼稚園に入る前の年令です)は誰も「運動会」ってものがなんなのか知りません。

 プログラム1番「玉入れ」
 「用意、ドン!」の合図と共にお母さん達がその辺に転がっているボールを箱に入れ始めました。え?もうお片付けの時間かしら?来たばっかりなんだけど。。。戸惑う僕達も仕方がないので片付け始めました。箱は赤、黄、緑の3つがあります。僕が赤や黄色の箱にボールを片付けると「ちがう!王子!緑の箱よ!」と叱られたりしました。片付けばそれでいいじゃないのよ。
 そして全部キレイに片付いてホッとしているとせっかくしまったボールをお母さん達が「ひとーつ、ふたーつ」なんていいながら楽しそうに箱からポンポン投げ出し始めました。あぁぁぁ!折角片付けたのに何するんですか!(怒)僕達は慌てて投げ出されたボールを箱に入れに行きました。
 係りのお母さんは「わからなくなっちゃったわぁ。玉入れは勝敗なしでーす」と大きな声で叫びました。

 プログラム2番「綱引き」
 「用意、ドン!」と言われればとにかく走るに決まってるでしょ。中央に置かれた綱の周りに集められた僕達は合図と同時にとにかく走り始めました。20人で好き勝手にいっぺんに走り始めたからいろんなところでぶつかり合って事故が起きています。泣いている子もいます。
 係りのお母さんは「みんなー、違うわよ−!!走らないでーーー。紐を引っ張っぱるのよーーーー」と大声で叫びました。

 プログラム3番「パン食い競争」
 目の前のロープに3個。美味しそうなプチパンがぶらさがっています。一人ずつ行って引っ張ってパンを取ってきました。僕の番です。
 「用意、ドン!」
 横のお友達2人はぶら下がっているパンを取りました。でも僕は知ってるんです。係りのお母さんの後ろの箱にいっぱいパンが入っていることを。僕はロープをくぐり抜け、真直ぐ箱へ駆け寄ると両手一杯にパンを取りました。「おかーさん、やったよーーー!」得意げに顔を上げると、母が慌てて走ってきて僕は連れ戻されました。せっかくたくさん取ったのにパンは1個しかもらえませんでした。ケチね。

 プログラム4番「リレー」
 ぼくがパンの件で納得がいかずぼーっと立ちすくんでいると「はい、ミニぜぶらくん。緑チームの一番ね」と緑の筒を渡されました。なーに、これ?
 「用意、ドン!」
 訳も分からないまま僕は母らしき人に手を引かれて筒を持ったまま走らされました。
 ?????何なの?
 一周廻って戻ってくるとお友達が待っていました。
 「王子、バトンを渡して」
 「イヤ」。だってこれは僕がもらった筒だもの。おうちに持って帰る。
 「王子、バトンタッチっていうのよ!」
 「イヤイヤイヤ!」渡さないもん。
 母らしき人もお友達のお母さんも困っています。でも隣のコースを見ると赤のお友達も黄色のお友達も筒をひっぱりあって喧嘩しています。そうだよね、急に「”どうぞ”しなさい」って言われてもイヤだよねー。
 「もう!とにかく渡しなさい!」
みんな最後は説得にしびれを切らしてマジ怒りするお母さん達に筒を取り上げられてました。

 「一体僕達は今日何をしていたんだろうね」
帰りに公園のお砂場でお友達と遊びながら話したけど、みんな「うーん。。。」と首をかしげていました。あとでお父さんに聞いた話によるとあれは「運動会」というものらしいです。ひとつ学びました。収穫はパン1個。果たしてこれが良いものなのか悪いものか。でもまあ、うちに居るよりは楽しかったかな。

2003.10.9


とりあえず御挨拶

 初めまして、もうすぐこのサイトの一員に加わる予定の”超ミニぜぶら”といいます。

 実はまだオーナーのハラの中に居りまして、このサイトに私のコーナーは用意されておらず、仕方ないので兄のコーナーをちょっと拝借して御挨拶をさせて頂いてます。(兄の時には生まれる前からちゃんとコーナーがあったというのにひどい話です。もしかしたら生まれても作ってもらえないかもしれない。。。)

