区切り打ち第二弾に行ってきました。

 今度は前回時間切れであきらめた鶴林寺へのリターンマッチとその次のこれまた難所である第二十一番札所太龍寺に上るのがメインの目的でした。段々坂マニアになって行く私。しかし、クルマでお遍路しているヒトに「スゴイですねぇ。」と言われながら「なんでまた自転車で…。」という目で見られるのですが特別に理由はないのです。当然のこととしてたんたんと上るという感じなのです。

 むかし松本に出張したときに半日時間が空いたので観光バスに乗ったのですがその時のガイドさんが言ってたコトバを思い出します。

 「山は登るところ。峠は越えるところ。高原は夢見るところと申します。」

 高原はいまだによくわかりませんが、現在よくわかるのは、「峠は越えるところ」なのです。「どうして山に登るのですか?」と訊かれて「そこに山があるから」と答えたという英国の登山家 ジョージ・マロリーの逸話はあまりに有名ですが、この感覚も現在やっとわかるような気がしてきました。もっとも、これは記者のしつこい質問にうんざりして答えたというのが本当のところらしいですが。

 今回は25日の朝までに現地に入って25日中に大阪にもどらなければいけなくて正味回れるのは625日一日だけでした。ですからクルマで行ったのです。クルマは太龍寺に上がるロープウェイ乗り場が道の駅になっているのでそこにずっと停めておくつもりでした。深夜1時くらいに到着すると電気は全て消えていて誰もいませんでした。道の駅なのでもう少し賑わっているのかと思ったら全然違っていました。

 自転車の整備や明日の準備をしてから寝るつもりが、真っ暗でできそうにないため日が昇ってからすることに予定変更して寝ました。ところがこれだけヒトの気配がなく真っ暗で静かだとよけい眠れないのです。不思議なモノです。結局なかなか寝付かれずまた寝付いた後も何度か目を覚まし、445分には日も昇っているので起きることにしました。

 朝食を取り、自転車の整備、特にBBの調整や各部のボルト等締め付けの点検を行って545分に出発しました。

 鶴林寺は順打ちでは生名から鶴峠まで上りそこから右折してさらに上ればたどりつきます。右折せずにそのまま峠を越えれば太龍寺の方へ行きます。前日にロープウェイ乗り場まではそのルートで自動車を走らせました。だから今日は、まず鶴峠を反対側から自転車で上りそのまま鶴林寺に上ればラクなのですが、それだと前回のリターンマッチの意味がないため、一度前回あきらめた地点まで鶴峠を生名の方へ下っていきます。ちょうど人家がなくって激坂がはじまるあたりから折り返しスタートすることにしました。時刻は632分。

 焼山寺の鍋岩から丈杉庵までの坂に比べるとラクですが、それでもかなりの坂です。なんとかもう一度鶴峠まで戻り右折してさらに上り、駐車場に到着したのが712分でした。ちょうど40分ですから、やはり前回はどんなに頑張っても間に合いませんでした。この駐車場までたどり着いたら5時を過ぎてしまったことでしょう。しかも荷物を積んでいてはゼッタイ無理でした。

 駐車場から先は車両通行禁止となっているので自転車を置いて歩いて行きます。お参りを済ませてエネルギーと水分を補給して少し休憩し745分にまた出発。

 鶴林寺の納経所のおじさんは自転車なら10キロほど走ればロープウェイ乗り場があるから自転車と一緒に乗って上り平等寺のほうへ下ればイイと親切に教えてくださいました。

 私は、そのロープウェイ乗り場から来たとは言えずに礼を言いましたが、ロープウェイに乗るつもりはなく28号を走って旅館坂口屋、龍山荘を通り旧車道を上ります。駐車場まで「激坂3km」という話でしたがユルイ坂でこれは大したことないわいと甘く見ていたら1.5kmを過ぎた頃から激坂に変わりました。

 