 お正月も明けて私もそろそろ外界に出なければならないようです。お医者さんも「もう出てきても大丈夫ですよ」なんて言ってますけど、なんか外は「冬本番」なんて言われてて寒そうでイヤですね。どうしても出なきゃダメなのかしら?私としては首座るまでここに居ても構わないんだけどな。でも出た方が安全そうな気もするし、思案のしどころです。
 今日も母らしき人と兄が散歩の途中で強風に煽られて二人で階段から落ちてました。もの凄い突風が吹いた瞬間2、3段危う気に後ずさるオーナーと2、3段転げ落ちた兄。慌てて走り寄り、兄を抱き上げるオーナー。踏ん張ったり抱き上げたりする度に当然オーナーのハラに力が入るので出されそうになる私。やめてー、こんな寒空の下で産み落とさないでーーーー!必死に叫べども為す術なく。。。兄を助け起こした後、オーナーは一言「あー、産んじゃいそう」。変な言い方ですけど生前に危うく命を落とすところでした(涙)。はやく家帰っておくれよ。

 母らしき人の出産・入院準備グッズだって見てるとガラクタだらけだし、ほんとにちゃんと迎え入れてもらえるのかしら?兄も同じ不安を抱いて胎内生活を送ったようなので、無事に生まれることができたら二人でゆっくり話をしたいと思います。月並みではありますが皆さんも私の無事を祈っていて下さい。

 それでは、近い未来にお目にかかれることを願って年頭の御挨拶に代えさせて頂きます。あでぃおす。

2004.1.8


でてきたよ

 おいら弟ぜぶら。2ヶ月程前におかんのお腹から出て来たばかり。前回の挨拶の時は外の様子がイマイチ分からなかったから兄貴のキャラを借りて挨拶してみたけど実はおいらはあんなおっとりしてないんだ。

シャバの生活はどうかって?うーん、正直快適とは言い難いね。まだ全然動けないのをいいことにおかんと兄貴、おとんまでいいように連れ回すんだ。おいらは家でゆっくり寝ていたいのに。

 家にいても兄貴のことばっかりでおいらは放っておかれっぱなし。

例えば腹一杯になっておかんの腕の中で気持ち良くウトウトしている時でも兄貴が「おかーさーん、ウンチ出た」って言うとゴロンと床に投げられちゃうんだ。おいおい、勘弁してくれよ。やるせなくて泣いてみるんだけどおかんは

「うわー、くさーーー。もうこれは”育児”ではなくて”介護”よぉ」

とかいいながら兄貴のオムツ替えに夢中でシカト。そのうち泣くのもくたびれて寝ちゃうんだよね。

そうすると

「あーら、寝ちゃったわ」

なんてうれしそうな声が遠くに聞こえるのさ。

 あとさぁ、服がお古ばっかりで不満だね。兄貴は夏生まれだから薄い服しかないんだよ。で、その薄い服を何枚も重ねて着せらせるんだ。モコモコして寝心地が悪いよ。季節外れのガラとデザインで恥ずかしいしさ。なんで真冬にスイカだのセミだのついてるもん着なきゃいけないんだよ。もう少しスッキリ、スマートな格好させて欲しいもんだ。これまた泣けてくるぜ。

 でもおかんはおいらに滅茶苦茶甘いらしい。兄貴がそっと教えてくれたよ。

「いいなぁ。僕なんか生まれたての頃、泣いてるだけでマジ切れされて怖かったんだよ。」

確かにどんなに泣いても、吐いても、ウンチひっかけても叱られないよ。ちょっと笑ってやるとおかんいつもヘラヘラしてる。でもさぁ、こんなに雑に扱われてるんだからそれくらいしてくれなきゃ割にあわないよ。そう思ったけど兄貴には黙っておいたよ。

 そんな感じよ。生まれてきたけどやっぱりおいらのコーナー出来てない!けどこれからもちょくちょく顔だすからよろしくね。

2004.4.2