 駐車場手前の最後の坂が特に厳しくて駐車場に着くなり自転車を降りベンチに倒れ込んでしまいました。

 駐車場からはたいていその先車両通行禁止となっているのにここは四輪通行禁止となっているのです。それならこの先も自転車に乗らなければなりません。しかし、45°くらいありそうに見える坂はこぎ出してもウィリーのように前輪が上がってしまいとても乗っていけません。あきらめて少し押していきますが乗って上るより押して上がる方がしんどいのです。しばらく上ると少し緩くなってきたのでまた乗って上ります。その後どうしても上れない場所の2ヶ所ほどは押して行きついに太龍寺到着。ここを全部自転車に乗って上るためには駐車場で一泊して休憩しないと無理です。特に鶴峠裏表と鶴峠から鶴林寺までという都合三つの峠越えの後では脚がもちません。

 下りをどうするか。ロープウェイで下ればクルマを置いているところに出るのでラクチンです。もう一つの選択は上ってきた道をまた下ってから平等寺とは反対方向にしばらく走ってクルマに戻る方法です。なぜクルマに帰るかというと輪行袋を置いてきたからです。輪行袋はけっこう重いのです。今回はBBの取り付けに自信がなく、もし不具合が出たときは前のBBに戻すためにカートリッジのBBBB取り付け用の工具をリアバッグに積んでいたのです。さらに輪行袋を積むと重すぎて峠は無理と思ったのでクルマに置いて後で取りに戻ることを選んだのでした。実際工具等の入ったリアバッグは5kgほどの重さでこれに輪行袋の1kgほどが加算されると、とたんに峠を越える気力のなくなる重さになってしまうのです。不思議なことに。

 結局自転車で下ることにしました。しかし、この下りは道が悪すぎて全く楽しめませんでした。これはサスペンション付きのMTBでないとほとんど徐行で下らなければなりません。

 しかし、195号まで来ると鷲敷の道の駅を発見しました。クルマに戻るとまた自転車を積んで今度は鷲敷の道の駅に駐車して次を目指すことにしました。

 平等寺まではそんなに距離もアップダウンもないのでワリとラクに流して行くことができ、脚は少し回復したようです。しかし、梅雨とは思えない天気の良さでこの暑さはたまりません。

 平等寺を出発したのは12時ちょうどくらいです。次の薬王寺までが21kmなのでゆっくり走っても1時間くらい。77km3時間で走ってギリギリ最御崎寺ので間に合うかも、と思っていましたがこれがまた甘過ぎでした。

 というより、今回もここからが調査不足でした。勉強して行ったのは、実は峠越えの鶴林寺と太龍寺だけでその後は距離があるだけだろうと甘く見てあまり調べていませんでした。

 まず田んぼの中の分岐で道を間違えました。55号の方向に行かなければならないのに反対方向へ行ってしまいました。そして、舗装路がなくなって気が付きました。また引き返して55号の方向へ。ところがこの55号がけっこうアップダウンがあってラクじゃないのです。暑さと相まってかなり参りました。峠は一日幾つも越えるモノではありませんね。脚にはかなり疲労がたまっています。

 薬王寺には結局1330分に到着。14時前に出発すれば全て平坦な道だったとしても77km3時間でギリギリ。暑さと疲労を考えるとカケをする気がなくなって結局ここで今回やめることにしました。

 薬王寺の真ん前にカレーとチャイの店を発見したのでここで遅い昼食を取ることにしました。これが大正解でした。おいしいカレーとチャパティ、それに甘いチャイで幸せな気分になってホッとしました。普段ならチャイに初めから砂糖が入っていたら怒るところですが、疲れた身体に甘いチャイはとてもおいしかった。

 日和佐の駅から輪行して桑野まで帰りそこからまた自走して鷲敷の道の駅に戻りクルマに自転車を載せて大阪まで帰ってきました。クルマでの帰りというのは電車で輪行して帰るのに比べると信じられないくらいラクちんです。帰りは高速代をケチらずに大阪まで帰ってきたのでなおさらでした。




 

 
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